あの日

小雨が降っていた。

手入れがされていないぼうぼうの柘植の木に

アゲハ蝶がとまっていた。

 

雨なのに、濡れるのに、なぜここで止まっていたのか不思議に思ったのと、

アゲハをその年初めてみたこともあり、心に残り写メを撮ったあの日。

 

その日病院に行きたがり、

翌日夜中に夫は亡くなった。

 

あの蝶々、ご先祖様が、迎えに来たのかなと後から思った。

 

その数日後、息子が庭で夫の自転車を拭いて、家の中にしまおうとしていたら、

どこからかアゲハ蝶がきて、息子の顔の周囲をクルっと回ってどこかに飛んでいったので、

 

まるで、夫がありがとうって言っているように思ったのです。

 

今日、庭に飛んできたモンシロチョウをみた。

 

あの日、蝶からいろいろ想像できていたら、

最後だと知っていたら、

苦しくまないようにしてあげて、あなたにありがとうと伝えて、

もしよかったら、来世も宜しくと。