今日行われた準決勝の一試合、スペイン対スウェーデン戦は、最終番にきて決着がつき2-1でスペインが勝ちました。これまでの試合結果からスウェーデンが有利かと思いましたが、スペインが終了間際決勝ゴールを決めました。

 

 前半は、お互いに自分たちの特徴を出し、両国とも中々ゴールに迫ることが出来ませんでした。この日のスペインは、日本戦で4失点した守備陣が踏ん張り、スウェーデンのロングパスによる裏への抜け出しを完璧に封じました。一方スウェーデンは、スペインはの見事なティキ・タカに翻弄されることなくこちらも堅守を続けていました。

 

 そんな中、スペインはバイタルエリアから2本ミドルシュートを狙いましたが、枠を捉えることが出来ませんでした。

 

 スウェーデンは、サイドからクロスを上げたり、CKから高さでゴールを狙いに行きましたが、いずれもGKコールがパンチングで防ぐ好プレーを連発。また、41分、決定的な場面がありました。右サイドから上がったボールに左サイド奥にいたロルフォがダイレクトシュートを放ちましたが、GKのファイプレーで弾かれてしまいました。

 

 61分には、スウェーデンのカネリドが右サイドからクロスを上げましたが、GKコールが右手に当ててゴールを阻止しました。もし、手に当てていなければブラックステニウスがゴール前にいましたので決められていたと思います。

 

 ポゼッションは、相変わらずスペインが圧倒。70分辺りからは徐々にスペインがゴールに近づくシーンが多くなりました。それでも、スウェーデンは良く走り、スペインのパスをカットする等、決定機を作らせませんでした。

 

 試合が動いたのは81分。57分にプテジャスに代わって入ったFCバルセロナ所属の19歳サルマ・パラジュエロが先制ゴールを決めました。

 

 

 エルモソがゴール前に放り込んだボールを相手DFがクリア。このクリアが浅くなり、ゴール前に詰めていたパラジュエロの目の前に転がってきました。これを蹴りこみました。残り時間はあと10分。スペインが逃げ切りかと思いましたが一波乱ありました。

 

 これに対してスウェーデンは88分、敵陣左サイドでスローインを得ると、縦へ送られたボールにロルフォが追いつき強引にセンタリング。高めに上がったボールをフルティグが頭で落とし、最後は遅れて入ってきたブロムクビストがハーフボレーを叩き込み、土壇場で試合を振り出しに戻しました。

 

 さあここからどう試合は展開するのか、またまた延長戦からのPKになるのかと思いを巡らしていると、あっという間にスペインのゴールが生まれました。89分、CKから左ペナルティエリア手前でボールを受けたエルモソがミドルシュートを放つと、バーに当たってゴールに吸い込まれました。アディショナルタイムは7分でしたが、再ドラマは起こらずスペインが勝ちました。

 

 

 

 試合は、とても引き締まった試合でした。お互いに寄せが早く、それいてボールを失わない足元の技術を両者とも持ち合わせていました。気の緩む時間は一切なく、お互いに防御が固く決定的な場面は中々生まれませんでした。しかし70分過ぎあたりからスペインが主導権を握り始め、そして先制。土壇場で同点に追いつかれましたが、あっさりとゴールを奪い勝ち切りました。

 

 この試合を分けたのは、GKのプレーだったと感じました。スペインの先制点は、ムショヴィッチがとれなくても仕方がありませんでしたが、決勝ゴールは反応が逆になりましたね。もし、まともに反応出来ていたらパンチングではじき出すことが出来たと思います。逆モーションとなってしまったため、手には触りましたが弾くことは出来ませんでした。

 

 スペインのGKコールは、CKからクロスを2度パンチングで防ぎました。また決定的な場面でも2度シュートをはじき出しています。GSでは出番がありませんでしたが、正GKロドリゲスの負傷により決勝トーナメントからゴールを守り、今日のスウェーデン戦は、まさに彼女の活躍が勝利を手繰り寄せたと僕は思います。

 

 さて、こうなってみると、スペインに大勝した日本としては、つくづく惜しい敗退だったと思うかもしれません。しかし、サッカーの勝敗は、絶対はないんですね。

 

 

 

 2011年大会で、日本はGSでイングランドに2-0で完敗しました。しかし、そのイングランドは決勝トーナメント初戦でフランスにPK戦の末、敗退しています。そして誰もがご存知のように日本は優勝しました。

 

 また、2011年大会では、スウェーデンはGSでアメリカに勝ち3勝で決勝トーナメント進出を決めましたが、準決勝で日本に負けています。このように、GSと決勝トーナメントの勝敗は入り組んでいます。そのような中、勝つべくチームは勝ち上がって来ます。

 

 今大会、スペインが優勝した場合、日本はかなり複雑な思いを抱くファンあるいは選手が生じるかもしれませんが、最後は勝つべくして勝つチームに成長していかなければならないと思います。

 

 しかし、改めてスペイン代表のワールドカップの成績を振り返ってみると、現在の勢いが急激に生じたことが分かります。

 

 1991年に始まったワールドカップは、本大会で9回目となりますが、スペインの過去の成績は次のようなものです。

 

 1991~2011まで6大会連続予選敗退。2015年はGS敗退、2019年はベスト16でした。

 

 過去最高の成績がベスト16の国が、決勝戦進出です。これで優勝したら、国内の女子サッカー人気はどうなってしまうのでしょうか。スペインリーグは、現在1部のみがプロリーグということですが、2部のプロ化も早まるかも知れませんね。

 

 

 えっ、B代表?