雪が雨に変わる頃 1 | copain (Ameba出張所)

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◆side和 あやや   6:17up
◆side智 和宮❤和子 11:26up
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雪が雨に変わる頃 1
side N



『突然の出会い』『運命の出会い』

物語の中では都合良く起きるこれらの『出会い』が、まさか自分にも訪れるとは思っていなかった。


ボクには憧れの先輩がいる。
大野智さん。1つ年上の2年生。

彼の視界に入らなくても、
ただ遠くから姿を見ることができれば。

ひと目見られればラッキー。
話し声が聞こえたら超ラッキー。
存在を感じられるだけで幸せになれる、
ボクにとってのアイドルだ。

今日も彼の姿を探す。

教室の一番左側、
後ろから2番目の窓際の席に座り
窓の外を眺める。

校庭には部活動らしい生徒たちが集まり始めていた。

今日は補習授業だ。


「隣、空いてる?」

突然かけられた声に振り返る。

声の主と目が合った瞬間。
心臓がドキリと大きく跳ねた。

息を飲んだまま時が止まる。

憧れの人が突然目の前に現れたのだ。

直接関わる可能性など
1ミリもないだろうと決めつけていた、
遠目から見るくらいなら許されるだろうと、
そう思い密かに想いを寄せていた先輩。

大野智さんが、そこに立っていた。

口が半開きになったままフリーズしたボクに、彼が隣の席を指差す。

「二宮くんだよね?空いてる?」
「ぁ・・・、はい」
「ふふ、ありがと」

優雅に椅子を引き、隣の席に着席する。

これは、まさしく運命の出会い?
自分が物語のヒロインになった気分だ。

憧れの先輩が、自分の隣の席に。
しかも名前を呼んでくれるだなんて…!

(見られてる…?)

自意識過剰かもしれないけれど
先輩からの視線を感じる。

頬が熱い。耳も。
たしかめることもできず
そのままうつむいた。

自分が先輩の視界に入る日が来るなんて思ってもいなかった。

せめて自分より前の席に座ってくれたら、補習の間ずーっと見つめることができたのに。

どうしよう。
自分から見ることは出来ない。
けど、嬉しい。

「よっ!」
「!!!」

突然、先輩が机をくっつけてきた。

「んー、あったけー」

あまりに突然の事態に理解が追いつかない。

「!?」
「陽射し」

反射的に見てしまい
意図せず先輩と見つめ合った。

なんと、本日2回目だ。

先輩はふにゃん、と優しく微笑んだ。

素敵な笑顔に目がそらせない。
嬉しい反面、
恥ずかしすぎて逃げ出したい衝動に駆られる。

「窓際、いいよね」

動揺するボクのことを気にも止めず話す先輩。

一気に近付いた距離。
頬杖をついて、ボクを、
いや、校庭を見つめる先輩の気配。

身体が熱い。
心臓が口から飛び出しそうだ。

「二宮くん、大丈夫?」

ボクは言葉を失って、
ただただ、コクコクと頷いた。

♪~♪~♪

チャイムが鳴り、教室のドアが閉じられた。

憂鬱だったはずの補習授業が始まる。



次は和子ちゃんのお部屋です。