息子は、救急病院の処置室の中で、変わり果てた姿になっていた。


救急病院にどうやって行き、娘と一緒に居たのかさえも、あまり定かな記憶は無い。

何故か、断片的な画像しか、思い出せない。


只、手術の承諾書が、親ではなくてはならないとの事で、私は、呼んでもらえたようだ。


息子は、サラサラヘアが丸坊主になっていて、意識は、あった様に思う。


「前頭葉の頭蓋骨が、陥没して脳に傷が付いているので、損傷部分の骨を取り除きますが、開けてみないと判断つきません。最悪の場合、覚悟して下さい。」


医師からの説明は、記憶に残っているが、どんな医師か全く覚えてない。


手術に同意したから、手術したのだが、手術中も、どうしていたのか記憶に無い。


只、主人が、遠くの座椅子で泣いていた映像が残っている。


手術は、成功した様で、その後、1か月程の入院生活を過ごした。


私は、多分当時の職場を退職し、泊まり込みの付き添いをし、一緒に過ごした。


幸い、生活で、出来てた事が出来なくなる事も見受けられず、無事に退院となった。


直径7cm程度の楕円形の取り除いた骨を頂き、5年間息子の1部として身体を守ってくれていた骨。今、その部分は、空っぽの状態で脈が、動き、額が小刻みに鮮明に動く。


骨も、成長するとの事だが、何か、また、使う事でもあるのかもしれない、と思ったのか、今だ、大切に保管している。