小説 血獄楽魔
9 自傷
まさみが漫画喫茶で男と会ってからおかしくなった。
急に興奮して鏡を割ったりコンロに手をかざして焼いたりする。
痛みを感じてまさきが泣き出して私が止めた。
病院で火傷と診断され軟膏を塗って包帯でグルグル巻きにしている。
私は安心して眠ることができなくなった。
まさみが何をするか分からないからだ。
それでも意識が飛ぶと手首から血が出ていて慌てて止血したりした。
私の問いかけをまさみは無視して、私の意識が飛ぶと自傷行為を繰り返す。
鏡に映った顔は目の下にクマが出来ていて酷くやつれている。
一つ思いついたのはアケルに会うことだった。
アケルは施設でまさみと仲が良かった。
まさみはアケルが好きだったのだと思う。
異性として。
お前たまに女みたいだなぁと無邪気に言われてドキッとした。
今は施設を出て大工をしていたはずだ。
俺と違い里親は決まらず中学を出てから、住み込みで工務店で働いた。