(画像引用元: movies.yahoo.co.jp

 

Amazon Prime他で視聴可。U-NEXT以外はレンタル料がかかります。

 

評価: 星星 星 (3.6)

 

<ストーリー>

技術はあるのに話術が下手で客受けがよくない売れないマジシャン、晴夫。彼は、母に捨てられ、父は音信不通という境遇を嘆き、「何をしたって、どうしたって、生まれてきた自分が損なんだ、どうして俺なんか生まれてきたんだ」とクサる毎日を過ごしていた。

そんな晴夫の元に、ある日警察から、父親が遺体で見つかったと連絡が入った。晴夫は、遺骨を受け取った警察署で遺体の発見場所を教えてもらい、その場所に向かったが、そこは河原の掘っ立て小屋だった。

「なんでこんなところで――」。

夏の青空の下でやるせない感情がこみあげてきた晴夫。

そこに突如、一筋の雷が晴夫を直撃。気がつくと晴夫は40年前にタイムスリップしていた。

 

惜しい。

あとちょっとの工夫で星4個つけられた作品である。

 

プロローグから好感が持てた。

晴夫の特技と生活状況、人間関係がよくわかる‘つかみ’だし、

その後の場所・場面のつくりも丁寧。

話のベースはファンタジーだが脚本が良く、

なかなかどうして、地味ながら良質の人間ドラマ。

なのになぜ星が3個なのかというと、

 

1.主人公の父親役の劇団ひとりが

 どーしても浅草芸人に見えなかった汗

 眼の黒目サイズがでかい(でかく見えるはてなマーク)ために

 いつまでも“ナマイキな子ども”顔の劇団ひとり、

 芝居は悪くなかったが、顔がビックリマーク顔が坊ちゃんすぎて惜しいビックリマーク

 

2.設定上の‘40年前の浅草’がきれいすぎ汗

 タイムスリップしたのは1975年の浅草。

 その当時の浅草は、まだ“飲む打つ買う”の

 アソビのるつぼ、闇鍋状態だったはず。

 なのにどこ見ても通行人の顔がすっきり健全で、

 三社祭とセットだった刺青の方々や

 封切り館や名画劇場の隣のポルノ映画の看板とか

 立ちんぼさんや客引きさん、

 ノミ屋テキ屋、馬券オヤジの類がなぜか隅にも見えない。

 そりゃそんなの出したら映倫区分のG(年齢制限なし)が

 許可されなかったからだろうけど、

 芝居小屋の中は40年前らしくしてるのに

 外は‘舞妓さんのいない京都清水のどこか’みたいなのって

 舞台設定・時代考証的にどうなのよはてなマーク

 

よくわからないラストは、

あれはあれのままでいい。

主人公が両親の思いを知って自分の出生を呪うことをやめた、

それがこの作品の眼目だから。

ただ、私的には

せっかくの40年前設定が

‘きれい’によって活かしきれなかったのがもったいなかった。

 

大泉洋の演技はさすが。マジックシーンも唸らされた。

ほんのチョイ役では笹野高史が慈愛深い産婦人科医を好演。

町医者役、似合うわ~OK

 

なお、主人公の母親役の柴咲コウの鼻筋が

夫(劇団ひとり)や息子(大泉洋)に比べて立派すぎて

途中から三者の鼻梁が気になってしまったのは

私だけだろうかはてなマーク