犯罪者の家族と私達の家族は、生活圏が被っている。


母親の家を中心に娘も私も、それぞれが引っ越し先を決めたから。


『みんな出ていって欲しい』

という条件は受け入れられなかった。

だって、ちっとも反省なんぞしとらんから。


なので、こちらが堂々と行動をする。

特に私は母親の元へ行くにも、通院するにも、買い物をするにも。

犯罪者の実家の前を通る。


そして今日もまた。

犯罪者の家族を目にした。


ここぞとばかりに怨みを込めた視線を送る。

・・・跳ね返された。


そりゃそうだ。

反省なんぞしないし、優しさもないのだから。

何も気付きやしないで、跳ね返してしまうのだから。


悔しいけれど、それが現実だ。

のうのうと生きるがよいさ。


私は信じているから。

大きな大地や青空の持つ強さや優しさを。

きっと娘や母親はその大自然に守られて生きていける。

できれば私も。



今でなくても、きっとあの家族は痛い目に遭うはずだと信じている。


怨みは消えないし、消さない。

無理に消す必要もない。

恨まれる事をした人が悪いのだから。

そして、いつか大事な時に気付けばいいさ。


怨みを生み出してしまった事の重さに。