旅立ち

 さて大浦にある警察署の留置所から西町にあるという拘置所へ旅立ちです。

留置所に入った時のスーツ、たたんでしまってありますから、少々くたびれてきた上に、大きなしわが寄ってます。

それに着替え、靴下は苦楽を共にした靴下の一つ「もってこーい」にします。

報道カメラマンがいるといけないので、

やはり、かぶり物を深々とかぶせられます。

... しかし、「事件」の焦点は既に「連座制適応」へ移っています。

検察が強く主張する「選対長」・「出納長」の有罪と候補者の「連座」です。

総合後援会長の有罪はどうでもよくなってきています。

あらためてはっきりここで述べておきますが、「選対長」・「出納長」はあくまでも全体の選挙運動の各組織集合体の一組織の中のもの、それを束ねるのが総合後援会長、今回の選挙期間は私に相当の決定権が生まれました。

しかしながら「公職選挙法」には、「総合後援会長」の「公職選挙法違反」は連座の対象ではないのです。

彼らからすれば、どうでもいい男になったのです、おまけです。

私の旅立ちには鈴なりカメラマンの風景は消え、なんか、寂しい移送となりました。

「民主主義の根幹を揺るがす大罪」を犯したというのに…

旅はまっすぐ目的地には行きません、一度、検察庁でトランジットし、何かしら手続き、確認があって、その後、また出発となるようです。

 

此処で手違い発生!の模様、なかなか、出発ラウンジへ移動しません。

しかたなく、検察庁の一時保管場所みたいな部屋へ入れられます。

ここがまた、真っ白い空間で、死後の世界でよく見かけるような真っ白、そこにスーツ姿のイケメン君がやはり手錠、腰縄で背筋を伸ばして座ってます。

退屈になった私は「何をしたんですか?」と質問。

イケメン君は「詐欺罪です」と明確に端的に答えてくれました。

なるほどこのイケメンなら、きっとバーチャンも、オバチャンも騙されるだろうな、と妙に感心しました。

その内、彼はいなくなり、私ひとりまた、真っ白い空間にいます。

オシッコしたくなり、鉄格子の向こう側にいる、柔道大会でも今から開催できそうな、立派なガタイ4人に声をかけ、外へ出してもらい、小さなトイレで、腰縄のまま用を足します、まるで散歩中の犬のションベンです、ションベンの音がしょぼくれて響きます。

霊安所見たいな部屋へ戻り、一人鎮座します。

小さな小窓からお茶が差し出されます、これが美味しいのです、いままでのマグカップ茶とは大違い、ちゃんと品のいい湯のみで出てくるんです、お代わりをします。

この上等茶、手違い御免の上等茶のようです。

一度、留置所へ戻るか、このままここで、出発を待つか、やり取りしてるようです。

その内、お昼御飯の時間がやってきて、此処で特別に昼食となります。

係官は拘置所へ連絡、昼食はここで取るから、そちらは必要なし、と。

気のきいた旅行添乗員です。