3.11に寄せて―

 

白い本の著者の詩を捧ぐ

 

 

 

   あの日を

   忘れてはならない。

 

 

   不可能に見えても

   困難と闘う人たちがいた。

 

 

   身の危険を顧みず

   手を差し伸べる人たちがいた。

 

 

   声を枯らして

   捜索を続ける人たちがいた。

 

 

   自分も飢えているのに

   食料を分かち合う人たちがいた。

 

 

   たどり着ける保証もなく

   輸送車を走らせる人たちがいた。

 

 

   遠くから何日もかけて

   支援に駆け付ける人たちがいた。

 

 

   名もなき人たちが

   あのときを照らしていた。

 

 

   心ある人たちが

   あの時を支えていた。

 

 

   それはこれからの世界の

   土台となるべき人間の姿である。

 

 

   あの日を

   忘れてはならない。

 

 

 

流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星流れ星

 

 

 

   時が流れ

   季節が移っても

   想い続けよう。

 

 

   人々が去って

   景色が変わっても

   想い続けよう。

 

 

   本当の喪失は

   過ぎ去ることなく

   いつも私たちの許にある。

 

 

   時代の痛みは

   人間の生き方を問い

   未来の形を指し示す。

 

 

   だから

   大切に

   想い続けていよう。

 

 

   生きている限り

   決して忘れることなく

   想い続けていよう。

 

 

 

虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹虹

 

 

 

 

   瓦礫も何もなくなった

   空っぽの土地に

   彼らの形見が

   息づいている。

 

 

   神殿の基壇のように

   厳かな気配で

   帰らぬ時を語る

   家々の痕跡―。

 

 

   眼を閉じれば

   まぶしい光

   懐かしい声が

   次々に蘇ってくる。

 

 

   ここは

   彼らが

   自らの魂を捧げた

   聖なる場所。

 

 

   私はひざまずき

   首を垂れて祈る。

 

 

   そして彼らの魂が癒される

   遥かな時を想うのだ。

 

 

 

波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波

     

       アスワンに・・・

 

           Sea of   Aphrodia