にのあいフィクションです。
※風磨目線のコメディです。
 ご注意ください🙇‍♀️








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流す程度にランニングマシンで
3キロほど走った後…
マシンを止めて窓から
東京の街をぼんやり見ていた。


ドリンクを飲もうとした瞬間…



誰かに背中を叩かれる。



『ぐほっ…あっぶねー!』


『よぉ。』


『あ!
 お疲れ様です。』


驚いて振り返ると
筋トレに向かう途中の
翔くんだった。


『もう終わり?
 風磨、最近…結構上げる
 らしいじゃん。
 トレーナーさんが言ってたよ。』


『そうなんすよ。
 この間100上げられたんですよ!』


『え!?マジで。すげーじゃん。』


『結構えぐいっす。
 80くらいまではイケる人
 たまにいるけど…100はなかなか…』


翔くんの反応が思った以上
だったから調子にのって
ペラペラ話してたら…


ガシっと肩を掴まれて
耳打ちされる。


『負けたくない人も
 いるからあんまり自慢
 すんじゃねーよ。』


ニヤニヤしながら言われて
何のことかわからず
首を傾げると…

アゴで向こうを見ろと合図される。


広いジムの奥の方で
ベンチプレスに腰掛け
トレーナーさんと会話してる
イケメンがいた。



『…誰っすか?』


シルエットを見て
もしかして……とは思ったが
まさかあの人が俺をライバル視
するとは思えず
念の為確認すると



翔くんはそちらに向かって
スタスタと歩き出した。


俺もその後ろ姿について行く。


トレーナーさんと話してたその人は
俺たちの気配に気づいて
こちらを向いた。



『あ、翔ちゃん!!ん?
 あれぇ?風磨も一緒?』



『相葉くんお疲れー。また会ったね。』


『お、お疲れ様です。』



予想通りのお人だった。


バーベルのウエイトを
チラッと確認したけど
すぐには何キロかは数えられない。


『翔ちゃん、今来たの?』

『そう。そしたらランニングしてる
 風磨見かけてね。
 声かけてたら、こっちに
 相葉くんらしき人も見えたから…』


タオルで汗を拭いながら
黙って2人の会話を聞いていた。


やっぱ…オーラが違う。
5人中2人揃うと
格段とキラキラオーラが増す。


俺の憧れの人たち。


『風磨、俺のウエイト数えてたでしょう?
 何キロかな?って。ふふ。』



突然、相葉くんから声をかけられ
アタフタする。
翔くんが変なこと言うから…


『あ、いや。あの…』


『…100キロは無理よ。
 だって全世界で3%でしょ?』


そんなことを言いながら
笑ってるけど
その身体で…できないことも
ないでしょう。
と、マジマジと相葉くんのイイ身体を
見つめる。


『でも、相葉くんも
 気合い入ってるんだよね?』 

翔くんが揶揄うように声をかけた。


『あ、アレは……あいつが…』
そう言いかけて、口を噤んだ。



あいつって…
あいつですよね?
あのお方ですよね?


絶対、二宮くんですよね??



確かにトレーナーさんがいる
この場所で話す内容じゃ
なさそうだから、俺も空気を読んで
黙っていた。


そういえばこの間、動画撮影の時に
俺が100キロ上げた話に
妙に食いついて来てた。


俺だったらデキる。みたいに
言い張って…。んなわけないのに。


筋肉のキの字もないような
身体で100キロなんて上がるわけ
ないのに。


…話を変えるように
翔くんが続けた。

『相葉くん、ふぐの予約の日
 嵐ジオ、終了後でいい?』


『うん。ありがとう。翔ちゃん。』


『うわー。仲良いっすねぇ。
 俺も行きたいなぁ。』



ファンのノリでそう言うと…

『…風磨もいろいろあるから
 俺らと話したいよね。』


優しい相葉くんは
そんな風に言ってくれる。


でも続けて…

『でもその日、ニノさんなんだよねぇ。』
と。



『あ、その日っすか。』


翔くんは横目でトレーナーさんを
チラ見しながら
『ニノにも、声かけたんだけど
 ニノさんで、夜飲みに行くって
 聞いたから。』


言い訳するように教えてくれた。


確かにその日は孝太郎さんが来て
前行った中華居酒屋で
飲みロケをすると聞いていた。



『…残念です。
 また誘ってください。』


『おー。またウチに来てよ。
 俺がいる時に。』




そのコメントはちょっと
問題発言なのでは?と
思ったけど…


ちょうど
トレーナーさんが外した
タイミングだったから素直に
頷いた。


『はい。相葉くんがいる
 タイミングで必ず。』


『なに、いない時に行っちゃ
 ダメなの?』


トレーナーさんがいないからと
翔くんが掘り下げで聞いてくる。
…またもや、ニヤニヤしながら。


『え?別に…来たっていいけど。あっ』


相葉くんが言いかけた瞬間
トレーナーさんが戻って来たから
またね。って
その場は解散になった。







相葉くん。
100キロ上げた俺をライバル視
してる?ってこと??ん?










つづく
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