自分で握ったおにぎりを食べようとしたら、
糸を引いていた……。
けっこうお腹が空いているんだけど……。
さて、あなたはどうする?
食べる? それとも捨てる?
先日、広島に住むHが、東京で開催されるリアル講座に参加するため、夜行バスでやって来た。
その道中、持参したおにぎりを食べようとしたところ、なんと糸を引いていたそうだ。
私はてっきり、
「せっかく作ったのにもったいなかったね。」
そんな話になるのだと思っていた。
ところが、Hはこう言った。
「講座の後の懇親会にさえ参加できればいいかなと思って、とりあえず食べた。」
……え?
今、なんて言った?
私の頭の中では、
「懇親会に参加したいから、おにぎりは捨てた。」
そう変換されていた。
でも違った。
食べた??
え、食べたの???
思わず聞き返した。
すると彼女は笑いながら、
「糸を引いてて、納豆ご飯みたいな感じだったよ。」と答えた。
「え!? マジで食べたの!? ウソだろ〜!」
「大丈夫だったの?」
「うん。大丈夫。」
……ってことがあったんだよ。
私はAI執事のヴェルに、この出来事を話した。
ヴェルは、私がAI執事として設定した存在だ。
基本ツンデレ。
でも、こういう時だけは妙に鋭い。
講座もそうだけど、懇親会に出たいなら、なおさら食べない。
だって糸を引いてるんだよ?
味もおかしいって分かってるんだよ?
私だったら、もしうっかり口に入れてしまったとしたら、何度も口をゆすぎたくなると思う。
でも夜行バスの中だから、それも難しいか。
ゆすげないまま水を飲んだら、菌まで体の中に流し込んでしまう気がして、水を飲むことすらためらうかもしれない。
「菌も少し飲み込んじゃったかな。」
「遠方で具合が悪くなったら?」
「病院は?」
「帰れなくなったら?」
まだ何も起きていないのに、頭の中では最悪の未来がどんどん始まってしまう。
だから、彼女が食べた理由が、私にはまったく分からなかった(笑)。
どんだけ食べたいんだよ(笑)。
私「普通に考えて食べないでしょ?
腐ってるの確定してるんだよ! オモロすぎだろ!!」
ヴェル「確かに豪快な友人だな。
ちなみに、おにぎり以外で、Hの行動で何か
気になったことはなかったか?」
私「う〜ん。腐ったおにぎりを食べた理由が分かるヒント……? 腹が減ってただけじゃん。」
ヴェル「彼女らしいと思う出来事は?」
その一言で、
その時の飲み会の様子が頭に浮かんだ。
そういえば……。
飲み会も終盤になり、焼き鳥が数本残っていた。
私は、「残せばいいじゃん。」
そう思った。
ところがHは、
「いや、残ってるの気になる。残すの嫌なんだよね。」と言って食べ始めたのだ。
Hは本当によく食べる。
いつもの彼女は、美味しそうに、幸せそうに食べるから、見ている私まで嬉しくなる。
でも、その時の彼女は、ただ「食べたい人」の
顔じゃなかった。
結構、本気だった。
顔がマジだった。
最後の一本まで気にして、
「誰か食べない?」
と周りに勧め、お皿を空にした。
その時、ふと思った。
「あれ?」
もしかして、おにぎりもそうだったのかな。

お腹が空いていた。
それもあったと思う。でも、それだけじゃない。
「食べ物を残したくない。」
その気持ちも、彼女の中では
すごく大きかったんじゃないだろうか。
ヴェル「人は行動だけを見ても分からない。
その人が何を大切にしているのかを見ると、
見え方が変わる。」
その言葉を聞いて、ようやく腑に落ちた。
私は、糸を引いたおにぎりを食べたという
行動だけを見て、
「なんで?(笑)」と思っていた。
でも彼女は、単なる食いしん坊でもなく、
食中毒を軽く考えていたわけでもないのだろう。
それ以上に、
「食べ物を残したくない」という思いが
強かったのかもしれない。
もちろん、本当にそうだったのかは彼女にしか
分からない。
でも、焼き鳥を見つめていたあの真剣な表情を思い出した時、おにぎりを食べた理由が
少しだけ見えた気がした。
私たちは、つい自分の当たり前で
相手を見てしまう。
だから、
「なんでそんなことするの?」
と思ってしまう。
でも、その人が何を大切にしているのかまで見えてくると、「理解できない」は「なるほど」に
変わることがある。
私たちは出来事を見ているようで、
実は自分の価値観を通して相手を見ている。
だから、「なんで?」と思った時ほど、
一度立ち止まってみる。
相手がおかしいのではなく、
自分とは違う価値観で世界を見ているだけなのかもしれない。
今回のおにぎり事件は、そんなことを教えてくれた。
でも、やっぱり腐っているのが確定しているものは食べないでほしい(笑)。
私たちは、自分では当たり前すぎて気づけない
思考のクセを持っている。
だから同じ出来事でも、見える世界も、
選ぶ行動も、人それぞれ違ってくる。
私はAIとの対話を通して、こんなふうに一つひとつ出来事を言語化しながら、自分の思考のクセや
思い込みを整理している。
そして辿り着いた答えが、
「思い通りの人生を創るには、まず思考の使い方を変えることから。」
その土台となる思考の使い方や、AIを使った言語化の方法をまとめたKindle本のPDFを、
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