まさかここまで北朝鮮が強かったとは、驚きました。昨夜行われたパリ五輪アジア最終予選、なでしこジャパン対北朝鮮戦は0-0で引き分けでしたが、北朝鮮の強さを見せつけられました。

 

 昨年のアジア競技大会では、日本代表はセカンドチームで対戦し、4-1と圧倒しました。それだけに、今回の日本の苦戦には驚かされましたね。

 

 日本は欧州組の一部が事前の全体練習に参加できなかったことと、怪我により宮澤ひなた、遠藤純、猶本光のワールドカップ代表が出場できないこと。北朝鮮は、そんな日本と比して、きっちりとこの最終予選に合わせてこられると思い、引き分けもあると考えていましたが、まさかその通りになるとは・・・。

 

 試合データは次の通り

 

 シュート    北朝鮮9本(内枠内3本)、日本4本(内枠内1本)

 ボール支配率  北朝鮮46%、日本54%

 パス成功率   北朝鮮75%、日本80%

 ファール    北朝鮮9、日本5

 コーナーキック 北朝鮮5、日本3

 

 

 

 

 北朝鮮のショートパスの巧みさには驚きました。相互の選手が密集している中でも、北朝鮮はショートパスでボールを繋いでいました。安易なバックパスはほとんどありませんでした。そこには、密集していてもボールを繋ぐ自信があるように見て取れました。日本が攻め込まれ、あわやというシュートを撃たれたのもパスを繋がれてのもの。

 

 対する日本は、ロングボールで活路を見いだそうとしていました。パスを回して崩そうというシーンはあまり見られませんでした。北朝鮮の弱点は、スピードかなと思います。ごつい体の選手は多いですが、スピードある選手はいません。ゆえに、裏を取れればチャンスは生まれると思いましたが、あまりチャンスを作れませんでした。

 

 後半途中で、熊谷紗希と長野風花を交代させました。熊谷のアンカーでの使い方は、今一つ生きていないような気がします。バックパスが多いですね。前への効果的なパスがないように思います。長野も、この試合では存在が薄かったです。二人の交代はやむなしと思いました。

 

 スタメンで出場した古賀塔子ですが、ボールを奪われるシーンが何度かありました。このまま、スタメンで使い続けるのでしょうか。ちょっと経験不足、守備に不安があります。

 

 交代で出た中嶋淑乃は、プレーが少し遠慮気味に見えました。もうちょっと、接触を恐れずプレーすれば、ファールをもらったりしてチャンスを演出できたかなあと思いました。

 

 清家貴子はスピードがあるので、もっと早い時間で交代させた方が良かったように思います。北朝鮮には、清家のスピードは脅威のはず。次戦では、後半からでも使って欲しいです。

 

 FPでは、北川ひかる、林穂之香、杉田妃和、上野真実、石川璃音が出場しませんでした。18歳コンビの古賀、谷川萌々子の方が、対北朝鮮戦では彼女たちより上と見たのでしょう。少し気になったのは、この二人と他の選手の連係が少し取れていないシーンがあったこと。90分の中では、そんなことは当たり前かもしれませんが、致命傷にならなければいいのですが・・・。

 

 次戦で、勝った方がパリ五輪出場となります。国立競技場で行われますが、開催地が日本ということが地の利にならない場合もありますね。大応援団に、勝たなければという思いが強くなり、緊張のあまりプレーがうまくいかない。慎重になりすぎてしまう。リオデジャネイロオリンピックのアジア最終予選で敗退したなでしこジャパンの2の舞にならないことを祈るばかりです。