・合併疾患としてみる機会増加傾向、1000万人~

 

・症状乏しく、自覚しない人が多く、長期間放置されることがある。

 

・口喝、多飲、多尿、体重減少、易疲労感、、、血糖値が著しく高くなる、代謝疾患

 

・神経障害、網膜症、腎症といった合併症。高血糖が長く続き細小血管症が出現。

 

・動脈硬化を促進し、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患PADなどの大血管症の原因に

 

・身体的特徴は、上記合併症に基づき全身性である。

 

1.DMはインスリン作用不足に基づく慢性高血糖状態を主徴とする代謝疾患群である

2.病態にはインスリン分泌不全、インスリン作用の障害(インスリン抵抗性)がある

3.遺伝因子と環境因子がある

 

・インスリンの作用。膵臓β細胞から分泌→標的臓器

 

・インスリン分泌されない、少量しか分泌されないと。食事摂取→血管内グルコース濃度上昇→十分に糖取り込み出来ない→高血糖

 

・インスリン抵抗性はインスリン分泌は良好。標的臓器で糖取り込みがされないため、高血糖に

 

 

・2型の方が遺伝的要因関与している。インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体→家族にDMの人がいる場合は、、Ⅱ型の可能性。

 

 

 

◇1型糖尿病

・膵臓β細胞の破壊によって発症。インスリンの絶対的な欠乏。自己免疫性、特発性に帯部t。やせ型で若年者に多い。ケトーシス・ケトアシドーシスに陥りやすい。→インスリン依存、注射必要になる。

 

 

◇2型糖尿病

・インスリン分泌低下を主体、インスリン抵抗性が主体の場合。インスリンの相対的不足を伴う

 

・膵臓B細胞はある程度保たれているが、生存のためにインスリンが必要となることは比較的少ない。糖尿病の約90%を占める。

 

・遺伝的要因に、加齢、過食、運動不足、肥満などの環境因子。家族歴を認めることが多い。過去の肥満歴も。

 

・ひとたび高血糖が生じると、ブドウ糖毒性による悪循環となり、2型糖尿病が進行する

 

 

◇診断基準

1.空腹時血糖  10時間以上絶食させた後の血糖、夕食後絶食にして、朝食前に測定

2.随時血糖   任意の条件下で測定された血糖値。血液採取条件を併記

3.食後血糖   時間を併記する。

 

 

・HbA1c。赤血球中のHbにブドウ糖が非酵素的に結合したもので、高血糖が持続するとその割合が増加する。赤血球の寿命が120日であることから、HbA1cは過去1~2か月の平均血糖値を反映する。DMの経過を評価するよい指標である。

 

 

型をみるので、糖尿病確定ではないが。

 

◇治療目標

 

・DMでない人と変わらないQOLを維持。HbA1cは7.0%未満を目指し、空腹時血糖130mg/dL未満、食後2時間血糖値180mg/dL未満をおおよその目安に

 

・患者の年齢や罹患期間、臓器障害、低血糖の危険性、社会的な状況などを考慮し、個別に設定

 

・BMI22-25を目標とし、個々に目標体重を設定する。BMIが25以上の肥満の人は当面は、現体重の3%減を目指す。

 

・糖尿病特有の合併症の発症、重症化で医療費が高騰する。腎症→透析など。重症化の予防が必要

 

 

 

 

〇運動療法

・理学療法によるDM合併症の重症化予防、療養指導によるDM患者教育

 

・運動療法の効果。急性(インスリン非依存性の糖輸送↑)、慢性効果(インスリン感受性亢進、依存性の糖輸送↑)。

 

・急性効果。インスリンの作用なしで、細胞内に糖を取り込むことができる。血糖値を低下させるために、多量のインスリン分泌する必要がないので膵臓を休めることができる。食後に行うことで血糖の上昇を抑えられるので、合併症の予防につながる。

 

・慢性効果。インスリン感受性の亢進→少量のインスリンでより血糖を下げることができる。少しのインスリン分泌でより血糖を低下させられる体になる。インスリンの効き目がよくなれば、使用しているインスリン、経口薬の量が減る可能性も

 

 

◇ガイドライン2019

・2型DM患者に対する有酸素運動やレジスタンス運動、は血糖コントロールや心血管疾患のリスクファクターに。

 

・ともに単独で血糖コントロールに有効であり、併用によりさらに効果が高まる(推奨グレードA)

 

・生活背景に合わせて運動指導。

 

・有酸素運動。負荷量は中強度で。ウォーキング、サイクリング(会話しながら可能)。ややきつい、最大酸素摂取量の40~60%くらい。週3回以上で2日間連続した休みをとらない。持続時間は1回あたり30分以上。実施時間は食後(30~1時間くらい、低血糖を起こす可能性がある場合)

→最終目標として、少しずつやれるように

 

・レジスタンス運動。上下肢の筋肉を含んだ8~10種類の運動。10~15回繰り返すことができる程度の負荷を1セット行う程度から開始。連続しない日程で週2~3日。負荷を徐々に増加し8~12回繰り返す負荷で1~3セットを目標。

 

→運動になれていない対象者は調節して、上記が最終目標となるように。

 

 

※アメリカのDMガイドライン2019

・小児、青年1型、2型もしくは境界型DM患者は、1日あたり60分、もしくはそれ以上で運動強度が中等度から高強度の有酸素運動を行う。高強度の筋力および骨を強化する運動を少なくとも週3回行うべき。

 

・成人1型DMおよび2型DMは1週間あたり150分以上の中等度から高強度の有酸素運動を1週間あたり3回程度実施し、連続した休みは2日以内とする。短期間(1週間当たり75分以下)の高強度、もしくはインターバルトレーニングは若年でより健康的な患者に対しては十分有用である。

 

・成人1型DM、2型DMは1週間あたり2,3セッションのレジスタンス運動を行うべきである。連続して実施する必要はない。

 

・すべての成人(特に2型DM患者)は、座位時間を短縮させるべきである。特に2型DMは血糖上昇のために長時間座っていることを30分ごとに中断すべきである。

 

・高齢DM患者において、柔軟運動やバランストレーニングを1週間あたり2から3回実施することを推奨する。柔軟性や筋力、バランス能力を向上させるために、個人に合わせてヨガや太極拳を行うことも考慮。

 

・足趾や足関節の可動域低下やバランス能力低下のある人が多い傾向にある。

 

 

◇運動指導 NEATを増加

・座りっぱなし時間を減らす→NEAT Non exercise activity thermogenesis運動以外の身体活動で消費されるエネルギーのこと。座位時間を減少させ、低強度の歩行に置き換えることで24時間の血糖コントロールに有益で、インスリン感受性を改善させる。肥満患者対象に20分ごとに2分間の歩行を実施した結果、連続した座位をとるよりも、食後血糖値やインスリン分泌低下を認めた。という報告

 

・一日一歩でも多く歩きましょう。歩けば歩いただけインスリンの効きがよくなりあす。一日の歩数を知っているか?→歩数計をつかう、歩数を管理。さらに歩数を増やすことはできるか?

 

・座っている時間を減らしましょう。一日の歩数を増やしましょう。運動強度が低いため運動苦手な人にも有効

・電車、バスを利用する場合は一駅手前で降りる。

・立って会議を行う。

・駐車場は可能な限り遠い場所を選択する

・掃除の頻度を増やす。

・買い物の頻度を増やす。

・犬を飼う。          など

 

・歩数計はいつまで装着するか?8000歩に達するまで継続する。もしくは疲労感と歩数が一致するまで継続する。8000歩を維持することで、健康寿命が延長することが報告されている。

 

・活動量をモニタリングすることで、疲労感と歩数が一致してくる。一致してきたら歩数計なしでも。歩数が少ないことで食事により注意を払うことが可能になる。いつもは10000歩くらいだが、今日は買い物行かないから8000歩くらいか。みたいに

 

 

 

◇DM患者へのリハビリテーション

・加齢による身体機能の変化に加えてDMの合併症など。フレイル、サルコペニア、ロコモ

 

・DMが運動器に影響を及ぼす。血糖値だけに着目せず、運動器にも着目。

 

・高齢者DM患者は筋力低下が進みやすい。加齢に伴い神経障害が筋力に与える影響は顕著に。高齢2型糖尿病では健常者と比較し転倒が多く、要因として血糖コントロールが関与。DM患者では足趾筋力が低下認め、神経障害の影響でさらに低下。DM患者はADL低下しやすい。。という報告。

 

◇ロコモティブシンドローム

 

・加齢に伴い神経障害が筋力に与える影響は顕著になる。

 

・特に筋力、バランス能力に着目し、強度、頻度を考慮する必要がある。神経障害の評価も。血糖コントロール不良だと運動機能も改善しない可能性もある。患者にDM治療の重要性や血糖コントロール是正の意義を伝える。

 

 

◇療養指導によるDM患者教育

・DM治療の根幹は患者教育。リハビリ職は長時間患者に関わるため、療養指導を行いやすい

 

・糖尿病網膜症に関して。早期発見・治療のために病気に応じた眼科医による定期的眼底検査が必須。進行を予防したい。受診頻度はどうか?いっているか確認。

 

・腎症に対して。eGFRの変化をみる。

・神経障害の診断基準

 

 

 

・痺れを感じていない人も中にはいる。

→裸足になったときに両足に何か張り付いた感じがあるか?

 

・バビンスキー型打腱器の仕様、C-128音叉

 

 

◇リスク管理

・低血糖が最も高頻度にみられる合併症。

 

・普段の血糖値がかなり高い人では、急激な血糖値の低下に伴い70mg/dLより高い値でも低血糖症状を示すことがある。

 

・普段低血糖気味の人や自律神経障害を合併している人では、血糖値が50mg/dLより低くても交感神経系の症状を欠き、突然重篤な中枢神経症状が発現することがある。これが無自覚性低血糖。

 

・一般に血糖値が30mg/dL以下になると痙攣発作、低血糖昏睡に至り、治療が遅れると死に至ることがある。

 

・摂取エネルギーに比較し消費エネルギーとインスリン作用が過剰になれば、低血糖になる。

 

 

・低血糖を起こしやすい状態。食事の不足、アルコールの多飲、運動の過剰、インスリンの過剰投与、SU薬、グリニド薬(膵臓にインスリン分泌を促す)の過量投与、インスリン抵抗性の改善、その他上記の組み合わせ。

 

 

 

◇低血糖への対応

・疑われるときは、可能な限り血糖自己測定(SMBG)を行い、血糖値との症状との関係を自ら確認し、速やかに対応。

 

・低血糖が確認できれば、直ちにブドウ糖10g(砂糖であれば20g)(α-GI薬の場合はブドウ糖)、またはそれに相当する糖質を含むもの(ジュースなど)を摂る。

 

・15分以内に症状の回復がなければ、同じ対応を繰り返す。

 

・低血糖を起こした際の対処方法は必ず、職場内で確認

 

・心臓の自律神経障害により、不整脈や心停止が生じやすく突然死の危険性がある。

 

・交感神経障害による末梢血管の収縮障害が生じると起立時に低血圧となる。

 

・胃無力症により胃内容の排泄が遅延すると、胃部膨満感、嘔吐をきたす。胃からの排出とインスリン作用とのタイミングが合わないことから、血糖コントロールが不良となる。下痢と便秘を繰り返すことも特徴的である。

 

・心電図R-R間隔変動係数(CVR-R)。正常安静時2.0%以上、深呼吸時4.0%以上。運動時の心拍応答低下も認めるため、自覚的運動強度を利用する。CVR低下を認める人が多い。

 

・起立性低血圧を認める場合は。。。対処療法として枕を高くして寝る。急激な体位変換をしない。弾性ストッキングの使用を指導する。利尿薬の過剰投与や過度の食塩制限、脱水、血管拡張薬などの誘因を除く。バンドで腹圧高めて対応したり。

 

 

・高齢DM患者は健常者の3倍転倒しやすい。

 

・転倒予防を考慮した介入。有酸素運動、レジスタンス運動、バランストレーニングを推奨

 

・DM患者は薄暗い環境でのバランスが最も悪い。という報告

 

・バランス能力に対する運動介入の効果。BBS、片脚立位など

 

※糖尿病治療ガイド2020-2021

 

 

 

 

DM合併している人はかなり多いので

インスリンに関しての知識も必要かもしれない。

まだ他にも評価は必要だったり