お待たせしました。

1983年 夏のコンサーㇳ

Moving  Maniac  

金髪のひろみさん満載のパンフレットです。


Moving Maniac
日常の中に潜む、安易さや怠惰を打ち破ってゆくパッション、情熱クリエイティブな怒りが、気迫を込めて、僕にせまってきた。 僕のとなりでレッスンを受けるひとりひとりが一歩でもはいあがろうとして、上を見つめている。 状況を脱することの出来ない、いらだちやあせり、自分自身への反省や疑問。 同じ苦しさの中で、チャレンジャーたちはそれでも夢を見ている。 僕が学んだものは、きっとすぐには結果に結びつかないことだろう。でも確かなことは、この5年間の中で、初めて本格的にやってこれた、少くとも、方法がわかって、一生懸命だったってこと。それだけは言える。
セトリは、次回のご紹介で
New Yorker
ニューヨークからニュージャージー州にまたがってかかっているのが、 有名なジョージワ シントン・ブリッジだ。 この橋は約90年前に作られたのだとか。 少くともこれにはびっくりす る。そのパワー、スケール、エネルギーこそ、 ニューヨーカーたちの精神的背景なのだろう。 巨大な大都会にあって、自分を見失わず、 個性的に生きてゆくバックボーンを感じるのは、 決して僕だけではないだろう。 そんなニューヨークの表情が好きだ。
Week End
自分でアレンジした割には、ウィークデーがハードだったから、週末になるのが待 ち遠しかった。 アパートの近くにある、セントラルパーク。 ボートに乗ったり、昼寝をしたり、とにかくくつろげる。日中は暑くて、体がまっ黒にやけてしまった。 特に今年は例年に比べて暑いそうだ。
それと、メトロポリタン美術館には感激した。 昔、教科書かなにかに出ていた絵 、あれの本物があったから。 絵画、彫刻。 アーティフィシャルな刺激を受けると、ク リエイティブになる。 美しいものは、どの国にいても同じだ。 そんなわけで、 ウィー ク・エンドという言葉の持つ意味がよく理解できたし、確かに楽しいものだった。
My Space
都会の中で、ひとりになれる空間。 それがベッドルーム。 いつ行っても、 EAST 55丁目にある、この友人のアパートメントは清潔で居心地がいい。 おかげで、 物を考える時間をずいぶん持てたような気がする。
月曜日から金曜日までは、朝7時半から9時頃の間にこの部屋で目を覚ます。 オレンジジュースとチーズ。 朝食はそれだけ。 その日のレッスンに飛び出す。 1日が始まる。
ダンスのレッスン場までが歩いて30分。 1日1時間半ないし、2コース分の3 時間をとる。そこから15分歩くと、英会話スクールがある。 帰るまでに、ワン・ レッスン40分のコースで56レッスン受けた。 ボーカルを習いにハーレムまでタクシーで約30分。 夕方にアパートメントに帰って、それからブロード・ウェーへ。 映画やミュージカル
遊びも仕事も区別して、目一杯楽しみ、目一杯頑張る。 アメリカンスピリットに 少しは近づけたようだ。
N.Y.LIFE
そんな訳で、昼は歩きながらスタンドのホットドッグを食べる毎日だった。 ソーセージが胃の中で踊っていた。 これは 冗談じゃなく、本当の話。 それでもたまに、夕食をとりにレス トランへ行った。 スーパーで買い物をして、美谷さんや、ジョンという友人と交代で食事を作る。 皿洗い、後片づけ。 男だけの気ままな毎日。
洗濯もやった、掃除はもちろん手慣れたもの。 ニューヨーク にいる日本人の友人たちから、「ひろみはニューヨークが合ってるね」って言われてた。事実、1か月間、衣食住、どれをとっても何の苦もなく生活できるから、多分、僕のフィーリング にぴったりの空気なんだと思う。
"郷に入れば郷に従え"、ってことわざ、本当に僕のこと言い8当ててるんじゃないかな? これはジョークだけど、 そのくらい環境にはなじめた1か月間だった。



ハーレムでボーカルレッスンを終えて、タクシーで帰ってくる途中のことだった。運転手が「窓を閉めてくれ」って言うわけ。むこうのタクシーは、前の席と後部座席が防弾ガラスで仕切られているから、冷房が後ろまで届かない。 で、失礼な運転手だなって思ったと いきなり閉め切らない窓に水がパシャーとかかった。何かな、と思ったら、子供たちが消火栓から水を出して、通りかかる車めがけて放水している。 それで窓を閉めろって言 ってたわけ。これはニューヨークの遊びのひとつなんだって。
その遊び見てて思ったのは、日本だったら絶対にとがめられるし、やめさせられる。でも 小さい頃にそうやって伸び伸びと育ててあげることが、独創性につながってゆくんじゃな いかなって、ふと思った。クリエイティビティーにつながるんじゃないかって。
ファッション見たって、様々で個性的。 自分の好きなように楽しんでいる。 映画だって楽しみ方が違う。その中で才能持った人がどしどし出てくるとしたら、やっぱり土壌の違い、
社会が人間に何を与えてゆくか、の違いがあるってことじゃないだろうか? この辺の考え方、物事の判断。 日本人にはまだ不足している部分だと思った。

Good Bye. My New York 
 今まで5年間のアメリカ行きの中で、今回は成果があったとしたら、一番大きい。人数は少ないのに出会った人たちが、凄いレベルだった。ひとつだけ、はっきりわかったことは、「最終的に、どんな仕事でも、どんな事柄でも、勉強している方が、勝つ」ということ。目的意識を持ち、やり方を知っていて、必要な勉強をすること。 当り前だけど、必ず自分の身になってくる。ニューヨークでは、だれもが上を見て、はいあがろうとして、勉強し続けていた。 それは確かだ。


Are You Ready?
勉強を続けている時、だれもが、壁にぶつかったり、自分がはがゆく思えたりする。そんなとき、“怒り"にも似た情熱で、自分自身に克とうと魂を燃やす。ニューヨークで見た情熱は、そんな怒りにも似たパッションでした。 僕が実感として受けた"怒り"を込めた情熱を今回のステージで表現できたら最高です。 歌から、言葉から、踊りから、感じてもらえますか?
いかがでしたでしょうか?
金髪ひろみさん
ニューヨーク感満載の、パンフレット
ニューヨーカー達に混じって、日々頑張るひろみさんの姿

今、海外を目指している若者達に、是非とも読んで欲しいと、思います。


ブログ投稿が、たいへん遅くなりました。

さっそく、セトリのご紹介を🎵

 '83 HIROMI GO CONCERT ―SPRING 
比呂魅卿の犯罪

曲目

PART1

美貌の都

毎日僕を愛して

夢中

比呂魅卿の犯罪

やさしさが罪

君の名はサイコ

だからスペクタクル


1部は、多少歌唱順は、違いましたがパンフレットのセトリ通り、アルバムから歌って下さいました。


実は、このコンサートは、


私にとっては初のお泊り遠征

そして初の東京、中野サンプラザ

そして、最後の独身コンサート

東京まで行ったのは、記念に!っていうのと、

一番大きな理由は、名古屋での公演が無かったからえーん


コンサートを見ながら、これまでのいろんな想いが頭を駆け巡り、コンサート自体は、ほとんど覚えていないと云っても、過言で無いくらいで驚き

お恥ずかしいネガティブ


PART2

I'LL TOMBLE 4 YA

 


DO YOU REALLY WANT TO HURT ME

 


当時、爆売れのカルチャー・クラブのナンバー2曲

1番有名なヒット曲じゃない曲を歌っているのが、ひろみさんらしくて好きです。


I KNEW YOU WHEN

 

女性シンガーの曲を、歌うひろみさん
好きですキューン
イェイェイェって、ところがひろみさんの声にとっ
ても合っていてラブ

ORIGINALS

オリジナルコーナーは、大好きなノリノリの曲ばかり

恋の弱味

禁猟区

洪水の前

セクシー・ユー

セクシー・ユーで、ノリノリムードの流れからの


SOME GIRLS

 

こういった、ノリノリのロックンロールは、ひろみさんお得意

見ているこちらもニコニコで、一緒に踊りたくなりますね音譜

 I Wanna Do It With You

ひろみさんが多く洋楽カバーされている、シンガーさんのお一人ですね。
現在もお元気で若々しく活躍されているとか

最近はなかなかアルバムからのセトリステージが、無くて寂しいですね。

来年こそは、アルバムリリースして、コンサートで歌って欲しいですね。

と、今年のコンサートもまだ見てないのに、来年の事を言うなんて爆笑

後、1週間後のお楽しみ
どんなステージを魅せて下さるのか?
楽しみで仕方ないです音譜

前回は取り急ぎの投稿となってしまいました。

1983 春 コンサートパンフレット 続きをご紹介したいと、思います。


ずは、パンフレット内のINDEX

して、コンサートセトリ
セトリの詳細に関しては、また次回の投稿で
罪  
美しい毒蜘蛛ならなおさらに……

からだからツーッと糸を出して降りてくる蜘蛛を見たことがある。 
蜘蛛って、どこか罪深さを感じる。
大きな蜘蛛、きれいな色をした蜘蛛ならなおさら罪っぽい。 
黒と黄色のシマ模様のヤツとかがいる。 
あれなんていい。 
べつに好きじゃないけどね。 
背中にはいってしまったとか、そういう体験、僕にはいっさいありません。 
だいたいああいうのは絶対にダメなんだ。 
アッ、毒蜘蛛がいい。
犯罪の香りがするよ。

ガサッとたばねられた鍵には……
鍵、それもギッシリたばになっているヤツ。
 ひとつひとつが微妙にちがっていて、 
まだ人の手のぬくもりがわずかに感じられる鍵のカタマリ。 
したたかな犯行のあとをにおわせる。
 それが、大泥棒の念入りに用意された七つ道具のひとつなら、 
ぜひ完全犯罪にならんことを、 という気持がどうしてもある。 
いつかあったね。3億円事件。 
あれは子供心にも圧巻だったな。
大きな柱時計の中には、きっと……

古い大きな館。夏は外壁一面ツタにおおわれていて、 しのびこもうと扉に手をさしのべると、ギーッとさびた音がする。
もちろん、中の空気はよどんでいて、 
しばらく人の気配がなかったことを物語る。
 なのに…………、時計の音が聴こえてくるんだ。
なぜか足は、その音の方へしだいにひきよせられていく。 
目の前に現われたのは柱時計。
僕の身長ほどもある。 
誰かがこの中に!ゾクッと背中が寒くなって、殺気!!
 とっさにふり向くと、そこには、ただラセン階段があるだけ。
こんなのサイコーだ。
どっかの映画とか童話とかにあった?
ある夜、僕らは少年探偵団を結成して……

中学のとき、何人かの仲間たちと、夜の学校にしのびこんだ。 
夜の学校はたまらなくおそろしい。
ワックスをかけた廊下の照り返し、
机と椅子だけが列ぶ教室。
懐中電燈を点けることで、無気味さがさらにます。 倉庫があった。山登りの好きな仲間のひとりが、
持っていた鍵を使って開けようとした。
カチャッと開いた!
中を照らすとビールとジュースがいっぱいある。
来賓用なんだ。
そこでみんなでジュースを飲んで、
扉を閉め帰ってきた。
当然、悪いことをしているという意識がある。
だからこそ、それを行動にうつすとなるとスリルがあっていい。
何かを探求しようとするとき、
かならず必要になってくるのが懐中電燈だとおもう。
夕陽のガンマンになったつもりで……

プラスチック製だったと思うけど
4歳か5歳の頃、拳銃を買ってもらった。 
当時としては、けっこう新しいタイプのものだった。 色は黒。 
ホラ、西部劇なんて見ているとよくあるよね。 
銃口の方をにぎって、グリップで肩とかをなぐると、相手が気絶するシーン。 
その買ってもらったばかりのプラスチックの拳銃で同じことをやったんだ。
そうしたらバラバラに壊れてしまった。
バリッと割れて、もうビックリしたのとガッカリしたのと両方
遊びでやったわけだから、そんなに強くたたいたわけじゃない。
なぜ、そんなことをしたのかというと、
情景が西部劇のシーンとそっくりだったからと思う。
家の近くの小高い丘で、夕陽があたっていて、 
決闘にはもってこいの場所と時間だった。
だからつい、そういう気分になったんだろうな。
ふつうの遊び方をしていれば、
もっとながもちしたかもしれないのに。



屈託なく笑ういいヤツよ。 
中島みゆき
ごく個人的な趣味で言えば、私はとにかく屈託なく笑う人間ってのがひじょうにひいきである。それまで私とかなりちがう意 見の持ち主でコノヤローと内心おもっていたとしても、その人間の笑い方がおおらかでさえあればもう、私はいとも簡単に寝返っちゃうのである。 これはいいヤツよ、くらいなもんである。ところで郷ひろみ氏は、 初対面の日、みごとにお笑いになってしまった。 で、私はその気になって、なんと 三曲書けてしまった。驚いた。


「中島みゆきさんは、芸術家という感じがしま す。作曲家というより、詩人ですね」(HIROMI)


郷スゴミに思う。 
糸井重里
郷ひろみという人は、どうしてあんなにスゴミがあるのだろう。 若いのに。
人間の属性には、いろんな「ミ」があって、 オモミ、カルミ、アタタカミ、カナシミ、イツクシミ、と、それは際限がない。 住んでるところはタタミで、月水金に出すのがゴミで、夜になればヤミなのだが、そこいらへんはあまり関係ない。
「ミ」の分量の多い人間が、いわゆるミガ (魅力ですね)のある人ということになるわけだが、郷ひろみの 「ミ」は、やたらとスゴミが目立っているように思える。
スゴミの正体は何だろうと考えてみると、 現在いまある社会をニラミつけるような視線ではないかと思えてくる。
そういえば、スゴミのある、と思える人々は、 みんな、平和で平均的な社会に入ろう としてもそれを拒絶されているといった「事情」を持っているようだ。
戸をガラッと開けて、あったかいコタツにすっと足を入れられるような人に、スゴミは育てられそうもない。 戸をガラッと開けた途端に人々の目線が集中してしまって、
「あんた、誰!?」 と叫ばれそうなところに、 スゴミのある人は立たされているのである。
郷ひろみが、スゴミを持ってしまった事情というのは、そのあたりの「あんた、誰!?」 と言われ続けた歴史によっているのでは ないだろうか。
美しすぎるノケモノ。これこそが、このフツーばかりが大手を振っている社会で、郷ひろみにスゴミをもたらしてしまった原因なのである。


「糸井重里さんはコピーライター。さすがに ミ 力のある文を書かれます。いつか、僕のミ の部分をめぐってミ来を語り合いたいもので す」 (HIROMI)


申しわけないが、
潜在的ファンの期待は 
大きいのです。 
矢野顕子

郷ひろみさんに初めて会ったとき、やっぱりあがりました。 「オッ、 まぶしい」という感じ。 輝いているんです。 今度のLPには、私の作った曲がふたつ入っています。そのひとつ「毎日ぼくを愛して』には、最後のほうに私の声も入っていますが、彼とデュエットしたいというわけじゃなくて、私の声があったらいいな、とおもったからです。ともかく、郷ひろみさんに 歌っていただいて光栄です。 自分が作った曲を歌ってくださる方として素敵だし、 歌ってくれてありがとうという気持です。 考えてみると、彼と私って同い年なんです。 それに、男の人で27歳といったら素敵になりはじめるときですよね。だから、なんとなく感情移入があるようです。私のかってで御迷惑かもしれませんが……。以前から、郷ひろみさんがテレビに出ていると、うれしいなという感じで見ていました。私は潜在的ファンというわけです。 今のポピュラー・ミュージックの世界で、 歌うということは、すごく機械的なことでもあるんですが、本当に機械的に歌えるということがなかなかできない。それが、い つでもできてしまう実力があるから、その基本的な力をもとにして別の方向をめざすこともできるんですね。
たとえば、タキシードに身を固めて高いディナーショーをやるとか、ブロードウェイでダンスをするとかになるのではなくて、もっと別のものもあるような気がします。郷ひろみさんならその新しい何かを見つけていけるとおもいます。

「矢野顕子さんって、すごくかわいい人です。 いっしょに記念撮影をしました。同い年です。 アッ、それからワインのさしいれありがとう」
(HIROMI)


変貌していく自分に対する客観的見解

一演じてみたい役をひとつあげるとすれば?
聖徳太子です。 メイクとかコスチュームとかで、今の僕をまったくちがうものに加工しな ければできない役だとおもうから。 現代劇では僕のイメージがどうしても出てくるだろうけど、聖徳太子となると話はちがってきます。自分の中のとくにちがったキャラクターを発見できるかもしれない。

ーなんにでも変身できるとしたら? 
このままでいいんですが、1センチくらいになってみたい。そうすれば、どこへでもはいっていける。

ー今年のドラマの予定は? 
桃井かおりさんと夫婦役になる3時間ドラマ 『聖母たちの行進』と、後半に時代劇にレギュラーで出ます。3時間ドラマの方では、マザコンでどうしようもない男なんだって。(笑) それで引き受けたんです。
時代劇では、昼はドジ、夜は正義の味方といった、まあ月光仮面のような役です。おもしろいとおもう。

ー実際にもマザコン?
そうじゃないとおもうけど、若干そういう点があるかもしれない。僕に対するオフクロの愛情が強すぎるんでしょうね。

ー母親が理想の女性で、なかなかほかの女性を好きになれないと本格的なマザ・ コンらしいけど?
じゃあ僕はちがうな。 マザコンじゃない。 でも、オフクロのような女がいいんじゃないかと、素直におもうよ。 

ー男は女の影響で変っていくこともあるとおもう?
今までずっと、僕は女によっては変わらないと強く信じてきたけど、最近、変わるかもしれ ないとおもうようになってきた。(笑) 女はすご いよ!

ー最近とみにいい顔になったと評価す る人が多いようだけど?
大人っぽくなったとか、 男っぽくなったとか言われますね。 井上陽水さんなんかも言ってたな。 でも、中にはぜんぜん変わらないと言う人もいるけど・・・・・・、 それじゃ僕はバカか (笑)
昔の写真とか見ると、僕なんかやっぱりはずかしい気がする。 たしかに大切にしなきゃいけない部分もあるわけだけど。

音波メディアのより人間的交信について
ーラジオのミッドナイトステーションを一 年やってみて、ラジオ番組をもつ利点はど んなところだとおもう?
テレビの歌番組とかは、短い時間だし僕がもっている二次的な要素までは出しにくい。 そ のときに歌う曲がもっている雰囲気をたもたないといけない。へんに他の面を出しても結 びつかなくなるだけです。 ところがラジオで1 時間くらいあるなら、 その分だけ何通りもの 僕を知ってもらうことができる。 とくに僕は2.5 枚目とか3枚目である面とかを自分でも大事 におもっているんです。その点で、ラジオでは、 ひとりの人間としての主張ができるということ だとおもう。 だから、また新しく番組をもつ可 能性も大いにあります。

一聴視者の女性たちが参加していたけど、彼女たちにおもうことは? 
「お茶くみ娘」 ね。 あがっていると言いつつ、 みんなけっこういろんなことをやって帰るん です。(笑) きっと何人かの人にディレクター が会って決めるので、その時点で彼女なら だいじょうぶというのがわかるんでしょうね。 生放送が終って感想を聞いてみると、現場の緊張感に驚くらしい。これからヒロミのやっているラジオは、正座して聴きますとか言って いる。

一 二度も、「郷ひろみのここがキライ」な んて特集を組むのは、ずいぶんマゾヒステ
イックだとおもうけど?
矢野顕子さんが、 どこかで「私をキライな人に逢いたい」と言っていた。 それはすごくいいことだとおもったんです。 勉強になるとおもうよ。 それで最後の放送のときは、僕をキライという人たちの声に打たれつつ、もりあがって終わろうとおもったわけです。

書くことのイマジネーションをめぐって 
ー今度の自作『だからスペクタクル』の 詩について話してくれる?
エッフェル塔も19世紀末 (1889) にできたものらしいけど、 世紀末にはなにか大きなもの が造られるらしいんだ。 今も世紀末に向かいつつあるよね。 そこで、この詩も大きなできごとがありそうな、世紀末という時代を背景に考えてみたんです。
歌詩では説明できない点もあるので、詩の流れについて、ここで話しておくのがいいかもしれない。 まず、人間がはじめて太陽の光を見たとき、 太陽のことを神様だとおもった。 ところが、歴史がくり返されていくうち、 太陽があるあやまちを犯していたという事実に人々が気づきはじめる。 すると、太陽が人間にとって神様だとか中心的なものではなくなっ てくる。 白夜なんてちっともロマンチックじゃな い。 夜まで太陽の支配を受けているってことになるからね。
そこで月が登場する。 地球の恋人同士が月から舟を呼んで、ふたりで銀河を渡り果てしない宇宙へ旅立とうということになるんだ。 ジャックポット(大当り) というか、一獲千金の運を待っているより、ふたりでなにかやらなくちゃいけない。 新しい夢を求めて旅立つほうが、ただ指をくわえて待っているよりずっ とスペクタクルに生きられる。というような流れなんです。
もしかしたら、 男と女の僕らもなにげなく生きていけるのかもしれないけど、ふたりで燃えるようなできごとをおこすことが、さらにふたりの距離を近づけることになるかもしれない。 そし て、今、なにをしておくべきかというのは、いつ
も3年先、5年先の自分を考えておくことで決まってくるんだと僕はおもうし、そう考えて仕事をしていきたい。

一詩を書くことって、おもしろい?
書くことは考えることだとおもうからおもしろい し、僕は好きだね。 よく、なにか思い出したり、 おかしいことに出逢ったりするとすぐメモしておくんです。
僕は意外と醒めているところがあって、舞台で歌いながら、こんなことを話せばいいなんて考えたりする。そのときメモ帳があればいいんだけどとおもうんですよ。 

一昨夜の夢とかも書きとめる?
そうした方がいいね。きのうまで覚えていたおもしろい夢が、きのうの夜に新しい夢をみたおかげで、すっかり忘れちゃったりするからね。それできのうの夢のことも忘れてしまったので、今はけっきょく思い出せる夢がない。
夢といえば、僕はよく夢の中で悩みごとが解決する。台本ができちゃったりとか、便利なんです。

秘められた日本人の魂と日本的感覚
ー日本人であることを実感するときは? 
メキシコのティワナへロケに行って、兵隊に 自動小銃を向けられていたとき、そこで死ぬかもしれないとおもったら、「おかあさん!」と 叫んで死ぬべきか、それとも日本男児らしく 坂本龍馬のように前向きに倒れていくか、そんなことを真剣に考えていました。あとであのときのことを思い出すと、あらためて僕は日本人だなっておもった。20歳の頃のことです。

ー好きな日本の都市は?
生まれた所だということもあって、福岡に降り
るとやっぱり安心感がある。 京都なんかもいいですね。 街のつくりが整然としている。きっちりクロスしていてムダなすき間がない。 大阪も好きだな。

ー生まれる前とか、先祖のこととか考えたことある?
僕の先祖は野武士なんだそうです。それも大将ね。 その先祖が「オマエ、今こうしろ」とか叫んでいるわけです。 その声が聴こえる。 だから今年はやるよ、スペクタクルを残す。

予期せぬ出逢いが招く対話 そのテスト・ケース

一次にあげる人と偶然に出逢ったとして、 そのときの挨拶と最初の話題は?

ヨーコ・オノさんー
「はじめまして。 軽井沢によくいかれるんですって?」という付加疑問あたりから。

梨元さんー
芸能レポーターの中では いちばん優秀なかただとおもいます。か と言って日本の芸能レポーターの水準 が高いとはおもいません。 僕が偶然に逢ってしまったとおもっても、梨元さんにし てみれば当然なんだろうな。

十文字美信さんー
「こんにちわ。 最近どこか海外へ行かれましたか」 僕も何度かいっしょに仕事をしているので話しやす い。 写真家だからいろんな所に行くでしょうね。 十文字さんって、クールなところがあって好きだな。

松山千春さん ー
千春ねェ、もう逢うと女の話しかしないんだよ。いったいどこで気
が合ったんだろう。 あのズーズーしさがいいんだ。自分の音楽を理解しているという立派な点も認める。

礼宮親王 ー
「はじめまして。 お目にかかれて光栄です」 ………………自分の話をするだろうね。 あんまり変なこと言えない。 緊張するかな、きっと。

長嶋茂雄さん ー
「おひさしぶりです。 奥さんお元気ですか」以前、奥さんの方から話しかけてくれた。 「今、主人がそこを走っていますが、もうすぐ戻ります」って言ってね。

中曾根総理ー
「はじめまして、 郷ひろみです。 アメリカと日本が運命共同体だというのはどういうことですか。 今の日本にとって、そういう言葉がほんとうに適切であるとお考えですか」と、僕はシビアに問いただしたい! でも、逢ったらそんなこと言えないかもしれない。

中森明菜さんー
「こんにちわ。 ねェ、何をしているときがいちばん楽しいの」と聞くかな。 彼女、歌っているときって楽しそうじゃないものね。 彼女はこの質問に答えることで、これからの生きる道が決まっていくでしょう。

美空ひばりさんー
「おひまがありましたら、僕のステージを見に来てください。 きっといいとおもいます」

タモリさんー
「お元気ですか」といつもの感じで。 タモリさんなら僕が話題を提供するまでもなく、「いや、実はね」 というぐあいに話してくれます。 だから、こっちは口をあけて待っていればいいだけ。

井上ひさしさんー
「はじめまして。 『吉里吉 里人』 読みました」と、そのあたりからはいって、NHKの体制などについて。

Mr. ミック・ジャガー ー
月並ですが "It's nice to meet you. My name is Hiromi Go. I saw your concert last June in London, Ah~"とこんなことを言っているうちに、なんとか話してくれるでしょう。
「挑戦」と言った、アイツの醒めた目

「冒険というより、挑戦だね」と言いきるアイツの声が余韻となってひびく。 新しいアルバム「比呂魅卿の犯罪」に賭ける意欲を表わすことばだった

それで、こちらもおもわず前に一歩踏み出していたようだ。気分はすっかり「やろうじゃないの!」てな具合になっているのだから、ホント、アイツは人をのせるのがうまいヤツさ。 ついつい男気だしてのってしまったときは、あんまりアイツを見つめちゃダメだ。たぶん、もう別のことを考えている顔をしているだろう。きっぱり「挑戦」と言うそのひとことが、実際どんな意味をふくんでいるのかは、その後のアイツの動きを見ていればわかること。
ちょっとばかり大仰になるけど、時代が戦国の世なら、アイツ は長いイバラの道を駆ってやって来た勇猛果敢な男にちがいないのだ。けわしいイバラの道は、男の背中に本人さえ意識していないほど凄みのある闘志を映し出し、腕にはいくつもの傷あとを残し、足には土くれの色をしみこませているかも しれない。 こんな想像の中のスクリーンを、今こうして目の前にいるアイツに重ね合せてみようか・・・・・・。ふと、そんな気分にさせるこのごろの郷ひろみだ。

行く先々で、 とだえることのない喝采をあびつつ、一度だってイイキになってこなかったアイツさ。 
よく、あの明るさの背後に気になる影があるという感想を聞くことがあるけど、その影とやら、自分を客観視するアイツの醒めた部分のことを言っているにすぎないだろう。
額に汗を光らせ熱演するときも、その姿をしっかり見 ているもうひとりのアイツがいる。 それが影の正体だ。歌い踊るステージに全身をぶつけ、われんばかりの喝采に迎えられ、まさしく郷ひろみそのものであるときほど、きっともうひとりの アイツの目は醒めきっている。
いつか、ファンと自分について 「ファンの人たちの期待に合せていくんじゃなく、僕のやりたい方向へファンをも引っぱっていきたい」と言っていた。
その目ざす方向、いつも「挑戦」といったことばがふさわしいんだな。また、そのように選んでいくアイツさ。そうだろう、20世紀の野武士殿。


はい、頑張って今回も転記させて頂きました。
いろいろな角度からの、コメント、メッセージ、インタビュー

読み返して1番笑ってしまったのは
井上ひさしさんへ
「NHKの体制など」についてお話してみたいとの事

当時から、ひろみさんったら、NHKに何かしらの思いを持っていらしたのですね。

昨今、紅白歌合戦の歌唱に関しては、ひろみさんもファンも物申すところ多々有りますが、それでも何だかんだと要所要所で、ひろみさんを起用して下さり、私達の楽しみを提供してくださる事に関しては、感謝しております。

それから、糸井重里さんの『ミ』の使い方
例の『味の3要素は、甘み、うまみ、ひろみ』の原点だったのかも
たくさんの『ミ』を持っているひろみさん
今年もたくさんの『ミ』を駆使してその魅力を全開して魅せつけて下さる事と思います。

さあ、明日は待に待った名古屋でのクラパです。
ひろみさんの笑顔をた~くさん吸収して日々の活力の源にしたいと思います。