小説 血獄楽魔
34-2 任意聴取
俺にも警視庁の知能犯罪特殊詐欺課の刑事から任意聴取出頭の連絡がきた。
仕事用の携帯は解約したがもう一台のプライベート携帯は残しておいた。
素直に聴取に応じた。
携帯を解約したのは証拠隠滅が目的ではないかと責められたが、仕事が嫌になったのでビジネスメンバーとの縁を切るために解約したと説明した。
警察が立件に向け捜査を強化する前の出来事だったので、それ以上追求はされなかった。
警官
あなたもいい大人なんだから
コレからはまともに生きなさい
望月
今の会話はちゃんと録音されてますか?
警官
?
望月
私は犯罪者ですか?
立件されるのですか?
警官
いや今は被疑者だな
望月
まともに生きろって
今がまともじゃないんですか?
警官
言い方が悪かったんなら謝るよ
望月
あなたと私は友達ですか?
その謝罪は大人の話し方ですか?
警官
もういいよ
帰っていいから
望月
ココは密室ですか?
記録は残りますか?
取り調べ室のカメラに目を向けて
望月
私が犯罪者だと仰るんでしたら
逮捕される罪があるなら立件してください
逃げませんから
警官
そのくらいにしておけよ!
あんまり警察舐めんなよ!
私
覚えておきます
解約した携帯は物理破壊をした。
もうこの世に存在しない。
ノートパソコンは提出を求められたが拒否した。
もう一台の携帯は取り調べ中に提出していた。
捜査のプロだというのなら現物以外のインターネットログなどから証拠を固めてみろ。
所有物を回収できるのは立件して逮捕令状が出てからだ。
預けたスマホを受け取り新宿警察をあとにした。