小説 血獄楽魔 

34-1 摘発


発端はある晒し系YouTubeの動画。

セミナーに潜入してぶっ壊すというものだった。


問題点はマッチングアプリを使ったスケルトン勧誘、海外のクライアントのビジネスモデルが日本では合法ではないという主張だ。


動画ではモザイクも無く名前を連呼されて、『この詐欺師!』『詐欺行為は止めろ!』と大声を上げられていた。

ポンジスキームと言う一般的にはききなれない詐欺形態を示す言葉も使われた。


渡辺の一年前の検挙は公になっていたのでわざわざフルネームで名前を呼ぶ。

まるで犯罪者扱いだ。


なお子の動画も上げられてしまった。


世論が動けば実態解明に警察が動き出す。

詐欺の立件は難しいため連鎖取引、特定商取引法に絡む検挙となっていった。


テレビのニュースにも取り上げられた。


間が悪く交付金の振り込み間違いのお金を海外のギャンブルに注ぎ込んだことが捲れて、一緒くたにされて報道された。


パチプロからも税金を取る国だ。

おかしなものだ。

ギャンブルで勝ったら税金を取って申告しないと脱税になる。

負けた分を経費に計上すると‥。

収支報告書の提出を求められる。

根拠になるものが無ければ認められない。

なのでたぶんギャンブルをする多くの人の投資はパチンコ屋の売り上げ、従業員の給料に化けるだけだ。

まわりまわって管轄している警察にお金が流れる。

公営ギャブルならば券を購入して徴収、その上で自己申告。


結果有罪になったのは幹部五人。

いずれも執行猶予がついて実刑は免れた。