2011/10/8

『「homely」リリースツアー』

@赤坂BLITZ


OGRE YOU ASSHOLE



星空のパレード


終わってしばらく、『凄い』という言葉しか発することが出来なくなってしまったほど、物凄いライブだった。
他の言葉が見付からない、とにかく凄かった。


場内SEで《明るい部屋》の、どこか異世界を思わせるあの音がひたすら流れているという、最初から作り込まれた空間。
オープニングの時、ふと舞台みたいだなあと感じました。
ライブが始まるというよりは、何か本当に1つの物語が始まるような、そんな雰囲気。


今回のツアーは〈homely〉収録曲を、そのままの順序通りに演奏する、過去の曲は一切無しという、どこまでも媚びないセトリ。
それほどまでにして伝えようとしている〈homely〉の世界観に、彼等の思惑通り、この後どっぷり浸かっていくことになります。


照明は終始暗めで、特に派手な演出は一切無し。
途中1曲だけVJを用いた以外は、ただただ曲を重ねていく。
もちろんMCも無し。
本当にストイックなライブでした。


1曲目の《ロープ》から、有無を言わさずオウガの作り出す世界に連れ込まれていく。
曲を伝えること以外は何も考えていないであろうメンバー達。
そこには恐らく、楽しませようとか、ましてや気に入られようなんて、そんな感情は一切感じない。
なので演奏が本当にタイトだなと感じたし、息が詰まりそうな程、気の抜けない時間が過ぎていく。


出戸くんの怪しげなハイトーンボイスが、その緊張感をどんどん煽っていく。
馬渕さんのギターは原曲ではホーンが奏でているパートを担ったり、気持ち良く変化していく。
今まで見たことないほど体を激しく動かしているのに驚いた。
清水さんは全身全霊といった感じで、一音一音に魂を込めているような印象。
そして勝浦さんのドラム。
これだけタイトな演奏をするには、彼の安定した、ずっしり重たいリズムが必要不可欠だなと思った。


圧巻だったのは一通り〈homely〉の曲をやり終えた後での、二度目の《ロープ》。

勝浦さんの重たいバスドラの音がドコドコと鳴り響く中、時間にして15分ほどはあったのでは?という程、

同じ曲をやり続けていた。

しかも一度やった曲。

でもそのアレンジは一度目とは別の曲なのではないか?という程変貌していた。

もはや、ひたすら彼らの曲に飲み込まれるしかなかった。



息つく暇も無いまま全曲終わった頃には、私は今どこにいるんだろう?と思ったほど。
それほど異世界であったし、私がいたのは〈homely〉の世界以外の何物でもなかった。
始まる前の印象通り、1つのお芝居を見終わったかのような気持ちでいっぱいだった。
凄まじかった。
オウガでなければこんなライブ、絶対に出来ないし、やらないと思った。

アンコールはこれまでの少し重たい、張つめた空気とは一点、《バランス》のTwilight Editionでゆったりとした、いつもの彼等らしい柔らかい空気。
可愛らしい曲のアレンジなので、ようやくお客さんも笑顔がこぼれたといった感じ。

何せ本編は感情を表す隙なんて全く無いような、物凄い空気だったから。



もう本当に、凄かった!圧巻。

こんな凄いとひたすら思ってしまうライブ、一生観れないんじゃないかな。



1.明るい部屋

2.ロープ

3.フェンスのある家

4.ライフワーク

5.作り物

6.同じ考えの4人

7.ふたつの階段

8.マット

9.羊と人

10.ロープ(ロングバージョン)


EN.

11.バランス(Twilight Edition)