小説 血獄楽魔
27-1 相談
存在意義、自由、羨望。
憧れる誰かになりたいと思いながら、自分を探していく。
なお子がホストと別れたいがうまくいかないと相談してきた。
悩んで迷っている時に誰かに思っていることを話しているうちに、自分の本心に気づいてしまうのはよくあることだ。
そんな相談は大抵自分を肯定してもらいたいだけ、ただ話しを聞いてもらいたいだけだ。
だから相槌を打って頷いて辻褄の合わない矛盾だらけの物語を聞いてあげる。
私
なお子さんは優しいからね
迷っちゃうんだね
なお子
そんなことはないけど
私
まぁ独り身の俺じゃ話しきくぐらいしかできないし正解なんてわからないなぁ
なお子
なんで望月さんは私に付き合ってくれるの?
私
好きだからじゃない?たぶん
なお子
後世と別れたら私と付き合ってくれる?
私
彼氏彼女ってこと?
なお子
うん
私
ごめんそれはないかな?
今は一人の人だけに尽くすより自分のやりたいことが優先だから
距離があるからこうやって話しを聞いてあげられてると思うし‥
なお子
‥‥
私
俺が今感じてる生きがいだとか
俺ならこうするって意見はあるけど
言ったら嫌われそう
なお子
言って
私
人ってさ
一人じゃ生きられないじゃん
なお子
うん
私
迷惑かけないで生きるってカッコつけても結局誰かに頼るし
なお子
うん
私
だから如何に一緒にいて気持ちいい人、助け合える人が周りに作れるかだと思うんだ
なんていうの恋人とかっていうより家族的な?
なお子
私は親と縁切れちゃってるから‥
私
俺は元々親に捨てられて育ったからさ
本当の血のつながった家族がどういうものか実体験はないんだけど
なお子
そうだったの?
私
興味ある?
なお子
話して
私
話すと長くなっちゃうかもよ?
なお子
いいよ話して
ききたい