にのあいフィクションです。
※ご注意ください
つづきです。
*********************
『うわー。意外と濡れちゃったね。』
アパート前の道路での撮影。
あとワンカットで終わりだったのに。
突然の雨でロケバス待機となった。
同行している衣装さんが
気を遣ってタオルとか
着替えとかを用意してくれるけど
さすがに下着まではなかった。
ツアーの時はいつもカバンに
入ってたんだけどな。
汗っかきだから、何回だって
着替えられるようにって。
…もちろん今日は持ってない。
少し濡れてるけど、すぐに止むかも
しれないから…と、そのまま我慢して
座席に腰掛ける。
時間を持て余した俺は
スマホを眺めていた。
たまたまアップされたばかりの
よにのちゃんねるが目に入った。
…風磨と2人きりの車内。
なんとなく嬉しそうな2人の会話に
ちょっとだけ胸がざわつく。
風磨は勘もいいし
和の喜ぶポイントとかも
良くわかっていて
めちゃくちゃいじってくる。
ただ、男の先輩に対する
いじり方じゃない。
女性の可愛い先輩に対する
いじり方なんだよな。
だから、ちょっとだけモヤってする。
寂しがり屋のアイツのそばに
いてやれない俺は…
よにののメンバーの風磨や山田くんには
感謝しなきゃいけなんだけどね。
途中、ゲームセンターの話になってて
昔2人でよく行った
ゲーセンのことを
思い出していた。
確かに…
ちょっとえっちな麻雀ゲームには
見向きもしなかった。
和はゲーム台のそばをあえて通らない
ように…避けて歩いてたし。
俺も他の友達となら、面白がって
興味本意で対戦してみたりしたけど。
なぜか和の前では興味のない
ふりをした。
今思えば…和のこと…
他の男友達とは
違う扱いをしてたんだよな。
俺も…風磨と同じじゃん。
まあ、人のパートナーに
『めちゃくちゃスケベ』って
発言はどうかと思うけど。
…
結局、少し待ってみたけど
止みそうもなくて
痺れを切らした監督の指示で
アパート内の別シーンを
先に撮ることになった。
少し待ち時間が長くなりそうだから
どこかで着替えを調達してきますか?
と俺に気遣うマネージャーくんを
宥めて…
歩いて数分の自宅に一旦戻って
着替えてくると伝えた。
…今日は休みだから
たぶん家にいるはず。
平日の昼間に会える時間なんて
一緒に住んでたって
ほとんどないほど、お互いに
忙しい毎日だった。
時間があって、こんなに近くにいて
和の顔を見ないって言う
選択肢はないよね。
…
家の玄関を開けると
ものすごく静かだから
もしかしてスーパーに昼飯
買いに行ったのかな?と
思ったけど
お気に入りのサンダルは
下駄箱の前にある。
『かず?
かず…いるの??』
もしかしたらまだ寝室かもしれない
と思いながら
リビングの扉を開けると
窓の前にぼーっと佇んでる
パジャマ姿の寝癖くんを見つけた。
なんだろう?
めちゃくちゃ愛しいなぁて思った。
和は俺が働いてる中
パジャマのままでいたことが
気まずいのか…
突然帰ってきたことに
焦っている様子だった。
もっと自分本位に過ごしてくれて
いいのにね。
休みの日くらい…
結局、いつだって俺の存在を
立ててくれて…
気遣ってくれる。
せっかく出来た自由時間。
すこしだけ、寝癖くんと
イチャイチャしてから
現場に戻ることにしよう。
つづく…
*********************
