桜が咲く道を車で走りながら病院へ向かった。


ふと、思い出した。

私が大好きだった、お友達のおばぁちゃんのお誕生日だった。


病院が終わって、おばぁちゃんの娘さんに連絡をしてみる。

『覚えててくれたの?ちょっとお茶しましょう。』

と誘われて、慌ててお花屋さんへ向かった。


お線香をあげに行きたかったけど、急にお邪魔するのは申し訳ないから。


お花屋さんの入り口で、可愛いい笑顔を見せてくれているカンパニュラと目があった。


「これ下さい!ラッピングもお願いします!」


白とピンクと紫があったけれど、私は紫色を選んだ。

風鈴のような形をして、笑顔がいちばん可愛かったから。


私は助手席にカンパニュラを乗せて、待ち合わせ場所に車を走らせる。


花言葉は【感謝】【誠実な愛】。


桜の咲く空は、青く澄んでいて美しかった。