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ネットのすみっこで愛を叫ぶメガネ

己の愛あふるるままに書きなぐるブログである。

#深夜のミュージカル真剣創作60分一本勝負 お題「寒」

作・小西ショウスケ

登場人物
師範 弟子1 弟子2 弟子3 女将


照明点灯

舞台はとある豪雪地帯の雪山
青く晴れ渡る空と、太陽の光を反射してキラキラと輝く雪が美しい

師範と弟子達が連なって登場
先頭は師範であり、歌を歌いながら降り積もった雪に道を作る様にして歩いている
師範と弟子達は、それぞれ冬山登山の様な格好をしており、それぞれの体をロープで繋ぎ合ってはぐれないようにしている
師範の装備は弟子達と比べると随分軽い感じであるが、一番元気よく歩いている
弟子達は(たとえ上演されるのが真夏であったとしても)あからさまに寒そうであり、それなりに疲弊している

#1 進め我らよ!

師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ オウ…
師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ オウ…

師範:進め!我らよ! 早乙女恋愛道場よ!
己を鍛え 磨き上げ 内なる男が目を覚ます!
群がって来いよ女なら ちぎっては投げ ちぎっては投げ
いずれ築かん 夢のハーレム
そう 進め! 我らよ! 早乙女恋愛道場よ!

師範:遅れてるぞ、お前達ぃ~!
弟子達:お、押忍…。

師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ オウ…
師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハイ!
弟子達;ズンズンズイズイ ズズンズ―


弟子1:やってられるかぁ!
弟子3:…急に止まるなよ。
師範:どうした?
弟子1:何が早乙女恋愛道場だよ!何で野郎だけで雪山登山しなきゃならないんだよ!おかしいだろコレ!
師範:言いたいことはそれだけか?
弟子1:や、それだけかって…?だから―
師範:ツベコベ言わず付いてこい。モテたいならな…
弟子1:だから登山とモテに何の関係があるのかって聞いてるんだよ!女、いないじゃん!
師範:(ため息)
弟子2:あの、自分もソレ、気になります。ですよね?
弟子3:まあ確かに。
弟子1:だろ?そうだろ?早乙女サン、こっちだって高い金払―
師範:師範。
弟子1:は?
師範:早乙女、師範。
弟子1:―はいはい、早乙女師範殿。一体どんな理由があってさぁ、こんな登山しなきゃならん訳?説明してくれなきゃさ、もう登る気力もでねぇよ。
師範:フッ。粋がりおって、童貞めが。
弟子1:っど…童貞だよ!ああ童貞だよ。童貞。お前らどうなんだよ?
弟子2:…まあその、ね。
弟子3:こんな所に来てる訳だし?
弟子1:よし、よぉし。全員童貞だ!仲間だ!悪いか師範殿よぉ!
師範:…(天候を読んでいる)ふむ。まだ大丈夫そうだな。
弟子1:はあ?
師範:時に童貞共よ、寒いか?
弟子2:はい。
弟子1:寒いに決まってるだろ!雪山だぞ雪山!
師範:では、寒さとは何だ?
弟子1:何だ?…って。
弟子2:気温の低さ、ですか?
師範:そうとも言える。…他には?
弟子達:…。
師範:寒くなったら、どうしたい?
弟子3:コタツに入ってネット三昧ですかねぇ。
弟子1:あぁ、いいねぇ。
師範:活!
弟子3:はいぃ?
師範:だから貴様らは童貞なのだ。寒かったら温もりを求めてみろ!人恋しくなってみろ!女の肢体にその冷え切った体を埋もれさせたいとか思わんのか!右手の中指に温もりを感じたいとか思わんのか!
弟子3:いやそりゃそう思いますけど、実際はだって…
弟子1:なぁ?なんつーか、露骨過ぎて恥ずかしいっつーか。
師範:それよ、その羞恥心こそが、貴様らを童貞たらしめている最大の理由よ。
弟子2:―だからこその、この過酷な雪山登山である、と?
師範:さもありなん。まずは貴様らの凝り固まったその羞恥心、それを上回る程の人恋しさを与える事が目的よ。
弟子1:そ、そうだったのか。
師範:勢いでも何でも宜しい。一度童貞の壁を越えさえすれば、自信も付くだろう。我々がモテの花道を歩む為には、まずソレが第一歩なのだ。
弟子2:自信…確かにそうかも。
師範:今一度問う。寒いか?
弟子達:寒いです!
師範:人恋しいか?
弟子達:人恋しいです!
師範:宜しい!我々の目的地は、この先にある最近出来た温泉宿である!
弟子1:え、まさか温泉に入るのが目的?
師範:早とちりするでない。耳をかっぽじってよく聞け。
弟子達:…
師範:…シースルーコンパニオン。
弟子1:シースルーコンパニオン…!
弟子3:つつつ、つまり、シーがスルーしちゃってるコンパニオンが…?
師範:いる!
弟子達:…!
師範:ワシの所に先週招待状が来てな。それでこの修行を思い付いたのだ。
弟子1:なんてこった、こんな山奥にそんな楽園が…?
弟子2:こ、これ、現実ですよね?寒さで頭がヤられてるとか、夢オチとかじゃなく…
弟子3:イテテテテ。…夢じゃ無い。
弟子2:信じられない…
師範:現実だ。シースルーコンパニオン!それが我々の目的地よ。
弟子達:シースルーコンパニオン!
師範:さあ、これ以上の説明は不要!その冷え切った体を!人肌に飢えきった体を!シーがスルーしちゃってるチャンネー達に解きほぐしてもらおうぞォ!
弟子達:おおー!
師範:そして、そしてモテへの第一歩を歩むのだ!
弟子:おお~!
師範:では、天候が変わる前に出発!

#2 進め!我らよ!(弟子覚醒ver)

依然弟子達は寒がっているが、その目と声には明らかに情熱が込められている
舞台上を練り歩きまくり、高らかに歌い上げる師範と弟子

師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハァイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ ヘェイ!
師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハァイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ ヘェイ!

全員:進め!我らよ! 早乙女恋愛道場よ!

弟子達:進め!ズンズンズイズイ!
師範:捨てるのだ 羞恥心など
弟子達:進め!ズンズンズイズイ!
師範:この寒さ糧にして 一皮むけた男を目指せ
弟子達:進め!ズンズンズイズイ!
師範:ソレこそが モテへの第一歩

師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハァイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ ヘェイ!
師範:ズンズンズイズイ ズズンズイ ハァイ!
弟子達:ズンズンズイズイ ズズンズイ ヘェイ!

全員:待ってろよ シースルーコンパニオン~!


女将登場
女将は師範達と比べるとビックリするほどの薄着であり、どこか浮き世離れした感じを漂わせている美人さんだ

師範:…着いた。
女将:ようこそいらっしゃいました。ご予約の早乙女様御一行ですね。
師範:はい!で、あの…
女将:ええ、こちらの招待状にあるプランの方、準備出来ております。
弟子達:ウォオオオオオオ!
師範:とりあえずワシは料金精算しなけりゃならん、先にはいっとれ。
弟子1:ハイ!
弟子達:シースルー!シースルー!シースルー…

弟子達、嬉しそうにハケてゆく

師範:…で、(お金のジェスチャー)コレは?
女将:はいはい。(師範にお金を払う)…つくづく貴方も悪い人ね。
師範:早乙女恋愛道場だなんて、あからさまに胡散臭い所に申し込む位童貞こじらせちまってるヤツらの方が悪いだろ。
女将:ノーコメント…
師範:マ、最初の相手が絶品の雪女達なんだ、悪い経験じゃなかろうよ。
女将:最後でもあるんだけどねぇ…。はぁーあ、ナムアミダブツナムアミダブツ…。

遠くから弟子達の悲鳴が微かに聞こえる

SE風の音

溶暗