胡麻と米粒を落としてその上に七味やら胡椒を振りかけたくらいの星空



ベランダの隅から
旅に出た灰色の雲を見上げたら
透きとおった8月の涼しげな風が
咥えたタバコの煙だけじゃなくて
運んで行ったんだ
だから
空高く 風に乗って 雲の上
自由にふんわり宙返り 
それはそれは 幸せだったんだ 
8月の白い朝  



車の走らない国道を
カラスの一味と遊んでいたら
疲れきった真っ赤なはずの朝の陽が
寝坊して飛び起きたんだ
布団を跳ねのけて
だから
空遠く 光を浴びて どこまでも
自由にくるっと宙返り 
それはそれは あわてんぼうさ
8月の白い朝



黒いメガネをかけた
暗い頭の人影がすーときえたんだ
コンクリートのビルは朽ちたけど
その上に芽を吹いたんだ
小さな草が
だから
空深く 時に乗って いつまでも
自由にふんわり駆け回り 
それはそれは 不思議な事さ 
8月の白い朝



胡麻と米粒を落としてその上に七味やら胡椒を振りかけたくらいの星空