10月の終わり頃。

あの夏の日から初めて
相葉君から連絡がきた。

「ホントはね、クリスマスイブに誘いたかったんだけどさ、忙しいんだよね~。あれこれさ~。
でね、明日ひま?」

って。




イブって何?
まだずいぶん先だし、
良かったよ、
何でもない日にしてくれて。
なんて憎まれ口たたきながらも
僕はウキウキお出かけした。

だってさ、
就活の相談もできるし
あのさ、
大野さんのことも聞けるかも?
って思うとさ、ね?





普段から人出の多い夕方の駅前。
今日は、とんでもない人混みだ。


何でもない日
なんて言った自分は
やはり世間の波に乗ってない人種だ。
いや、もう酔いそう。


僕のような地味な一般人と
アニメのキャラクターやら
映画のキャラ⁉️やら
当然数多くのゾンビ達。
それは何者⁉️謎のコスプレ集団で
ごった返しだ。


えーっ⁉️
こんな混雑のなかで
巡り会える⁉️
なんで待ち合わせをここにしたの⁉️


途方にくれる。


スマホにラインが入る。
「右手3時方向見て✌️」


適当に右斜め前を見る。


一際スタイルのいい男性が
僕に向かって歩いて来る。
モデルのコスプレ⁉️ってくらいの、
テロンとした綺麗目のパンツスタイル。
膝までの長い丈の薄手の羽織りものも秋色だ。
相葉君て
やっぱり結構かなりイケメンなんだな、
のんきにボンヤリ見ていたら、

⁉️
その隣の男性に目を奪われた。


僕と同じで
雑踏に埋没してしまう小柄な、
何の変哲もないサラリーマンスーツの男性。
少しだけ弛めたネクタイ。
ちょっぴりがに股。
なのに優雅。
相変わらずの
ゆったりした動き。
なのに
隣の相葉君と歩幅が一緒。




え?
え?!



「大野さん!足!」




「久しぶり。
にのちゃん、挨拶が先でしょ?」

「あ、あの、こんにちは。」

「こんにちは。」

二人はにこにこしてる。



「あの、大野さんの左足、え?
え?」



「キャラ作り。」
一言。







「リーダー、凝り性なんだよぉ。」


知り合いの店という
雑踏を逃がれた
こじんまりとしたバーに落ち着いてから
相葉君が楽しそうに教えてくれる。


「その時その現場でのキャラ設定に
さらにノッケテ来るんだよーっ‼️
歩き方が大事ってさぁ。」


「やっ、そこは、ちょっと趣味ってか、自分の面白さが入っちゃつてるかなぁ。」
ふふって笑ってる。


「あのねー、サラリーマンでもさ、エリートん時は背筋ピシーッ!でモデル以上の綺麗なウォーキングでさっ⤴️目立っちゃって、失敗だったんだよね~?」


「えっ⁉️潜入がバレたんですか?」


「違うの!ぐふっ!モテモテになっちゃったのっ‼️」
ひゃっひゃっ‼️


えーっ⁉️⁉️
やだぁっ!!


大野さんを見ると素知らぬ顔で
コーヒーをこくり飲んでる。


「にのちゃん、就活、頑張ってよっ‼️
お兄ちゃんも応援するからねっ‼️」



大野さんのサラリーマン小道具のカバンから資料を出して、
二人の就活の経験を教えてくれた。





きっと
二人に並ぶ。

で、
いろんな大野さんに会うんだ。
そんで、
力いっぱいサポートする。

ホワイトハッカーになって
危機を回避する。




モテモテの大野さんの邪魔もしない。
わかってるよ。
男だからね。



あ!
護身術も真面目に取り組む。
足を引っ張りたくないし。

大野さんに訊いたら
道場を教えてくれた。

非力で筋力の無い僕でもできますか?って聞いたら

「護身術って、そういう人のためにあるんだよ。できるよ。」

大好きなやわらかい声が
そう言った。






夢。
僕は夢を見る。
やわらかい声に包まれて。


過酷な現実に足を踏み入れるために。






おまけのおわり







ひとつだけ、
どうしても言いたくて
早々に
おまけを出しました。




高木という人物、
実は
中島君を頭に浮かべて書いてました……
そう、
間違えたのです (ーー;)
何度目かの登場で、
あれれっ?!
れ?
ちゃうや~ん!
キャラ全然ちゃうや~ん!!


わたしの
わたしだけの
問題なんですけど

お知らせしたくて。
(_ _(--;(_ _(--;

えへっ( -`Д´-;A)




最後の最後まで
お付き合いくださった皆さま、
ありがとうございます( 〃▽〃)🍀