病気という言葉は病と気からできてい

ることからもわかるように病半分、気

が半分とも気の病ともいわれます。病

気は「出す力」「温める力」「気の

力」のズレがきっかけで起こることが

ほとんどです。

「気の力」が滞ると、なんとなく体が

重い、スッキリしないといった感じが

あって、胃が重い、体のあちこちが痛

いといった症状があらわれます。長引

いた場合、食欲がない、体重が減った

寝汗が出る、風邪を引きやすいなどの

症状が出ます。

次にあげる疾患は「気の力」の滞りが

関係して起こるものです。

○不眠症

特に原因はないのに、なかなか寝付け

なかったり、眠れない日が続く・・・、

そんな時は、下半身が冷えて、頭に熱

がこもった「頭熱足寒」の状態になっ

ています。脳に血が集中しているので

眠れなくなるわけです。体を温めて

「気の力」の滞りを解消することが必

要です。

コーヒーやお茶などのカフェインを多

く含むものを飲んだからとか、気温や

音などが気になるなど、原因がはっき

りしている不眠は心配無用です。

○慢性疲労症候群

生活に支障をきたすほどの強い疲労感

が6ヶ月以上続いたり、よくなったり

再発したりと繰り返し起こるのが特徴

です。微熱、頭痛、のどの痛み、筋肉

痛、関節痛、首から脇周辺のリンパ節

の腫れなどの症状もあるので、風邪と

間違われることもあります。

長引くと、筋力低下、歩行困難、食べ

物を飲みくだすことが困難になるなど

のほか、睡眠異常、思考力の低下、忘

れっぽい、まぶしい、興奮、うつ状態

といった精神的な症状も出ます。仕事

熱心でストレスが多くて、真面目で融

通の効かない人に多い傾向がありま

す。

○自律神経失調症

体の働きをコントロールしている交感

神経と副交感神経のバランスが崩れる

と、循環器系や消化器系に様々な症状

が表れます。循環器系の症状としては

動悸、息切れ、胸部の圧迫感、異常な

発汗、血圧の上昇などで、消化器系で

は、食欲不振、胃の膨満感、便秘、下

痢などが起こります。この他、めまい

や耳鳴り、不眠、頭痛、疲労感なども

あります。

○不安神経症

突然、心臓がドキドキして、汗が出た

り、めまいを感じたりします。時には

死んでしまうのではないかという恐怖

心を覚えることもあります。通勤電車

のなかや会議中などに起こりやすい傾

向があります。精神的な原因で、神経

機能の働きに障害が起きた状態です。

○強迫神経症

精神的なことが原因で起こる神経機能

の障害です。手に細菌がついていると

思い込んで何度も洗う、病気だと思い

込んで何度も病院へ行くなど、強迫観

念にとりつかれるのが特徴です。

○うつ病

脳から分泌される精神伝達物質セロト

ニンが減少するために、発症すると考

えられています。症状として、憂うつ

感、食欲低下、性欲低下、不眠、早朝

覚醒、自信喪失、朝方の不調、動作の

緩慢、口数の減少、仕事能力の低下な

どがあります。

頭痛や胃腸の不快感、心臓がドキドキ

する、息苦しいなどの身体的症状だけ

で、精神的症状がない場合は仮面うつ

病といいます。

○イライラ、倦怠感

イライラやストレスがたまっていると

のどに梅干の種がつまったような違和

感を覚えることがあります。この状態

を漢方では「梅核気(ばいかくき)」と

いいます。興奮して感情のコントロー

ルができなくなることもあります。

倦怠感は、体の疲れがなかなかとれな

いことがきっかけとなります。自律神

経やホルモンのバランスが崩れて、心

の疲れまでとれなくなってしまうんで

す。体がだるくなり、脳の働きも悪く

なって集中力ややる気がなくなりま

す。