優勝を決めて喜びを爆発させたなでしこたち。みんなの笑顔がとても素敵でした。あやちゃんが言っていた「なでしこジャパンは笑顔の源」という言葉が、実感出来ました。もちろん、優勝できたからこその笑顔でしょう。でも、思うに、本当に、このチームの一員でいることが嬉しくてたまらないといった選手の表情が印象的でした。
 
 初めて招集された若手選手の中には、一試合しか出場できなかった選手もいました。でも、このチームの一員であったことに幸せを感じたはず。そして、またこの場所に帰ってきたいと思ったはず。トロフィーを掲げた山根選手の笑顔が素敵でした。初めて代表に選出された小原選手、乗松選手、吉良選手、高畑選手、猶本選手、吉良選手、杉田選手の笑顔も素敵でした。

 戦う気持ち、それから自分に責任を持つことができる人間だけに着ることが許される代表のユニフォーム。この大会だけで満足した選手は一人もいなと思います。再び代表に呼ばれるために、この場所に帰ってくるために、頑張ろうと思って帰国の途についたことでしょう。

 猶本選手、吉良選手の表情には、決して満足していない、必ずこの場所に帰ってきたい。そして、この大会で見つかった課題を必ず克服して見せるという決意のようなものを見て取れました。

 なでしこジャパンの躍進の核心は、絆の強さだと思います。バラバラなチームが試合を重ねるたびに、絆を強めていき、最後に、このチームの一員で良かったと誰もが思う。北京オリンピックで、ドイツワールド杯で、ロンドンオリンピックで、そして、AFC女子アジア杯で。

 今でも思い出します。あやちゃんが、北京オリンピックの帰国記者会見で、澤選手からかけられた言葉「苦しい時は私の背中を見なさい」というエピソードを語った時の満面の笑顔。鮫島選手が、ロンドンオリンピックの帰国時に、インタビューで共に戦った仲間のことに触れて声を詰まらせたこと。

 だれもが帰りたい場所に人数制限がなければ、なでしこたちで埋め尽くされてしまうでしょう。その場所の真ん中に、宮間あやがいる。そのことの幸せを、選手でない僕も感じています。