潰瘍性大腸炎

難病で一生治らない病気。へえ。

でもガンではないし、薬を飲めばすぐに良くなるだろう。そう高をくくっていた。

娘は青春まっさかりの高校2年生。

娘はソフトボール部員7人の弱小チームのエース・サウスポーピッチャー。

 

薬をのんで一月。

下痢や下血は確実に収まり、いよいよケーキやチョコレートが食べられるのだ。

嬉々として病院に行くと、その話は忘れたかのように一切なし。

へぼ医者!娘は名医の先生を恨んだ。

しかし、投薬の量が減って次回への期待が膨らむ。

ところがそうはならなかった。

新人戦前2週間。

人数が足りない?

大丈夫。中学時代の経験者に助っ人になってもらうのだ。

ところが、ストライクの入らないヘボコンピッチャーがどのように変身できるか。。

 

このことを書くと、たくさんありすぎて、どこまでいくか、わからない。

 

まずは、昨日の入院宣告後のことに話を飛ばす。

 

車内には丸めた涙に濡れたティシュが幾固まりにもなっている。

娘はいつものネービーブルーのタイツに着替えていた。

今から部活をするという。

会いたいのだ。仲間としばらく会えないのは確実なのだから。

時計は午後の5時半を回っていた。薄暗いなかを学校にもどるとピロティに生徒はいない。

グラウンドに行ったのだ。

先生は職員会議でいないし、数人がリハビリに行って今日の参加者は4人だけなのに。

「車で行ったら帰り、歩かなくちゃならないから、自転車で行く」

といって娘は自転車置き場へ駆け出した。

後ろ足を軽やかに高く上げながら。

こんなに元気な子がなぜ入院なのか。

絶食しての点滴の治療。

げっそりと痩せていくのだろうか。

 

そして今日は病院へ。

高校2年の娘の闘病記がはじまる。