大阪サミットも終わりましたが、サミット会場の外では、香港・西蔵(チベット)・ウイグルの民主活動家が一堂に集まり、習近平体制に対する抗議活動が行われていました。しかし、日本のメディアは相変わらずこの手の報道をあまり取り上げていません。ウイグルの女性活動家は「中国がここまでウイグルに対する弾圧を強められたのは、中国の暴走を国際社会が何も批判してこなかったからだ」という主旨の発言をしました。確かにそういう部分がありますが例え、国際社会が中国に対し何を言おうと中国が真摯に受け止め、暴走を止めるとは思えません。日本人で香港・台湾を知らない人はいないと思いますし、香港・台湾に旅行に行ったり、親近感を持っている日本人も多いと思われますが、西蔵・ウイグルに関する知識はあまりない日本人が多いと思います。特にウイグルに対しては「ウイグル?何それ?」という人がほとんどかもしれません。私を含めた中国語学習者の中にも西蔵・ウイグルに対する精通した知識を持っている人は極々少数です。
本日7月1日は香港返還22周年です。香港返還当時、私は上海で暮らしていました。香港返還の当日は朝からTVニュースで大々的に香港返還の報道が流れていました。昼頃には、香港返還の特別記念番組が放送され、香港の芸能人が大勢出演して香港返還を祝っていました。香港の芸能人たちは内心は、喜んではいなかったのでしょうが、本音は言えません。香港芸能人の中に、張学友がいたのを憶えています。香港の歌手は同じ人が中国語の歌と広東語の歌を唄っていましたこれまでは。しかし、今後は広東語の歌はもう出せなくなるかもしれません。以前に上海語は、あと50年もすればほぼ消滅してしまう運命にある事をブログに書きました。ですが、広東語だけは香港があるから絶対に無くならないと思っていたのですが、最近の香港の状況を見ているとかなり危なくなってきました。と、思っていたのですが先日になって「そうでもないかな」と気づきました。50年後に大陸・香港で広東語を話せる人がほぼいなくなってしまっても、東南アジアの華僑社会では広東語が共通語です。欧米の華僑社会も同じです。英連邦の税関では広東語が通じます。言葉は生きた文化ですから、イデオロギーだけで消滅させられるほど単純ではありません。とはいえ、越南(ヴェトナム)の例もあります。越南でも昔は漢字を使っていたのですが、当時の宗主国であったフランスが漢字の使用を禁止してしまい、100年間漢字を使わない間に漢字を読み書き出来る人がいなくなってしまいました。現在でも昔の文献は漢字で書いてあるのに、それを読める人がいなくなってしまったのです。これは文化破壊です!越南の例は欧米列強の植民地政策による文化破壊ですが、習近平体制の中国国内や香港に対する方言の使用禁止政策は自らの手で豊かな漢文化の一旦を破壊していることになるのです。
「日本では使用中」というブログに書いたのですが、日本語の漢字の音読みに、呉音・唐音・明音などの幾つもの発音があるのは、大陸では既に使われなくなってしまった発音が、日本では今でも生きているのです。呉・唐・明などのそれぞれの文化が日本に残っているのです。
中国国内では、もし方言の研究をしている研究者がいても、それを公にすることは出来ません。ましてその研究がどんなに素晴らしくても、本にして出版する自由などありません。日本では、広東語・上海語・閩南語(びんなんご)など何十種類ものテキストが出版されているのに中国国内ではそれが許されません。改めて、日本に生まれて良かったなと痛感しています。
