ニュージーランドとの国際親善試合は、なでしこジャパンが2-1で勝利しました。いずれの得点にも、あやちゃんが絡んでいました。この試合は、今月14日からベトナムで行われるAFC女子アジア杯を前にしての、最後の調整試合でした。アジア杯は、来年行われるカナダワールド杯の予選も兼ねています。ワールド杯2連覇がかかった試合というより、ワールド杯の出場権のかかった大事な試合です。絶対負けられない試合です。

 試合開始前に、通路に整列した選手たちの表情を見て、キャプテンと他の選手の表情の違いにびっくりしました。吉良選手や川澄選手などは、エスコートキッズと笑顔で話していました。山根選手は、少し緊張した面持ちで出番を待っていました。あやちゃんはというと、口を真一文字にむすんで、じっと一点を見据えていましたね。その時、通りかかったなでしこリーグ日テレ前監督の野田朱美さんが、あやちゃんの右肩をポンと軽く叩いて行きました。しかし、あやちゃんは、野田さんに目もくれず、視線はずっと一点を見据えたままでした。この試合にかける意気込み、この試合の持つ意味、この試合における仲間たちへの思い等等、思いつつ出番を待っていたのでしょう。

 ニュージーランドとの試合において、きっちりと仕事をし、チームをまとめ上げていたあやちゃんのキャプテンシーを、新たになでしこ招集された選手たちはどう思ったでしょうか。特に、ポジションがかぶる猶本選手には、あやちゃんのプレーは、大いに参考になったと思います。また、サッカーにかける思いも、学んだのではないでしょうか。

 まだ、アジア杯を制したことがないなでしこジャパン。ワールド杯覇者として、今大会こそ、優勝を勝ち取ってほしいですね。