今年初映画館&初映画鑑賞。
作品は話題沸騰中の「ヒミズ」。
何を隠そう、私村上雄太は漫画家古谷実氏の大ファンであり、特にこのヒミズの原作は二番目に好きな作品。
ちなみに一位はシガテラね。


ぶっちゃけ、園子温監督の映画って一本も観たことなくて、完全に原作ファンだから観に行ったわけですね。
ただ、監督の評判は聞いていたので(なんか偉そうな言い方ですねゴメンなさい)かなり期待していたわけです。

ハッキリ言ってだいたいの漫画原作の映画ってしょーもないのばっかじゃないですか。
話題の若手俳優目白押しの観た目華やかな人気取りだけで、繰り返しまた観たい!って思うような映画ではない。


自分の好きな漫画が実写化されて、ぐちゃぐちゃにされるのを目の当たりするのは非常に不愉快極まりないので大概は観ないですませてしまいますが、ヒミズばかりはそうはいかない。


先に観に行った友人に聞くとクライマックスは原作と違うと聞いて少しげんなりしたけど、「園子温監督だから!」と下がるモチベーションをグッと堪えて、果たしてどんなヒミズになっているのか期待に胸いっぱいで観に行ってきましたよ!






以下感想。叩かれるの承知で書きたいこと書くので、一個人の感想ってことでどうぞよろしく。






メインキャストの2人は素晴らしいと思った。
染谷くんの氷のような冷たさから一気に噴き出す怒りとか、クライマックスの2人は年下と思えない鬼気迫る演技に、エンドロールが流れている間ただ圧倒されて何も考えることができなかった。これが園子温監督の演出かと。非常に役者としてモチベーションを上げられる作品だったと思う。


が、しかし。


原作ファンとしては、正直がっかりした。
納得できる点はある。
なぜこのような脚本になったのか不可解だったので、監督の真意を知るべく数年振りにパンフレットを買った。
夜野が同級生じゃない理由は大いに頷ける。

だけど3・11後の日本を舞台にしたことと、住田が自殺しないこと、これがどうしても納得いかない。

インタビューで監督の考えが載っていたけど、確かに3・11をとりあげたいってことと住田がなぜ自殺しないのかも書いてあったけど、とにかくそのインタビューを観て、ヒミズでやる必要なくね?って疑問は今なお払拭出来ない。


極端な話、この映画のタイトルが「ヒミズ」じゃなく「モグラ」とかだったらこんな思いも抱かなかっただろうし、「これはヒミズによく似ているけど全く違う映画なんだ。」って割り切れる。


誤解と批判を恐れずに言えば、ヒミズはあのエンディングにこそ意味があり、あのエンディングだからこそ作品としてのクオリティや崇高さがあって、ただの青春漫画として落ち着かない理由があるのだと思う。


過酷な現状に置かれる日本の若者たちに希望と未来をって御題目は素晴らしいが、わざわざヒミズでやらないでこれまでのようにオリジナル作品でやってほしかった。



けれども映画としての水準や持っているパワーは他の追随を許さない至高の青春映画であることには間違いないし、DVDが発売されたら買うと思う。




ただ本当にヒミズじゃなくて別のでやってほしかった。
なんならシガテラの方が趣旨に合ってたんじゃなかろうか。



以上感想終わり。


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