絶対に勝たなきゃいけないからこその凶悪な必殺技

週刊少年ジャンプ」作品では、主人公たちが行く手を阻む強敵と戦い、数々の「必殺技」を使用してきました。そのなかには、一部で「凶悪過ぎない」と言われる必殺技もあります。今回は、ジャンプマンガの主人公が使う必殺技のなかでも、敵からすれば恐ろしい強烈な必殺技を振り返ります。

 

  【画像】上空に向けてかめはめ波を撃ちながら、「自分も飛び上がっていく」謎の技を使った「実写版の悟空」を見る(3枚)

 

 有名な必殺技が数々登場した『ドラゴンボール』では孫悟空が、代表格の技「かめはめ波」の応用版として「瞬間移動+かめはめ波」を使いました。「セル編」で登場した必殺技で、悟空が「瞬間移動」を使って移動してから、かめはめ波を放つ、というシンプルな合わせ技です。

 

 セルからしてみれば、いきなり悟空が消えて至近距離から攻撃されるという不可避な技で、ネット上では「主人公が使う技か?」「かめはめ波の構えに入ってから移動するから、かなり意表突かれそう」「理不尽すぎる技」「地球の危機だし、絶対に勝とうとしてたんだな」と恐れる意見もありました。この技ではセルを仕留められませんでしたが、戦闘に関する勘が鋭くクレバーな戦いをする、悟空ならではの必殺技とも言える戦法です。

 

 『PSYREN -サイレン-』に登場する「暴王の月(メルゼズ・ドア)」も、見た目も威力も恐ろしい技でした。主人公・夜科アゲハが最初に覚える必殺技で、「超能力(PSI)」によって小さな黒い球体を作り上げる技です。

 

 この球体は触れたものを消滅させてしまう、ブラックホールのような力を秘めています。暴王の月という技名や、ブラックホールを作り出す力自体も恐ろしいのですが、もっとも恐ろしいポイントは、アゲハがこの技をコントロールできない点でしょう。

 暴王の月は発動したら最後、アゲハのPSIが尽きるまで、全てを破壊し続けます。敵だけでなく味方までも傷つけてしまう可能性があることから、暴王の月を覚えた当初のアゲハは、使うことをためらっていました。しかし、彼は徐々にコントロールする術を覚えて、「最恐」の技から「最強」の技に昇華させ、最終決戦まで使い続けています。

 上記ふたつとは毛色が違いますが、『遊☆戯☆王』に登場する「千年アイテム」による「罰ゲーム」も恐ろしい技でした。主人公・武藤遊戯は、お金に執着がある相手にはお金を使ったゲーム、音に執着がある相手には音を使ったゲームという風に、悪人それぞれの特性に合わせた「闇のゲーム」で勝負をします。そしてゲーム敗北後の「罰ゲーム」を受けると、悪人は自分が執着していたものに関する幻覚や幻聴を感じるようになり、ほとんどの人は精神が崩壊してしまいました。

 ちなみに、遊戯のライバルキャラである海馬瀬人は、作中でも珍しく、遊戯から2度の罰ゲームを受けても復活している人物です。海馬が受けた1度目の罰ゲームはカードゲームの世界でモンスターに襲われ続ける悪夢を一晩中見せられるというもので、この経験から遊戯を憎むようになります。そして2度目の罰ゲームでは精神を崩壊させられ、悪に満ちた心が砕けて、昏睡状態に陥りました。しかしその後、プライドの高さや傲慢さはそのままに、悪の心だけがなくなり、遊戯の味方であり最大のライバルとして復活を果たします。

「罰ゲーム」は悪党への制裁としてもかなり有効でしたが、一番の功績は海馬の海馬を変えたことと言えるでしょう。

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