白鳥はかなしからずや空の青
海のあをにも染まずただよふ









この詩を
授業中に知った
中学生の僕は

鮮やかな
膨大な青と
ぽつんと浮かぶ
小さな白
…色の対比が綺麗だなと感じ

しらとりは
なにが
悲しいんだろ?

不思議に思っただけだった。








ことを
漠然と思い出していた

あの6月の船の上で



船酔いでボロボロになりながら
あの人の無事を祈り、
気を逸らせるために
なるべく遠くを眺めようとするなか

空の青
海の碧
白い波

眩しくて
視線を落とすと
深い水底の昏い藍

あぁ

そうか…










大野さんの瞳


白は僅かに青みがかっていて
瞳は
幾重にも重なった
深い藍


あの日も
こうして
僕を見下ろしていたな


あの日は逆光で
瞳の色は
見えなかったけど


今は
綺麗な
深い藍が
僕を見ている






僕は
今も
青にも
藍にも染まらずに
いる


……


染まらずにいるのが
さびしいのか
かなしいのか


今なら
しらとりのかなしみが
わかる気がする


なんて…さ


そもそも


染まりたいのかな?


……
〃〃


え?
染まるって


〃〃


やっぱり

そういうこと
だよね


え?


え?






ひゃあっ!!
〃〃








『二宮』
『二宮、大丈夫か?』


えっ?!


大野さんが
ぐっと距離をつめて
僕の目をのぞき込んでる。





僕は畳の上でノびていた。





『やっと視線が合ったな。
俺の声も聴こえてないみたいに
ぼんやりとして
俺を見ているのかも解んねぇから
焦ったぞ』


「あ、僕…どう…?」


『キレイに受け身したんだけどな。
着地も軽かったし、
頭も打ってないし、
まぁ、
キレイに回りすぎたんかもな。
回転速度速すぎて
意識飛んじまったんかも』


「あ…そっか。
道場でした…」






大野さんが
大丈夫か?と言いながら
僕の後頭部に手を添えて
そっと起こしてくれる。

デジャヴか

いや、
デジャヴどころか
実際
何度目だろ?
こうして起こしてもらうの。





『ぼんやりしてたかと思ったら
急にジタバタし出して
顔は朱くなって来るし
まじで焦った』


何も言えない。
だってさ、
想像してんだ?ってことよ…


道場の畳の上でさ。







つづく










大野くん
お誕生日
おめでとう
ございます
🎉🎉🎉🎉🎉


この世界に
あなたが存在することの
幸せ(⁠ 💙⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)を
ありがとう⤴





はなさん
けいなさん
お誕生日企画主催
ありがとうございますm(_ _🍀)m
感謝
感謝でございます。


蓮さん
ハッシュタグ
ありがとうございます⤴