なでしこジャパンは、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めましたね。予想通りと言えば言えますが、初戦のオーストラリア戦は、薄氷を踏む思いの引き分け試合でした。前回大会で、決勝トーナメント初戦で、敗れた相手。選手たちの勝利への集中力はすごく高かったはずです。
 あやちゃんの通路での集中力はすごかったですね。1点を見つめて、集中力を高めるあやちゃん。野田さんのちょっかいにも微動だにしませんでした。それもあやちゃんですが、もう一つ、あやちゃんらしいエピソードを紹介しましょう。

 それは、入場シーンでの出来事でした。両国の国旗を先頭に、審判団の後から選手たちがピッチに入場してきた時です。なでしこジャパンの先頭を歩くあやちゃんが、手をつなぐエスコートキッズの足元をじっと見つめながら階段を降りてきました。階段を降り切るまで、目線はキッズの足元にありました。
 これから、戦う相手は、絶対勝たなければならない相手。強敵のオーストラリアです。あやちゃんの頭の中には、どんな戦略が描かれていたのでしょうか。これから始まる試合の展開をイメージしながら歩いていても不思議ではありません。ですが、あやちゃんの目線はキッズの足元に、その思いは階段を降りるキッズの足元にありました。

 これは、あまりにも有名なシーンですが、あのドイツワールド杯の決勝戦。なでしこジャパンは、アメリカを追い詰め、PK戦に突入しましたね。そして、優勝を決める熊谷選手のゴール。誰もが、ゴールマウスを守っていた海堀選手に向かって全力で走っていきました。でも、ただ一人あやちゃんだけが、敗戦に茫然自失していたアメリカ選手の下へ敬意を払いに歩いてゆきました。

 あやちゃんって、本当に視野が広いですね。ピッチ内でも外でも。またまた、あやちゃんの魅力に引きつけられました。