にのあいフィクションです。
※ご注意ください。
つづきです。
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【おつかれー。もう出来た?】
【え?あ…生姜焼き?】
【相葉さんのことだから
量とかわからなくて作りすぎてん
じゃないかな?って。】
【わかるわ!最近の得意料理だわ!】
【ふふふ。俺の分ある?】
もちろん…
そのために作ろうと思ったんだ。って
…その言葉を飲み込みながら
曖昧に【あるけど…】と返事すると
【ビール待ってく。】
と言ってすぐ切れた。
俺は頭にタオルを巻いて
かずが来る前に仕上げようと
汗だくになりながら
米を炊き、味噌汁まで作った。
ねぇ…俺ってイイ彼氏じゃね?
なんて独り言、言いながら笑ってると
そのボケにツッコミを入れるかのように
ピンポンが鳴る。
…鍵持たせてるのに。
俺らは『親友』でもあるから
何かあった時のために
お互いの家の鍵を持っていた。
それは…10代で初めて一人暮らし
した時からの約束事で…
引っ越ししたら当たり前のように
預けっこしていた。
この家に引っ越してからは
あんまり来てないから…
遠慮したのかもしれない。
オートロックを開けて、部屋に促す。
しばらくすると玄関の扉が開いた。
『お邪魔しまーす。』
『どうぞー。』
フライパンを片手にキッチンから
顔を出すと…
ちょっとだけ緩んだ顔で
俺を見てた。
なんだろう…それだけでも
疲れて帰ってきて
頑張って料理した甲斐があったな。
って思ってしまう。
無言で近づいて来て
持ってた袋からビールを取り出し
俺の首筋に冷たいビールを当てた。
『つめたっ!』
『お疲れさん…すごい汗。』
『あっちぃのよ。』
…かずが近づいてきて…ふと
良い匂いだって気づく。
こいつ。
風呂入って来てるじゃん。って…
俺が汗だくなのに
サラサラじゃん……
いつもより放ってる色気みたいな
ものに…居ても立っても
居られなくなる。
その空気を打ち破るかのように
大きな声を出す…かず。
『あ!これ?新しいテレビ?』
最近、買い替えたテレビを見て
驚いている。
喜ぶと思ったんだよね…
だから早く見せたかったのに。
見に来いと声をかけても
ぜんぜん来てくれなかった。
かずと見るために…大きいのを
選んだのに。
『デカいでしょ?』
『うん。すげぇー。
でも…これメシ食いながらは
見れないじゃん。裏側しか。』
あえて……ダイニングとリビングの
間に置いてあるんだ。
俺はかずとソファーに座って
ゆっくりテレビを観たい。
温度を感じながら
隣に座っていたい…
願わくば…そのまま…って。
下心もあった。正直…
でも今日は真っ直ぐに伝えよう。
俺にしろよ。
って…
つづく
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