〈Eテレ〉
📺おじゃる丸
▽21ー51:もどしやタナカコシヨ [初回2018年11月16日(金)]


▽脚本:今井雅子
▽絵コンテ:西田章二
▽演出:宇根信也
▽作画監督:渡辺はじめ
▽原画:吉田光昭・広江克己


(ほ)した食べもの・乾物(かんぶつ)を売る、カンブツさんのお店「ひらきや」にお客(きゃく)がぜんぜん来ない!古いものを売るタナカヨシコににた名前のタナカコシヨがとなりに「もどしや」という店をひらき、水でもどした乾物を売りはじめたからだ。干しワカメも干し月光ダケも、もどしたものなら料理(りょうり)にすぐ使(つか)えると、お客さんに大人気。自分でもどすのも乾物の楽しみなのにと、カンブツさんはなげく。(公式HPより


📝タナカコシヨ再び。前回の登場(初登場)は、20-28:タナカコシヨの店 [初回2017年6月14日(水)] 。その時の内容は本編で説明されてるので割愛。
仕入れ先がひらきやならカンブツさんは金銭的には損はしてないとも取れますが、もどしやが流行ってる一方で乾物に対するイメージは下がってたので、あのまま流行り続けたとしてもいずれジリ貧にはなってたんだろなぁと。結果、お客さんは乾物の良さを見直し、タナカコシヨはまたひとつ商売人の心得を得た、といったところでしょうか。
まぁ小町ちゃんのビバを見ればわかるように月光町住民は恐ろしいまでに熱しやすく冷めやすいので、この町で流行り商売はそもそも無理なんですが。
個人的にはひらきやの隣って空き物件だったのかよ、という驚きも。

※追記:2019年3月8日(金)の再放送時のエンディングイラスト追加



・「どこがで聞いた事がある声じゃの」と立ち止まったおじゃる丸。「これはこれは、確か古い物を売るタナカヨシコの店のタナカヨシコ様にお名前が良く似ていて紛らわしいタナカコシヨ様」と電ボ。
「そう言えばコシヨとやら、タナカの店の隣で新しい物を古い物風にして売っておったの」とおじゃる丸。



・本日開店もどしやです、とタナカコシヨ。店内の品は乾物を水で戻したもの、今すぐ使えると店内は盛況の様子。
「困るんだけど…」と現れたのは乾物屋ひらきやの若き主人、開干ゑ門ことカンブツさん。お礼に伺いたかったけど手が離せなくて、とタナカコシヨ。「うちで乾物買ってくれたのはいいけど、隣でこういうことされると困るんだよね~」とカンブツさん。お客さんも来ないとのこと。



・「乾物って水で戻すのが手間じゃないですか、その手間が省けるってもう大人気なんですよ~」とタナカコシヨ。「おかげでうちは商売あがったりだよ」とカンブツさん。
そんな合間にも次々と売れていくもどしやの商品。「時間がなくてお忙しいお客様に特にオススメなんです」「それはわかるけど、何もうちの隣でやらなくたっていいじゃない」「わたしはお客様に喜ばれる物を売っているだけですから」と噛み合わない二人。



・カンブツさん、もどしやに来ていたお客さんにひらきやの商品をアピールするも、「戻してなきゃダメじゃない」「戻すのが面倒なんだよ」「戻した乾物が欲しいの!」と散々、逃げるように店外へ。
「確かに乾物って手間が掛かるもんね、でも…でも…そのひと手間でおいしくなるんだ~!」カンブツさん、魂の叫び。



・「なんだい?騒々しいね」と通りがかりのタナカヨシコ。「おや、あの子は?」 「タナカと名前は似ておるがタナカよりずいぶん新しいタナカコシヨじゃ」「ずいぶん新しいは余計だよ」なおじゃる丸とのやり取り。
「いい商売考えたもんだね。新しい物を古く見せ掛ける商売よりずっといい」とタナカヨシコ。それはわかる、何にも間違ってない、だけど何もうちの隣で~なカンブツさん。「荒れておるのカンブツ…」とおじゃる丸。



・「まぁ見てな。値打ちが決まるのは時間が経ってからだよ。物も店もね。」そう言い残しその場を去るタナカヨシコ。




・あくる日、おじゃる丸がひらきやの前を通り掛かると店先で私服にグラサンでまったりしているカンブツさんの姿が。余裕じゃの、と聞かれたカンブツさん、「ジタバタしてもしょうがないからね。面白くはないけどあっちはルール違反をしている訳じゃないし。乾物を作ったところで売れるあては無いんだけど、こんな時でもお日様は照ってるからね」
「おじゃ、カンブツ開き直っておるの、ひらきやだけにの…」 そんなカンブツ様が切ないと電ボ。



・と、その時、一人のお客さんが。「乾物を戻す手間が省けてとっても便利なもどしやさんなら隣だよ」とぶっきらぼうに応対するが、「いえ、ひらきやさんに買いに来たんです」との言葉にビックリ仰天、慌てて着替え直すカンブツさん。
「隣のもどしやさんで水で戻した乾物を買って、それでお味噌汁を作ったらすっごく美味しくって。乾物っていいなって思って。でも食べるなら戻したての乾物がいいなと思ったの」とお客さん。それに続くように、乾物って自分で戻して使えるから便利、自分で戻した方がおいしい、と口々にする主婦達の姿。
戻してない昆布と戻してない月光ダケと戻してない煮干しをお買い上げの最初のお客さん。その後も次々と売れていく乾物。客が戻りいつも以上の賑わいを見せるひらきや、その様子を見守るおじゃる丸と電ボ。



・夕方。店の片付けの最中、何かを思い立ったカンブツさん。「『大人げなく拗ねちゃったりしたけど、もどしやさんのおかげで乾物の良さに気付いて貰えました。ありがとう。』こんな感じで伝わるかな」 乾物を手にもどしやへ向かったカンブツさんだったが、そこには既に閉店の貼り紙。



・骨董タナカヨシコの店。いい商売だと思ったんだけどな、とタナカコシヨ。「乾物って水で戻しちゃうと長持ちしないんですよね。だから売れ残ると無駄が出てしまうんです。好きな時に戻して使えておまけに長持ち。乾物ってそのままでとっても便利だったんですね。」 とタナカコシヨ。「昔の人の知恵さ」とタナカヨシコ。




・「お茶ご馳走さまでした」「また寄っとくれよ」 去っていくタナカコシヨの背中を眺めつつ、「ちょっといい味出てきたじゃないか」と呟くタナカヨシコ。というお話。