~LCS 脊柱管狭窄症~  保存療法

 

・神経根症状は圧力下がれば減る。神経が長い間圧迫されている状態が続く。オペ後も痺れが続くことは多い。変性した神経は治せない。自然治癒しかない。オペはあくまでも圧を減らすだけ。神経を直接回復させているわけではない。痺れをとるのはまた別の話。

 

・軟部組織から発生する腰痛:ほぼ腰背部。馬尾障害は下肢~腰部へ痛み。

 

・LCSの原因として、発育性、変性。脊柱管が元々狭い人もいたりする。

 

・腰部脊柱管の中心部、外側部。どこで狭窄か。

 

・前後径14mmを下回れば100%発症。19mm以上あれば発症しない。間ではグレーゾーン。発症することもある。14~19の人はリハビリで変わる可能性

 

・前屈すると圧は軽減する。間欠性跛行。歩行止めると硬膜圧下がる。前屈歩行や自転車駆動時の圧は通常歩行より低い。馬尾障害、歩いていると足が痺れてきてしまう。血管性の場合は、形態変えても変わらない症状。

 

・LCS生じやすいのは下位腰椎。伸展しやすい場所でもある。下位腰椎での過度な伸展がつづき発症に。無理に起こすと増悪する可能性がある。前かがみしているからまっすぐじゃなく、、可動性を確保してから検討

 

・下位腰椎反っていて、頭部は前方偏位、骨盤が前方にスウェイしている。胸椎後弯強いといった特徴。椎間板圧高い状態。肩甲帯の硬さ。腰を反るとより増悪。足関節底屈拘縮していると、骨盤前傾しやすくなる。

腰椎前弯を作っている原因は何か?

→腰反らなくても立位、歩行ができるように。

 

・臥位でPLFテスト。側臥位で下肢曲げて大腿が腹部に接地するか。腰椎後弯得られているか?腰椎伸展拘縮していることが。股関節屈筋群硬いと、股関節伸展したときに、腰が反ってしまう。TFLや内転筋群など

 

・胸椎後弯は股関節90°屈曲側臥位。腰椎の動きでないように固定して、胸椎レベルで回旋。肩峰―床面距離の増大。前胸部の硬さもあとる必要がある。

 

・膝伸展位で足関節の背屈可動域は10°はほしい。股関節外旋可能か?(内旋拘縮していないか)。拘縮していると立位で骨盤前傾強まる。

 

・対側の股関節屈曲で反対側の股関節浮いてきたらThomasテスト陽性。伸展可動域があれば浮いてこない。腸腰筋の硬さ

 

・内転は対側を外転位にしておく。外転位にして内転筋はってくる、浮いてくると固い。長内転筋、恥骨筋固いと腰浮いてくる。

 

・対側内転ロックして、内転したときに腰浮いてきたら外転筋の硬さ疑う。側臥位で、OberテストでTFLみたり。股関節屈曲90°、膝関節90°の状態だけで腰が反ってきたり、内転したら腰それてきたらTFLの硬さを疑う。

 

→腰の反りの要因は何か?前弯を減らしていく方向に。

 

◇症状

・痺れは血管由来。腰動脈が分岐して脊柱管内に入り込んでいる。動脈は静脈より圧が高いので多少の圧迫ではへこまない。静脈はへこみやすい。動脈が狭窄されることはあんまり起こらないとされる。硬膜圧よりも動脈圧は高かったり。

 

・脊髄円錐部での静脈系の特徴。後正中脊髄静脈など→大後根静脈など→硬膜⇔硬膜外静脈叢⇔腰静脈・椎間静脈 戻ってこれるか。静脈は圧に対して弱い。

 

・後屈すると馬尾圧迫。側臥位ではあまり圧迫されない。立位よりも臥位の方が安楽姿勢。立位で反る動きが最も増悪しやすい。

 

・馬尾・神経根の阻血(静脈系の循環障害・・)→間欠性跛行

 

・腰椎前弯の増強因子を排除。静的要因:股関節周囲筋の拘縮、関節包靭帯の拘縮、多裂筋の攣縮・拘縮、椎間関節の拘縮。動的要因:腹圧の減少・低下、股関節周囲筋活動の低下、マルアライメント(大腿内捻)、足関節・足部の硬さ

 

 

〇ストレッチング

◇腸腰筋

・大腿骨に対して125°の位置に骨頭。大転子の高さよりも遠位側に小転子。大腿動脈の拍動が触れるか。丸くてコロッとした場所。

 

・背臥位で対側屈曲位、股関節を最後まで筋収縮を促して、最後ストレッチング。最初に等尺性収縮加えて、そのあと最終域まで屈曲して、戻して、やや伸展位でストレッチング

→トーマステストで確認しながら。腰が反っていないか。

 

◇内転筋

・恥骨結節に向かって長内転筋が表面。少しへこみがあるところに恥骨筋。長内転筋、恥骨筋を伸張したときに腰が反る方を確認

 

・長内転筋は股関節外転位から60°屈曲・内転方向に。触診しておいて、等尺性収縮加えて、最終域まで動かし、最後伸張位で。恥骨筋も同様に触診しながら。腰の反りがないか?

 

◇TFL

・内転筋に続けて確認。背臥位、股関節伸展・内転位から、屈曲・外転方向に動かす。膝伸展・屈曲位で。等尺性→最終域→伸張。腰の反りがないか確認。

 

・側臥位でもOberテスト。陰性かどうか。

 

◇下位腰椎前弯に対するアプローチ

・PLFテストでどの程度後弯できないか。股関節45°屈曲位から屈曲させたとき腰椎前後弯どうか?

 

・側臥位で下位腰椎は股関節屈曲90°させて。ヤコビー線を確認。L4,5、仙骨を確認。

 

・まずL4でやや骨盤後傾させつつ、遠位に向かって牽引加える。多裂筋が伸びてくる。そこから等尺性収縮(軽めに)してから最終域まで戻していく。

 

・つぎにL5、Sを実施。L5固定して仙骨を牽引かけて、戻す。→PLF陰性化するか?

 

・ある程度後弯でてきたら胸椎レベルを実施。胸椎伸展・回旋で前胸部伸張させた状態から戻す方向に等尺性収縮して、最終域まで小胸筋・前鋸筋収縮へ。Th3,4,5棘突起もちつつ。Th棘突起引っ掛けて

→前胸部がほぐれてくると、捻じれが解消し胸椎伸展が得られやすくなる。

→腰椎伸展負荷を減らせる。

 

・胸郭は伸展可動域を増やす。腰椎は屈曲可動域を増やすことが必要。

 

・下位腰椎45°屈曲位で、胸椎伸展・回旋可動域確保。高齢者は全て陰性化は難しいが、方向性は同じように。

 

◇殿筋群

・股関節内旋拘縮すると、骨盤前傾しやすい。小・中殿筋にアプローチ。

 

・背臥位で股関節外旋位から内旋方向に等尺性収縮して最終域まで内旋→伸張位に。

 

・骨盤止めて股関節内旋可動域が作れるか?内旋位から外旋方向に等尺性収縮→最終域まで外旋→内旋位に戻る。背臥位での股関節内外旋。。

 

・大殿筋の硬さもみる。股関節外旋位にして股関節屈曲・内転方向に伸張ストレス。そこから等尺性収縮加えて、外旋位に戻したり。股関節周囲の柔軟性をつくっていく

 

◇足関節周囲

・腓腹筋、半膜様筋、大腿二頭筋の筋膜間に手を入れて。背屈位から等尺性収縮を底屈方向に加えて、また伸張。滑走性をよくしていく。背屈可動域をつくっていく。

 

・膝伸展位での足関節背屈をつくっていく。

 

 

 

 

 

◇腹部のエクササイズ

・背臥位、両股関節屈曲で骨盤後傾・腰椎後弯してくる。そのまま少し捻じると腰が反ってくる。→解消していく。下位腰椎の前弯拘縮を軽くストレッチング

・腹横筋の収縮促す。膝立て位で、尾てい骨を持ち上げる動き。骨盤後傾してお腹へこます(ドローイン)させる。ヤコビー線のライン、腸骨側で収縮する。下位腰椎の前弯の抑止になる。

→反復してできるように。上げた状態でへこます。

・座位でも腹横筋使えるように。尾てい骨を上げるように骨盤後傾、ドローインしながら。腰椎前弯カーブがないことを確認しつつ。

→その状態で体幹回旋してみる。腰の前弯の確認。

・立位へ。立位で同じようにドローイン、骨盤後傾。胸郭は曲げないようにして前弯しないか。その姿勢の維持ができるか。普段から定着できるように。お尻を締めるようにする。

・ステップ動作。股関節伸展したら腰椎前弯どうなるか確認。伸展位のまま骨盤後傾、ドローインしてお尻締めて。胸椎も曲がらずに。一歩が大きいほど歩幅も向上。LCSの人は小股になりやすい。

 

・前屈動作は股関節から折りたたむように。伸展するときは、膝を曲げて腰椎は反らずに、股関節・膝関節で起こしていく。立位での振り返りも同様に

 

・腰椎前弯のない状態での動作を獲得していく。静から動へ。日常生活に適応

 

 

◇Posterior lumbar flexibility test PLFテスト

・側臥位、股関節屈曲45°から大腿前面がお腹にくっつくかどうか。腰椎の後弯角度をみている

 

・腹部に接地したら陰性、接地しなかったら、股関節屈曲角度を明記  真の屈曲は90°くらい(残りは骨盤・腰椎の動き)

 

 

・廃用に関しては自主トレーニングをしてもらったり。スクワットなど

 

・それに加えてLCSに対するアプローチを。

 

 

◇脊柱管腔が狭小化する要因

・脊椎症、変性すべり症、分離すべり症、黄色靭帯硬化症など、、解剖学的要因 →改善は難しい

 

・安静時から症状が強い場合は、なかなかリハビリ効果は得られづらい。

 

・腰椎過前弯拘縮、腰仙部過伸展拘縮、、、機能学的要因  → 適応はあり

 

 

◇間欠性跛行の発生

・下位腰椎過前弯、腰仙椎過伸展→歩行→脊柱管内圧上昇→内椎骨静脈叢閉塞→硬膜内静脈うっ滞→根内浮腫→間欠性跛行

 

・腰の反りを減らして、全身的な筋力をつけていく、という部分には介入できる。

 

・栄養、服薬なども考慮しつつ

 

 

◇安静時(夜間)痛

・神経根障害の範囲が拡大していることが要因

・後根神経節が圧迫され頭側に偏位すると発現

 

◇馬尾・神経根障害

・脊柱管腔の著明な狭小化。軽度な椎間板の膨隆でさえ神経根は頭側に偏位しやすい。椎間孔の問題。逃げ場がない状態

 

・馬尾は脊柱管の問題。神経根は椎間板膨隆部と椎弓根間で絞扼され症状を呈しやすくなる。

 

・頭部前方位ほど椎間板圧高まるので耳垂肩峰ラインがいい。股関節の柔軟性も必要。

 

 

◇運動療法による改善

・腸腰筋、TFLの伸張性獲得→下位腰椎過前弯、腰仙部過伸展の緩和

・L4/5、L5/S1椎間関節の拘縮除去→腰椎後弯方向への可動性

→脊柱管腔の機能的な狭小化の軽快により硬膜圧変動を減少、一連の循環障害軽減

→馬尾性間欠跛行の軽減

 

・椎間板膨隆部による神経根の頭側偏位の寛解、椎間板膨隆部と椎弓根観のスペース拡大。→後根神経節の刺激軽減→夜間痛など安静時痛の軽減

 

 

 

◇腰背筋のマッサージ

・腹臥位にして母指球で押圧。狭いところは母指でも。体格大きい人は肘をつかったり。際や棘突起付近などは指使ったり

 

◇ストレッチ

・多裂筋、脊柱筋のストレッチ。L2,3あたり

側臥位で体幹回旋させて3秒×数セット。一側で上体固定、もう一側で骨盤を抱えるように腰椎を手前に回旋。1,2秒ストレッチ→緩めるを繰り返し  骨盤を手前に引き寄せるように

 

・下肢のストレッチ。骨盤後傾でのストレッチ

 

・股関節屈筋群。側臥位で実施。TFLは骨盤側屈しないように、上側の下肢を内転方向に。腸腰筋は膝関節伸展位で伸展方向に。下側の足は屈曲してもらう。大腿直筋は膝関節屈曲させて後ろに伸ばしていく。

 

・立位でのセルフストレッチ。ステップして踏み込むやりかた。腰椎の前弯は出したくないので、ステップして踏み込んだら骨盤を後傾させるイメージで。深く踏み込むと反りやすいので注意。

 

◇腹筋群の強化 ブレーシング

・お腹を軽く膨らませるように息を吸う。7,8割くらい

・その状態から締めるように腹筋を収縮させる。腹壁を固めたまま呼吸。

・そのまま会話や呼吸、歩行できるか。抜けないように。お腹を殴られる前みたいな感じで

・常に意識できるように。

 

◇Anterior stabirity

・腹筋群、腸腰筋Ex。壁に向かってプランクポジション。腰椎前弯しないようにやや斜めでもいい。

→腰椎伸展方向に抵抗してもらう。腰椎部を後ろから押すような感じ。骨盤の部分を押して抵抗してもらうと、股関節屈筋群。

 

・大腰筋の強化。片手で壁などに手をついて、反対側の足を前後に振る。ブレーシング行いながら腰椎前弯しないように。可能な限り大きく強く振る。立脚側の大腰筋を鍛えられる。

 

・立位でバランスボールを下に向かって押さえつける感じで腹部に力いれてもらう。そのまま足踏み、屈曲運動。前弯しないように歩くような練習。

 

◇腰椎屈曲モビライゼーション

・自分の体で患者の下肢をコントロールできる位置で

・わきの下に手を入れて棘突起把持、固定

・反対の前腕使って仙骨にひっかけてコントロール。自分の体つかって牽引、離開促す。

・徐々に下におろしつつ

 

◇座位でのモビライゼーション 腰椎屈曲

・母指を使って棘突起にあてて、前屈してもらう。合わせて離開させるように、力は抜かずに。4,5回続けたり。深めに座ってもらい