・関節可動域、筋力、協調動作(モーターコントロール、バランス、運動学習・・)

 

・膝関節伸展制限のMediation分析。SF36増加には→膝伸展可動域改善→伸展筋力増加→点数up。まずは可動域をよくすることが先決か。

 

・PS型の方が、屈曲ギャップが大きいため、曲がりやすい 2011村津

・外側の屈曲ギャップが大きい=外側支持機構が緩いと曲がりやすい。小林2010

 

 

・Midvastusは伸展機構への侵襲が少ない。Medialは関節内を広く展開(高度の拘縮、再置換)膝蓋骨の血行を阻害、他のアプローチが推奨。Subvastusは伸展機構を温存、内側からの血行を温存

 

・術後の疼痛と組織修復。

 

組織・神経損傷→知覚神経の興奮→脊髄内異常反復性興奮→交感神経(→血管収縮)・運動神経(→筋緊張亢進)の興奮→組織の循環障害と酸素欠乏。

 

・化学物質による疼痛は無力だが、機械的刺激は適応あり。

 

・皮膚の修復に必要な期間:最も受容器が多い。瘢痕形成が変化する。表皮は7~10に位でくっつくとされる。皮下組織との癒着が始まる。4日くらいで真皮がくっつくとされる。5日で上皮が創面を覆う、6日で膠原繊維は急激に生成。創部を組織化し、拡張力が増大。

運動に伴い伸張・可動する組織、関節周辺での皮膚の伸張特性の理解が必要。

 

・筋の修復の必要な期間。筋損傷→1,2D:筋芽細胞→5,6D:筋管細胞の出現、再生中の筋線維→2週間くらいで癒着が開始。筋原線維の集積(形態的には正常筋)→6~8W筋修復(筋間には膠原繊維が存在)

 

・術後拘縮浮腫について。炎症に付随する必須の反応。局所安静を保とうとする生体の合理的反応か。

 

関節内圧の上昇に伴う疼痛閾値の低下→無駄な疼痛の惹起

関節内の水腫は筋活動を抑制 →内側広筋の筋活動は抑制

軟部組織の線維化→フィブリン成分の沈着による伸張性の低下

→長期にわたる腫脹の残存→組織液の貯留と結合組織の増生→可動域制限の要因

 

◇浮腫管理

・挙上、弾性ストッキング、弾力包帯しよう。パテラのところにガーゼあてたり。毛細血管内圧の10~15mmHgより高い圧力20mmHg程度の圧力を加えることで浮腫除去が可能。液体は圧の高い方から、低い方へ移動する。事前にやってもらったり。

 

・圧迫→透過性亢進による血管外浮遊物を最小限。自動介助運動→真皮の毛細リンパ管と細静脈への間質液の流入を促す。

 

◇アイシング

・術後2週間のアイシングは疼痛緩和に有効か  15分程度くらい、冷やしすぎないように

・出血・浮腫による組織内圧の上昇。手術侵襲による機械的な自由神経終末刺激、出血による循環障害、二次性組織損傷

 

 

◇ROMの改善について

・影響する因子として、、術前可動域、変形の程度、膝蓋骨の位置・厚さ・傾き、後療法、手術手技、人工関節のデザイン、疼痛コントロール、大腿骨・脛骨コンポーネントの設置位置(前後傾・回旋)、PCL温存の有無、伸展機構の硬さ、屈曲・伸展ギャップ、内外側バランス、解離処置、肥満、Joint lineの変化、Posterior condylar offsetの変化。。

 

・必要な膝関節可動域。歩行70°くらい、階段80~90°、正座140、立ち上がり100°必要とされるが、、、

 

・疼痛のない安定した歩行には128~132°屈曲必要。安定した階段昇降には133~150°程度必要。→少なくとも130°屈曲する必要がある。(少なくとも術前の可動域を目指して)

 

・可動域としては130°くらい曲がる余裕がないと、きれいに歩行、階段昇降できないという考え。

 

・Up hill theory。軟部組織の距離と関節の距離  →軟部組織の柔軟性が必要

 

・TKAは曲がりにくい。曲率半径が大きくなる可能性がある。→軟部組織が伸張されたり、滑りやすさが変わったり。

 

・伸展機構の伸張距離。屈曲120°を獲得するためには145mmの長さが必要。曲率半径が大きくなればさらに伸張性が要求される。

 

・MIS-TKA(屈曲角度達成時期が早い、屈曲角度が良好)の術後

皮切が小さい、VMへの侵襲が小さい、膝蓋骨の翻転がない。膝蓋上包が温存、膝蓋脂肪体はどちらも切除。

皮膚・創部の柔軟性、膝関節伸展機構の機能改善、膝蓋靭帯、Quad(特にVM)、supra patella pouch

 

・再置換Revisionのポイント。

→①膝蓋上包、②内外側谷(膝蓋支帯部)、③膝蓋靭帯、④大腿四頭筋、⑤外側膝蓋大腿靭帯、⑥外側膝蓋脛骨靭帯が癒着している人が多い。

 

◇屈曲拘縮の改善(伸展制限)

・PS型TKAにおいて斜膝窩靭帯、後方関節包を切除した症例では、過伸展を呈する。

→伸展制限膝においては後方支持組織の伸張が重要。

 

・膝後方関節包靭帯と半膜様筋の解剖学的特徴。半膜様筋が後方関節包靭帯を牽引している。半膜様筋が後方関節包靭帯を介して内側半月板を後方へ引き出す作用を有する。

→半膜様筋の柔軟性が必要

 

屈曲可動域の改善→伸展機構の機能改善

伸展可動域の改善→後方支持組織の伸張性獲得

 

①術後炎症過程の早期沈静化②皮膚、膝関節伸展機構の機能改善、③癒着予防、④膝関節後方支持組織の伸張性獲得 ⑤膝外側組織の柔軟性改善 ⑥術後3週間がゴールデンタイム

 

 

◇可動域拡大の方法

・高強度の他動可動域訓練は不必要。苦痛を強いらない愛護的な可動域訓練が有用

・自動介助練習の方が、他動練習よりも膝関節可動性の改善が得られる。

・自動運動主体の理学療法が膝関節可動域改善に有効

 

※長坐位での自動運動主体の運動療法→術後8週時点での平均屈曲角>他動だったという報告

 

・アイシングによる炎症の沈静化と内圧の軽減。弾力包帯による浮腫除去をまずやって

 

・active assistiveによる膝伸展。長坐位で。自分で大腿を押し込む感じで。Ⅰb抑制使って

 

・長坐位で足関節底背屈運動。大腿四頭筋、ハムストリングスの収縮も生じる

 

・股関節の内外転Ex。外転時は内旋、内転時は外旋させて。大腿筋膜張筋、大内転筋の収縮を。VMにつながる

 

・筋緊張落ちてきたら、背臥位でヒールスライド。ゴムチューブ使ったり。相反抑制による筋のリラクセーション。曲げるときにハムストリングス収縮、大腿四頭筋の緩和。

 

・自動介助での大腿筋膜ストレッチング。長坐位で反対の大腿に患側を引っ掛けて、膝を胸に近づける。

→active assistiveでの膝関節屈伸。長坐位で自分で膝曲げていき、伸ばしていく。

 

 

・術後屈曲角不良例は、、仙骨支持長坐位か?→股関節の可動性が影響しているか。

 

・TKA術後の疼痛→大腿前外側、膝窩外側、膝関節外側下部の痛みもある→

 

・TKA術後膝屈曲角と術前股関節外旋可動域に正の相関関係の報告。

 

・膝OAでは股関節内旋が制限。膝屈曲拘縮、内反変形、FTA、Thrust。

→二関節筋を主体とした軟部組織の緊張が影響か。

 

・膝OAGrade4では、大腿骨の外旋量が脛骨外旋量を超える。相対的に下腿内旋→内転モーメントの増大。大腿骨が外旋(脛骨外旋量の減少)→内転モーメント↑

→内反変形しているものをまっすぐにすると、、回旋は元に戻されて靭帯支持は硬くなる(Joint gapは狭くなる)

 

 

・術前膝屈曲角135°以上で、術前股関節回旋可動域が概ね60°以上ある小例は術後膝屈曲角は良好に改善する可能性がある。→術後予測へ

 

・外側広筋と腸脛靭帯。股関節伸展・内転では大腿筋膜張筋が緊張する肢位、腸脛靭帯の緊張が増している状態。

TKA術後 下腿内旋矯正、大腿は伸展・内転・内旋する→股関節伸展・内転・内旋

 

・膝外側支持組織と膝屈曲角。

 

・腸脛靭帯の緊張は、VLに対する圧迫刺激を増大させ、筋内圧上昇に伴う疼痛の惹起や筋伸張性の低下を招く。IM(筋間)でのVIとVLの滑走性

 

・VLとVIの間には腱膜構造のものがある。VIでなくTVI(筋膜構造)、。VIが最深層、TVIが中間層の深部を形成、VLが中間層の表層部を構成していた。

起始部は大転子と転子間稜の間、小殿筋の停止部にも広がっている。膝蓋骨底内側に停止。

 

・膝蓋骨のTilting angle。屈曲可動域不良群では、Tilting angleが拡大。外側に開いている状態。屈曲可動域不良群では外側裂隙拡大という報告。不良群では膝蓋骨は外側へ傾斜→膝外側組織の緊張高い。

→術後1か月で拡大していく

 

 

◇徒手療法

・人工関節の関節面に対応した動きしかできない。=内外旋をさせながらでは曲がらない

=内外旋は軟部組織の伸張や滑走を促すときのみ。膝蓋支帯を伸張させたいときなど

 

・内旋しながら屈曲しても曲がらない。前方引き出し操作をしても、曲がらない。

 

・術創部の癒着予防→膝蓋上嚢の癒着予防(痛くないよう)→VM、VIの間のGliding→腸脛靭帯のGliding→大腿四頭筋の反復収縮→膝蓋支帯のストレッチング 遠位方向に→VL、VMのリラクセーション Ⅰb抑制など→膝蓋支帯のストレッチング→脛骨のロールバック操作

 

・組織の癒着予防が必要。特に膝蓋上嚢。膝関節外側の軟部組織の柔軟性と滑走性を改善。人工膝関節はコンポーネントの形状にしか動かない。