あっぱれ!なでしこジャパン、パリ五輪出場を決めました。おめでとうございます。

 

 緊張しましたね。国際試合であまりプレーを見ない北朝鮮、どれだけ強いのか。第1戦でベールを脱いだ北朝鮮、まだまだ隠し玉があるのか心配でした。結果は、2-1で日本が勝ちましたが、北朝鮮のあのシュートが決まっていたら、結果がどうなっていたか分からなかったというシーンがありました。

 

 なでしこジャパンは、第1戦から先発メンバーを2人入れ替え、ディフェンダーを3人並べる「スリーバック」にシステムを変更して臨みました。理由は、積極的に勝ちにいったため、攻めを重視したからです。

 

 それが功を奏したのは、前半26分。フリーキックのチャンスで今日先発で起用された北川ひかるが制度の高いクロスボールをゴール前に放り込むと、田中美南がヘディングシュート。これはクロスバーに跳ね返されましたが、こぼれ球に反応した高橋はなが押し込んで先制しました。

 

 しかし、前半終了間際、日本にあわやというピンチが訪れました。北朝鮮がスローインから日本ゴールに迫りました。ゴール前に放り込まれたボールを北朝鮮選手がヒールキック。ボールは、ころころと日本ゴール左隅に転がっていきました。GK山下が横っ飛びで腕を伸ばし、なんとかかき出しましたが、ボールはゴールラインを割る直前でした。もしここで同点に追いつかれていたら、俄然北朝鮮に勢いがついたことでしょう。

 

 

 

 後半は、北朝鮮の圧が強まりましたが、GK山下の的確なプレーを中心になんとか踏ん張りました。そんな中、後半31分、バイタルエリアで相手選手のクリアーミスからボールを奪い、清水梨紗が右サイドを突破してクロスボールを上げると、藤野あおばが飛び込んで頭で合わせて2点目を奪いました。清水のフェイントで相手DFを置き去りにしたプレー、藤野のコントロールされたヘディン、見事でした。

 

 日本はこのあと1点を返されましたが、最後まで粘り強く守って、追加点は許さず、2対1で勝利。2大会連続のオリンピック出場を決めました。熊谷紗希ではないですが、ホットしました。

 

 リオデジャネイロオリンピック出場を逃したとき、最終予選の試合を応援に来たファンからキャプテンの宮間あやさんたちが罵声を浴びせられていた姿を見ていただけに、本当に勝って良かったと思いました。

 

 今日の試合の勝因は、まずは監督の選手起用とそれに応えた選手たち。みな弱気の選手はいなかったですね。一人一人が自覚を持って戦っていたと思いました。

 

◆池田監督コメント

「選手たちがタフに戦ってくれて、自分の持っているものをすべて出してくれた。タフな環境で勝ちきれたことは間違いなく選手を成長させてくれる。パリオリンピックでは一番いい色のメダルを目指して全員で戦うので一緒に戦ってください」

 

◆熊谷紗希コメント

「正直にひとこと、ほっとしている。初戦でうまくいかなかったがチームとして修正できた。最後押し込まれたが、しっかり点をとって勝ち切れたことは次につながる。この最高のチームでもっともっと長くやりたいとチームには伝えて、それがパリで実現する。日本の皆さんとパリをつかめて良かった。大会までは時間があるので、そこに向かって成長できるチームになり、パリでは金メダルを目指して、また全員で頑張りたい」

 

◆高橋はなコメント

「パリオリンピック出場を決めることができてほっとしている。先制ゴールはいいところにボールがきたので押し込むだけだった。その後は苦しい時間帯も続いたし、失点も私のミスで反省点も多い。チームのみんなのおかげで勝てた。北陸が大変な中、サッカーができるのは当たり前のことではない。感謝の気持ちを忘れずパリに向かって頑張りたい」

 

◆藤野あおばコメント

「すごくうれしいです。自分のゴールでパリを決めたいと思っていましたし、北朝鮮との初戦でシュート数が少ないのは自分でも課題だと思っていたので、きょうは積極的にゴールを狙う中で、結果に結びついて、よかったです」

 

◆長谷川唯コメント

「本当にうれしい。気持ちと日本らしいサッカーを見せられた。プレッシャーはあったが、まずは自分たちのためにやろうと話していた。自分たちのために楽しんでプレーした結果がチームの結果につながって、それが日本の女子サッカーの未来につながればいいと思っていた。それができてよかった」