東京都教育委員会は、ある女性教師を、懲戒免職処分とした。処分理由は、”教え子”の男子生徒との性行為。分からないことだらけの”不祥事”の顛末を紹介したい。

 

  【画像】性的な関係を持ちかけたのは女性教師だったのか。驚きの不祥事。

キッカケは進路相談

30歳の女性教師は、2年前、都内の特別支援学校に勤務していたという。教え子の中には、高校生の年代の男子生徒も含まれていた。女性教師は、その中の1人と性的な関係を持ったというのだ。キッカケは、進路相談だった。

 

女性教師は、その年の12月ごろから、男子生徒と、今後の進路について話をするようになったという。誰もが通る道だろう。就職を含めて、自分の将来に悩みを抱える年ごろだ。そんな中、女性教師は、男子生徒をドライブに誘ったという。

女性教師は、「特別に好意を持っていた訳ではない」と弁解しているそうだ。あくまで「前向きな気分で話をするため」だったという。”気晴らし”にドライブでもという意図だったのか。2人が出かけたのは、暮れも押し迫った2020年12月30日だった。

5時間の”ドライブ"の後に

その日、2人は、午後2時ごろに待ち合わせをした。それから、女性教師は、ハンドルを握り、およそ5時間に渡って、車を走らせたそうだ。午後7時ごろになり、2人が乗る車は、都内の大型商業施設に滑り込んだという。

 

そして、商業施設の駐車場に止めた車の中で、女性教師は、男子生徒と性行為に及んだとのこと。ドライブ中にどのような会話が交わされたのか、どちらが”関係”を持ちかけたのか、なぜ”現場”が商業施設の駐車場だったのかなど、事案の詳細は明らかにされていない。なぜなら、この女性教師が、その後、逮捕されただけではなく、公判請求(起訴)までされたからだ。

罪名は、児童福祉法違反だった。少年・少女との性的な関係を罰する規定は、主に3つある。青少年保護育成条例(淫行条例)、児童福祉法、児童買春・児童ポルノ禁止法だ。去年、「性行為同意年齢」発言が問題となったが、日本では、13歳未満の少年・少女と関係を持った場合、強制性交罪(旧強姦罪)に問われる。

教師と教え子の”性行為”

これら3つの規定は、14歳以上との性的な行為が対象だ。いずれも許されない犯罪行為だが、3つの中でも、金銭を渡して、わいせつ行為などに及ぶ児童買春容疑が、最も刑罰が重い。次いで悪質なのは、児童福祉法違反と言える。

 

児童福祉法では、少年・少女に、淫らな行為をさせる・強いることを禁止している。実は、少年・少女にとって”影響力のある”人物が性行為に及んだ場合、児童福祉法に抵触するのだ。影響力のあるというのは、立場が上という意味だ。

教師や部活のコーチ、塾の先生などが、それに該当する。立場を悪用して、性的関係を結ぶことは許されない。事件の経緯は分かっていないが、女性教師が、児童福祉法違反で逮捕・起訴されたのは、関係を持った相手が”教え子”だったからなのだろう。

なぜ”悪質”と判断されたか

女性教師が逮捕されたのは今年3月7日だった。男子生徒と性行為に及んでから1年余りが経過していた。なぜ事件が発覚したのかは分かっていない。警察から勤務先の校長に連絡があり、学校側も、今回の不祥事を把握したそうだ。女性教師は、3月25日に起訴された。

 

計算すると、女性教師は、およそ18日間も勾留され、取り調べを受けたことになる。法律で決められた勾留期間のほぼ上限だ。ケースバイケースだが、そこまで捜査を尽くすほどの事件とは思えない。しかも、起訴猶予は選択されなかった。

ここからは想像の域を出ないが、犯行態様がよほど悪質だった可能性もある。よもや女性教師側から”関係”を持ちかけたのか。もしくは容疑を否認していることも考えられる。被害者側の処罰感情が厳しいのかもしれない。あるいは、別の事件に関与していることも・・・。

女性教師は、4月4日に保釈され、9月7日付けで懲戒免職処分となった。まだ裁判が始まっていないため、今回の不祥事について、とにかく都教委の口は重い。今後、法廷で、一連の経緯は明らかになるのか。聞き取り調査に対して、女性教師は、「成人として、教師として、性行為を行ってしまったのは自分自身の責任です」と話しているという。

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