side じゅんちゃん







ライブ終わりの高揚感とは
全く別の
妙な興奮に襲われて
丸井山マネが運転する車に乗った。

彼とももう7年の付き合いだ。

はじめの2年はチーフに付いて
乱全体の動きを把握してくれて
その後はずっと
俺に付いてる。

注文の多い俺のことも
時に苦笑まじりに面倒みてくれてる。
一回り上の丸さんは
マネージャーの立場を弁えつつも
兄のようでもある。





それだけ近い距離の丸さんにも
言えないこと。




そう思うと急に身体が冷えてきた感覚。





俺らは今
どんなところに立ってるんだ?





『自宅でいいんですか?』
バックミラー越しに目を合わせて
丸さんが聞いてくる。

「自宅で」

今夜2度目の確認。

もちろん
普段から
ままあること。

俺が急に行き先変えたりなんてね。
あることだから、
2度の確認も全然普通。



けど…。