・問診とは患者との対話によって疾病の経過,現在の症状,その他,疾病に関することを聴取する評価法である.
・問診は患者の訴えをありのままにきき出すように,要領よく詳細に行う.
○問診の流れ
①挨拶・自己紹介
②本日の評価・説明
③主訴,ニーズ
④体調確認
⑤氏名
⑥診断名,現病歴,既往歴(入院前の状況)
⑦合併症(投薬状況),
⑧ADL(入院前後)
⑨社会的状況(家族,キーパーソン,介護,経済面など)
⑩職業について
⑪その他(家屋構造,人的環境)
・「どういうときに苦しいことが多いですか?」「日常生活で何か気がかりなことはありますか?」
○目的
・主訴やHopeを聴取するとともに,現病歴,既往歴など医学的情報の確認を行う.併せて,受傷前生活や生活歴,家族背景,生活環境などの情報を収集する.その情報取集の過程の中で,性格,覚醒度,知的レベル,認知症の有無および言語能力を推し測る.必要に応じて,対応した評価を追加施行する.
○問診について
・体調をきくとき,今の状態(座位など)はつらくないかを度々きくようにする.足がしっかり床についてるか.
・主訴きくとき,カルテの情報をふまえた上で,今困っていることをきいていく.
→項目を埋めていくのではなく,つながりつけて自然な流れできいていく.
・リスク管理について.車椅子のときは,ブレーキをしっかりかける.姿勢が安定しているか確認.患側に立つようにして支えられるように.
・その時点で,どんな状況で来たのか,第1印象はどうか,カルテ内容の確認も含めて進めていく.
・ゆっくり大きくしゃべる
・スポーツ歴をきく(高齢者以外),高齢者は職業についてきくようにする.
1.問診の意義とは
問診をすることによって,患者の疾患,人間性,状況について理解を深めることができ,信頼関係を築いていく機会が得られる.また,患者自身が疾患と向き合い,積極的に治療へ臨んでいくモチベーション維持にもつながる.
『病歴をとるということは,患者の訴えを「聞く」ことと,患者に「問う」ことの2つの方法から成り立っている.患者が順序よく,正確に述べるときには,その記述が,そのまま立派な病歴になることもある.しかし老人や神経質な患者ではあまり関係のないことを長々と述べたり,重要な症状であるのに,患者が気にしていないので訴えなかったり,逆に恥ずかしいなどの理由でわざと隠すこともありうる.したがって病歴を上手にとるには,まず患者の述べる異常を一応よく聞き,考えられる疾患の診断に重要と思われることが欠けているときには,これを問い,患者から引き出すことにより病歴を補足整理していくことである1).』
2.PTにおける問診の意義とは
患者に対する理学療法のプログラム(評価)や到達目標を決めていくうえで,まずは患者に関する情報が必要となってくる.実際に患者と接することで,患者の個性をとらえ,望んでいることをきき出すことによって,治療につなげることができる.
3.問診項目
①氏名,性,年齢,身長,体重,利き手
利き手を知ることで,言語障害の診断に役立つ.また,遺伝性の疾患や高血圧・動脈硬化など年齢と関係がある疾患も多いため確認する.
②主訴
・主訴とは,患者が最も苦痛に感じて訴える症状で,患者の言葉で一口に表現されたものをいう.例えば,腰が痛い,肩が動かない,手がしびれるなどの患者の最もよく訴える愁訴(自覚症状)である.
・記載するときはできるだけ簡単な言葉である腰痛,肩の運動制限,手のしびれ,などと書くと良い.
・主訴は1つのみのこともあるが,多くは2~3あるいはそれ以上のこともある.できるだけ5つ程度にまとめるのがよい.
・どこが悪いのか(悪化・改善しているのか),どうした時に悪い(痛むなど)か,いつからなのか(突発的なのか,確かな日時がわかるか,不明か,周期的か),どのような症状か,今までに同じような症状があったか,家族に同じような病気の人はいるか,思いあたる原因はあるのか,などといった情報を聞き出すことで,疾患の特徴をとらえ,患者の日常生活にどのような影響がでているのかを考えていく.
・患者の障害像についての情報となる.評価・治療を行う上での重要なヒントになる.主訴とは,患者が最も苦痛に感じたり困っていることが,明確に言葉となって表現されたものである.
③ニード
日常生活などで困っていることや,悩み・不安はないか,どの程度の状態を目指していきたいかを確認し,到達目標を考えていく.また,家族のニーズも把握していく.
ニードには機能障害レベルから,日常生活活動レベル,参加レベル,QOLに関するものまで多種多様にあり,そのレベルでの患者の必要としていることである.必ずしも一つだけとは限らない.本人ほか家族のニードも含めると多数存在するので,患者にとっての本当に重要なニードは何か見極めることは重要である.
④既往歴
・今までかかったことのある大きな病気や手術の経験はあるか,アレルギーの有無などについてきく.曖昧な場合は,家族から情報を収集したりする.既往の中には現疾患との関連性があるものや主訴になって現れるものがある.また,今後リスクとなることを明らかにする.
⑤現病歴
・現病歴とは,患者が訴えている症状がどのようにして始まり,どのような経過を経て現在に至っているかということである.
・受傷機転があったかを知る.
1)発病時期
・患者の疾病がいつ始まったか,その年月日を記載する.
2)発病様式
・突然か,急性(ピークが2,3日~1週間以内)か,亜急性(1~3週間)か,慢性(数か月~数年)かを分ける.
3)症状の内容
・痛みであれば,ずきん,うずく,ひりひり,ジーン,脈打つ,などといった愁訴の性質をきき出す.
4)症状の部位
・一定の部位に終止局在したり,他の部位に移動することがあるので,正しい部位を記録する.
5)症状の程度
・痛みであれば,軽度,中等度,強度などと区別する.
6)症状の持続時間
・発現する時間や持続時間を知る.発作の場合はその持続時間や発作と発作の間隔を聞く.また,どのような動作に出現
し,日常生活がどのように障害されているかを聞く.
・各種症状の経過や,随伴症状は無いかもみる.例えば,腰痛が主訴の場合に血尿を伴うときは尿路結石を疑うなど.
・他にかかっている病気はあるのか(どのような病気か),またどのような治療を受けているか,投薬状況(飲んでいる薬)はどうかなどを確認する.
・患者の症状,障害がどのように始まり,どのような経過で今日に至ったかを知るため,主訴の背景を知るために聴取する.
⑥ADLについて
どのような日常生活を送っているか(歩行,家事,外出,仕事,住居など),スポーツ歴・趣味等はあるか,飲酒,喫煙歴について,などを知ることでニーズにつなげていく.患者のライフスタイル,生活リズムを把握する.
⑦家族構成
・家族の協力を得られるかなどについても確認していく.家族に同じような病気の人がいるかどうかなどもきく.
・両親,祖父母,配偶者,子供,孫などの家族内の健康状態,死因,死亡時年齢,罹患疾患などの状況を知る.
⑧社会歴(職業等)
・どのような仕事をしているか,また,病気によって仕事にどのような支障が生じているか,交通手段はどうか,などを確認し,目標設定の参考にしていく.
・出生地,教育(学歴),嗜好(喫煙,飲酒など),趣味,1日の過ごし方などについて.
・職場環境により起こりやすい障害や,酷使されている関節などを知ることで,なぜそのような障害がおきたのか,あるいは今後,代償による二次的に起こる障害も予測可能となる.また,復帰するためにはどの程度の身体機能を獲得しなければならないのか,なども予測可能である.
⑨患者の様子はどうか
・話し方,動作・行動,意識レベル,理解度などで気になったところを確認する.
⑩社会環境
・家族,家屋,地域などの環境および経済状況を把握する.
○臨床推論
・問診→仮説→検査,テスト,評価の流れ.仮説を証明するために検査・測定をしていく.
①痛みの領域
・どの辺が痛いか,しびれるか→他に痛いところはあるか?→どんな検査をするかを決める.
・大腿骨頚部骨折でも,他の疾患の可能性も検討していく.しびれがあれば,神経学的所見(感覚検査,腱反射,MMT,整形テストのすべてが当てはまるか)もみる.
・なぜ検査をするのか?→問診の情報を確かめたい(左が動かないからROMなど).
②痛みの質
・どんな痛みですか?意義はいろいろあるが特に深さを知りたい.表層なのか深層なのか?どこが?
③痛みの強さ
・NRS,VASで量的な部分をみる.
・持続的か,間欠的か?どちらかで治療の方針が変わってくる.
・持続的なら炎症がともなう.発痛物質がとれるまで,RICE,投薬状況などみて,姿勢や生活への影響をみる.
・間欠的なら,どんな時悪化するか,どの時間帯で,どの程度,どんな時楽か?などをきき,原因を探る.
・最大疼痛NRS8/10で,最小疼痛NRS0/10→間欠的(メカニカルペインが多い.炎症混じることもあるが)
・最大疼痛NRS8/10で,最小疼痛NRS2/10→持続的(本当に0でないかを確認する)
・持続的疼痛は,炎症(ケミカルペイン)と物理的刺激(メカニカルペイン)の両方の要素がある.
・そのため,発症からの期間や触診などによってどちらかを検討する.それによって治療方針も変わる.
・メカニカルペインは構造的な問題(骨変形など)と,悪化姿勢・動作による物理的刺激が原因である.
・構造的な問題はPTは治療できない.悪化姿勢・動作を改善する.悪化姿勢の場合,寛解動作を自分で見つけられていない.なので常に悪化していく.
・最大疼痛時の動作や姿勢に問題があるとされるので,その動作分析を行う.最小疼痛時の寛解動作も知っておく.
④発症時期
・いつから痛いのか?急性期か回復期か慢性期かを知る.
・例えば「4月から痛い,~年前から痛い」と言われても,持続的か間欠的かすぐに判断できない.ずっと痛いのか,1回治ったりしたのか?を思い出してもらう.基本的には,同じ症状が出たり消えたりしていたら,直近を発症扱いして,それまでの症状は経過として扱う.他に転倒歴も同じように聞ける.(何時ごろ?どこで?薬は?・・・)
問診っていうとなんか改まってしまうけど、リハビリするときはいきなりハイじゃあ寝てくださいとはならないわけで。まずどんなことに困っているか、体調どうなのかとかそういうところから始める。
ここが痛い、朝からあそこが痛むとかこわばるとか、いろんな主訴が聞かれたりして、それによって内容を考えたりもする。
膝が痛いって言ってるのに、話を聞かずガンガン、筋トレしたらたぶん拒否されるだろうし。
初めて介入する患者さんなんかは特に、どんな人なのか、どんな状態なのかをある程度知る必要もあるだろう。
とはいえこちらから一方的に質問攻めしたらきっと患者さんも嫌になるだろう。
なので、一度に全部きかずに最初はあえて軽めの質問にとどめたりもする。
雑談の中で思わぬ情報が入ることもあるので、馬鹿にはできないだろう。
しかし、患者さんもいろんなタイプの人間がいるので、みんながみんな話しやすいわけではない。
相性が合わないってのもあるし、誰にでも拒否的な人もいる。塞ぎこんでいたり、警戒心が強かったり、精神的に不安定だったり、神経質だったり、頭に血が上りやすかったり、無反応だったり、いろいろである。
表面上は問題なさそうでも、別の場面で他のセラピストに愚痴を言っていたりと、やはりリハビリは密な距離になるためときたま障壁が生まれたりする。人間関係ってほんとメンドイっすな。
てことで問診も大事だけど、ラポールがとれるかどうかがけっこう大きい問題となってくる。
単純接触効果でいつものリハビリの人だ、みたいな感じで相手も慣れてきて、リラックスしてくれば問題ないけど、毎回そううまくいくわけじゃあない。
特に自分みたいなあんまりおしゃべりが好きじゃない人は、苦労するわけだ。雑談とかうまくできたりすると、けっこう関係も良好になったりするのだ。残念ながら。
もちろん技術も重要だろうけど、患者さんにとってはリハビリなんてそんな細かい内容まで気が回らないし、早く帰りたいし、入院生活のストレスでいっぱいいっぱいだったりする。細かい説明をきいてなるほど、うんうんと積極的に取り組む人なんてほとんどいない。
むしろほとんどの人はなんでこんなにリハビリしないといけないんだ、みたいなノリである。痛いのに、疲れるし、、、などなど
楽しそうにリハビリしている人もいるけど、みんながみんなそういうわけでもない。なので、人によってコミュニケーションの方法を変える必要もでてくる。
しかし、これがまたうまくいかないこともあり、リハビリ拒否になんとかつなげないように気を遣うことは多い。患者さんが断固拒否したら無理矢理リハビリさせるなんて、さすがにできないわけで。
ちょっと内容がズレてきたけど、まあ情報収集は大事ってことですかな。それよりも患者さんと良好な関係を結べるのが理想だけど。別に仲良しになるわけじゃないので、最低限前向きに取り組んでもらえるくらいの説得力が必要になってくる。
こりゃあ疲れるわけだ。















