実行あるのみ

 

著者は、タレントや受験予備校の塾長、YouTuberとして活躍している。

 

自分が著者のことを知ったのはYouTubeが最初だったと思う。

 

医師国家試験、司法試験、公認会計士試験という三大難関国家資格を有しているということで、

 

それらの合格体験記や勉強に対する考え方などが書かれており、

 

その中から印象に残ったところを備忘のため記す。

 

 

勉強のPDCA 

 

勉強ができる人の特徴のひとつとして、勉強のPDCAサイクルが回せることが挙げられる。

 

世の中には、必勝法と銘打たれた勉強法が山のように存在するため、

 

「自分に合う勉強法を選択し、さらによりよい勉強法にブラッシュアップしていく意識を持つこと」が重要になる。

 

 

 

全体像の把握 

 

勉強を長時間していても、努力の成果が表れない人が陥っている失敗のひとつに、

 

「科目の全体像を意識していない」のに「細部を掘り返すような勉強をしてしまっている」というものがある。

 

科目の全体像を掴んでいれば、自分がいま学んでいる知識を全体像と照らし合わせて体系づけて記憶に定着させやすくなる。

 

ひとつひとつの単元や項目について、完璧に仕上げながら進むのではなく、不完全でも次に進んでいくことで、

 

全体像が見えていき、勉強の解像度が上がっていく。

 

 

 

計画の実行 

 

「悩まずに考え、ためらわずに実行する」のも、勉強のできる人とできない人の違いとして挙げられる。

 

悩むというのは「ある問題に対して漠然とあたふたして立ち止まっている」といえ、

 

考えるというのは「ある問題に対する解決策をロジカルに模索する」といえる。

 

悩んでいるときの人間は、ストレスフルな状態で、特定の情動に支配されてしまい、

 

「前頭前野を使って深く考える」という知的思考力が発揮できなくなる。

 

ストレスの原因に対して「前頭前野をフル回転させた知的な思考」を使ってアプローチすれば、

 

ストレスは自然と消えていくことになる。

 

 

 

目の前にあまりにも大量の課題があるとき、それを嘆くのではなく、

 

どうこなしていくか具体的な方法を考えて、考えた方法を実行する。

 

「やるべきこと」が見えたら、何よりも大切なのはその計画を実行すること。

 

どんなによくできた計画でも、それを実行して形にすることができなければ、何もやっていないのと同じことになる。

 

 

 

逆算式勉強法 

 

目標から逆算して、タスクを細分化して実行するのが逆算式勉強法。その5つのステップは次のとおり。

 

 ① 目標を知り、具体的なゴールを設定する。

 ② ゴールまでにやるべきことを決める。

 ③ やるべきことをスケジュールに落とし込む。

 ④ 計画を実践する。

 ⑤ 進捗状況を定期的に確認する。

 

 

 

勉強の習慣化 

 

勉強するのに、一番大切かつハードルが高いのは「行動に移す瞬間」である。

 

このハードルを最大限下げるために最も有効なのは、勉強を習慣化すること。

 

勉強を始めるトリガーを意識する、勉強するためのきっかけを決めてしまうことで、習慣化につなげる。

 

 

 

独学がもっとも効率の良い勉強手段 

 

試験当日までの限られた時間の中で、分厚い参考書の全範囲、全項目を網羅するは不可能であるため、

 

予備校の講義により重要性を把握することが重要である。

 

また、予備校の講義を一通り受講することで、全体像を把握することができる。

 

ただし、講義で講師から教わる形の勉強は、受験生一人一人の最短合格のために最適化されたものではないため、

 

最終的には独学がもっとも効率の良い勉強手段となる。

 

 

 

これらのほか、資格試験の勉強についてのQ&Aが載っており、参考になるものであった。

 

また、『勉強は「コスパ最強の遊び」』といった、YouTubeで耳にしたことのある内容についても触れられていた。

 

『どんなによくできた計画でも、それを実行して形にすることができなければ、何もやっていないのと同じ』というのはとても耳に痛い言葉。

 

自分の資格試験への計画は甘々でなうえ、実行も伴っておらず、このままでは合格の目は薄い。

 

ここらで一念発起して、勉強への姿勢を改めようと思う。

 

 

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『資格試験のための最短最速勉強法 速学のススメ』(河野 玄斗)|講談社BOOK倶楽部 (kodansha.co.jp)