3月23日(日)午後11時からNHKで放送された「サッカープラネット」という番組を見ました。この日は、女子サッカーに関して2つの話題が取り上げられました。一つは、中東ヨルダンの女子サッカーについて。もう一つは、フランスリーグのモンペリエで活躍している宇津木瑠美選手の活躍ぶりです。

 イスラム圏の女性は、宗教上の理由から、人前で髪の毛や首を隠すためヒジャーブという被り物を身に着けます。実は、これまで、この頭にかぶる布がFIFAのルールに抵触し、身に纏って国際試合に臨むことが許されませんでした。それは、イスラム教を信仰するサッカー選手にとって、国際試合に出場できないことを意味します。この理由から、サッカーが大好きなヨルダンの女性が、国際試合に参加できませんでした。しかし、この3月1日、FIFAのルールが改正され、ヒジャーブを身に着けて試合に出ることが認められました。

 ヒジャーブが問題になったのは、2011年のロンドン五輪アジア予選のヨルダン対イラン戦でした。この試合に臨むに当たって、両選手の中にヒジャーブを身に着けていた選手がいました。その結果、両チームの選手がピッチに出た直後、ルール違反で失格となってしまいました。FIFAのルールでは「自分や他の選手に危険を及ぼす用具を用いたり身につけてはならない」というのがあり、ヒジャーブが危険と見なされたのです。ネックレスと同様に、選手同士の接触プレーで腕や指に絡んで危険というのが理屈でした。しかし、その後、ヨルダンの選手たちが、ヒジャーブ着用を認めてほしいというネットやテレビを通じて運動を始め、その声を支持する人々が世界中に広がりました。FIFAは、この事態を重く見て2年間、ヒジャーブ着用を認め経過を見ました。その結果、危険性がないことを認め、ルール改正をしたということです。


「サッカーは、あらゆる人に開かれたものです。宗教、性別、肌の色で区別されるべきではありません。サッカーをするのは、人としての権利だという声に励まされて、私たちは活動を続けました。その権利を、私たちや次世代のものにするために。」

ヨルダンの元GKでキャプテンだった「リーマ ラムニエ」さんはこう言います。



ヨルダンの女子サッカー選手たちは、この決定により、カナダワールドカップ出場に向けて、モチベーションを高めています。もちろん、この5月に開催されるアジア予選にも出場します。

 アジア予選の組み合わせでは、日本と同じA組に入っています。実は、ヨルダン代表の選手は、先月中旬、吉備国際大学と練習試合を行っています。その試合結果は、なんと2-1で吉備国際大学に勝利しています。これって、相当実力があると見て良いのではないでしょうか。日本も、甘く見ていると、思わぬ結果を招くことになるかもしれませんね。あやちゃんのいうように、どんな試合でも、全力プレーで臨んでもらいたいものです。

 ちなみに、ヨルダンがメキメキと力のをつけてきたのには、理由があります。それは、日本人監督を招いて、強化に取り組んでいるからです。監督の名前は、沖山雅彦さんという方です。Lリーグのコーチや国体チームの監督して20年近いキャリアを持った方だそうです。