にのあいフィクションです。
※もしにのあいがトリマーさんだったら
 の視点で書いてます🐕🐕‍🦺
 続きです。







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【9時に◯✖️駅集合】




秋晴れの土曜日。
一丁前に入学時に買い揃えた
ハサミとバカリカンセットを持って
指定された駅まで向かう。





犬のマークが入ったポロシャツを着た
相葉先生が私を見つけて
駆け寄って来た。



いつもイケメンオーラ全開なのに。

ポロシャツのせいか
少し幼く見えて…
走ってくる姿は
ゴールデンレトリバーのように
軽やかで懐っこい感じだった。





『ハルヒさん。ありがとうねー!
 じゃあ乗って。』




そう言われてワゴン車に乗り込む。

同じポロシャツを着た人たちが
笑顔で迎えてくれた。



トランクにはゲージが何個も
積んであった。



そっか…人馴れのために
何頭かは預かるのかな?



『これから目的地まで30分くらいかな。』


運転席の相葉先生が
後部座席を振り返りながら
笑顔で教えてくれる。


あれ?…相葉先生ってこんなに
優しい笑顔するんだ。


スクールでの印象と違うから
なんだか…安心する。



『第一陣はもう到着してるって。』


助手席に座ってる女性が
そう伝えると、任せとけ。
とか言いながらハンドルを握った。



助手席に座る女性は…
もしかしたら、先生の彼女かもしれない。


そんなことをぼんやり思った。
だって、助手席って特別だもんね。



…って。そんなことはどうでもいい。


今日は自分のやれることを
全力でやる。



邪念を振り払った。









到着した場所は郊外にある保護施設で。
車が入ってくる音に反応して
ワンワンという鳴き声が響き渡る。



おそらく10、20とかじゃない。
50頭近くいるんじゃないかという
ほどの大合唱だった。





『もうね。ここの館長さん
 かなりご年配でね。70、80頭いる
 ワンコたちの面倒を
 見切れないんだよね。』




車を降りて、施設の門まで
歩いて行く道中に、先生から
そんな話を聞いた。



確かに施設の環境も良さそうには
見えなかった。



『皆さん、今日は長毛の15頭程度は
 頑張ってシャンプーしてあげたい
 と思ってます。
 かなり状態が酷い子に関しては
 サロンに連れて帰ることも
 検討しています。』



同じワゴンに乗り込んでた
私たち5人に向かって相葉先生は
声を上げた。




犬舎に入ると…同じポロシャツを着た
2人が施設の方と話している。



もうすでにゲージに入れられてる
ワンコたち。

中型犬が多いけど
チワワやトイプーなどの小型犬も
結構いた。



『かず、翔ちゃん…
 遅くなってごめん。』



2人のうちの少し小柄な方の
男性の肩に手をかける。相葉先生…




『待ってたよ。相葉くん!
 ちょっと苦戦してる
 ワンコがいてさぁ。』


小柄な方の男性ではなく
もう1人の男性が返事をする。



『相葉さん、あっち。
 翔ちゃんじゃ犬の方がビビって
 無理だった。』



一緒に来た人たちは
ゲージに入れられた犬たちを
次々と外に運び出す。



私は…相葉先生と『かず』と呼ばれた
男性がワンコを掴まえる現場を
じっと見つめていた。




本当は真っ白…だったんだろうな。
というスピッツより一回りくらい
大きいワンコ。今は泥だらけで
茶色くなっている。



ゲージを持ってる相葉先生が近づくと
低い声でウーと唸る。
『大丈夫だよ…』と声をかけながら
ジリジリと距離をつめる。




『ごめんね。怖いね。』

優しく声をかけながら
ハーネスを持って横から近づく
『かず』さん。



一歩、二歩と近づくと…
あっという間に首にハーネスを
かけて、その隙に先生が
ゲージの中に押し込んだ。




すごいコンビネーションで
思わず拍手してしまった。



一緒に見ていた『翔』さんの方も
私につられて拍手している。



『翔ちゃん、拍手はいいから
 早くこの子持ってあげて。』



かずさんに催促されて
相葉先生と一緒にゲージを持って
外に運び出す翔さん。




犬舎には私とかずさんが残された。



『ん?だれ?』


『あ、ハルヒと言います。
 相葉先生がいらっしゃってる
 トリミングスクールの生徒で。
 ……あの?あなたは?』



『二宮。
 ねぇ…これ、できる?』



二宮さん…は私にハーネスを
渡してきた。


近くで見ると…この方も相葉先生に
負けないくらいのイケメンで。
すごく華奢で…ポロシャツから出てる
腕は白くて…


なんか…違う意味でドキドキする。



『え?私ですか??』

『俺、ゲージ持ってくるから。
 あの黒の大型犬。ゴールデンと
 ラブのミックスかな?あの子。』


ゆっくりといろんなワンコに
ちょっかい出しながら
歩いてる黒いフサフサのワンコ。


ちょっとだけ昔飼ってた子に似てる。



見つめてると目が合って…



『おいで』と声をかけると
小走りでこちらにやって来た。








つづく
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