段々に
     わさび畑の水清く
     ちょこんと君を隣に乗せて 
     昔見たような田舎道
     目を合わせれば微笑み浮かぶ
     急いで作ったランチボックス

     紅葉に虹が浮かび
     子供のようにはしゃぐ君
     いつか誰かと見た虹は
     今は思い出せないだろう
     どこに行くのと聞かないで
     なにがあるのと聞かないで
     それはどこにあるのかわからない
     
     朽ちた温泉街に影もなく
     怪しい森が手招きしてるのに
     滝のしぶきに深呼吸
     安心しきった君は先をゆく
     どこに行くのと聞かないで
     なにがあるのと聞かないで
     それは誰も知りはしない
      
     紫の空
     墨絵のような山が浮かぶ
     富士山はどこかしら
     昔見たような朝焼けに
     目を合わせれば微笑み浮かぶ
     晴れればいいねと僕は言う