不思議なことが起こっているようです


自民党は断固として森友学園の理事長を参考人招致することに反対していましたが、安倍総理から100万円寄付を受けたと理事長が言い出すや否や、あっという間に参考人招致どころか、証人喚問をすることを野党に呼びかけて決定したんですよね…

それもあと三日です

不思議だと言うのは、参考人招致と証人喚問のどちらが重いかを考えてみると分かります

参考人招致では別に嘘を言ったとしても、それによる罰はありませんが、証人喚問では偽証罪で告訴される恐れがあるんです

つまり、証人喚問をすることは限りなく嘘が言いにくい状況になるということです

そんな重い筈の証人喚問を、参考人招致を断固として拒否していた自民党が率先して呼びかけて行うことに何か違和感を感じるんですよね…

国有地が不当に安い値段で森友学園に払い下げられた問題や、そこに至るまでの異常なほど多数の「異例の扱い」を官僚が行った事実を解明しようとして要求されていた参考人招致には、自民党は断固として反対していたんです!

官僚というものがどれほど「前例があるか、無いか」にこだわる存在かは、国民の常識として知ってる人が多いでしょう

それは官僚の「我が身の保身の為」であることも周知の事実です

メモは廃棄したとか、文書が見つからないなどという言い訳は、あり得ないことなんです

もしそれを無くしてしまえば、いつかある時、誰かの犠牲にされる恐れがあると思うからこそ、官僚は前例を踏襲して、自分が決めたことではないという言い訳が出来る準備をするし、経過を記録したメモや文書は保存しているんです

そんな異常な状況を解明するのに参考人招致をするべきだという野党の主張に、自民党は「罪に問われているわけではない民間人」を安易に国会に呼び出すことには賛成出来ないと言って絶対に首を縦に振らなかったんですよね…

それがどうでしょう?

安倍総理が寄付したとか、しないとかいう話が持ち出された途端に、自民党は参考人招致をすっ飛ばして証人喚問を要求することにしたんです

これもまた異常なことだと思いませんか?

それほど早く「まだ罪に問われていない民間人」を証人喚問という偽証罪を伴うほど重大な呼び出しをすることを決めれた自民党が、何故それまで参考人招致という一段階軽い呼び出しを断固として拒否していたんでしょうねぇ〜!

この時に考えなくてはいけないことは、野党が参考人招致を要求していた問題は「国有地の不正な恐れがある払い下げ問題」の解明であり、それに伴う官僚や、政治家の関与の解明だった筈です

それには自民党は反対だったんです

ところが、今回の証人喚問は「安倍総理個人の名誉の問題」だということですよね…

つまり、自民党は「国民の財産である国有地の不正な恐れがある払い下げ問題」や「官僚や政治家の不正な関与の問題」を明らかにすることよりも、安倍総理個人の名誉を守ることの方が大切だと思っているということです

この一事をもって、自民党という政党が「国民のことより、自分たちの利益を優先する政党」だということが分かると思いませんか?

予算が足りないとか、原発の補償や除染に大きな費用がかかるとか言って、何かというと国民から搾り取ることにはためらいを持たないくせに、献金を大量にしてくれる電力会社がやるべき補償の肩代わりを税金でやったり、自分たちに友好な態度を示す者には便宜を図ったり、自民党の政治家の顔がどちらを向いているかは明らかですよね…

国有地を一円でも高く売ることは、国民の利益につながります

それを考えられないほど安く森友学園に払い下げた問題は、関与した官僚や政治家がもしいるとすれば、断固として処罰されなければならないのは当然ですが、同時に自民党がこの前までやっていたような「臭い物に蓋をするやり方」も絶対に許してはいけないんです

この証人喚問は「安倍総理が献金をしたか、しなかったか」に自民党は集中させたいと思っているんでしょうが、それ以前にあった「国有地の払い下げ問題」の解明をウヤムヤにすることは許されません

稲田朋美防衛大臣も様々な問題追及を受けて足下がぐらついているようですし、南スーダン撤退の問題も不可思議です

そんな様々な問題を安倍総理個人の名誉の問題でウヤムヤにしてはならないんです

総理とは言え一個人の問題と、国や国民の利益に反する様々な問題と同一視してはいけないと思いますね

どちらが重いかと言えば、言うまでもなく国民の利益の方が優先されるべきで、そちらが重いと言っていいんじゃないでしょうか?

この証人喚問が「安倍総理個人の名誉の問題」に集約されて扱われたとしたら、それは自民党の思惑通りになったということです

野党の連中にはくれぐれもそんなバカな戦略に引っかからないよう願うばかりです