去る4月6日に、
人口10万人あたりの感染者数で1位になった福井県。
あれからずっと人口比1位を爆走している。
幸福度に加え、小・中学生の全国学力テストや体力テスト、
国民体育大会などで1位をとるのが「好き」というか、
1位獲得に対して
「強迫的な義務感」に満ち満ちている県民性だから
この1位も嬉しいのかというと、さにあらず。
やはり、怖いらしい。
新型コロナに罹患した場合の死亡率は2割と言われてるので、
まず、「死ぬのが怖い」。これは世界共通。
次に、「コロナになったとバレるのが怖い」。
これも世界共通になりつつある。
が、
後者は田舎ほど恐怖ではないかと思う。
特に、まだコロナ罹患者が出ていない地域の
最初の罹患者になるのはおそろしい。
福井県の西部、私の住んでる嶺南地方では
今のところ新型コロナ感染者は「未確認」。
こんなところで‘最初の人’になってしまうとどうなるか。
「(嶺南で)一番最初になるのは絶対イヤです
SNS怖い。SNSであっという間に拡散されて、
昔のことまでほじくりだされて
プライバシーなんかあったもんじゃない」
おととい、所用でウチに来た檀家さん、
鼻がちょい赤かったもんで、
「花粉症」と尋ねたところからコロナの話になって、
その人が大きな体を震わせながら言ったのがコレ。
さもありなん。
地域ではなく県全体の1番目(東部在住/陽性→入院)の方は、
濃厚接触者と目される人が多数いて、
その人たちがことごとく「陽性確認→入院」になったもんで
人物と会社込みで一躍‘ふくいの時の人’になった。
会社は県内トップクラスの企業、
ご本人はその会社のトップ、
通常なら良いほうに作用する材料が注目度を高めてしまった。
悪いことに、発覚発表から2週間後に
濃厚接触者の1人が感染で亡くなったことで
その人と家族はここぞとばかりに
ねたみやっかみ全開&虚実ないまぜの袋叩きに遭った。
その人と会社の名誉のために付け加えると、
その人の会社は本人陽性確認の翌日、
HPで「役員感染」を発表した。
さらに同日、それが誰であるかも発表した。
これは英断であり、
企業人として適切・誠実な判断と対応だった。
なのにそうした態度はそっちのけで、
叩きと暴きのピークは、1週間以上続いた。
亡くなった方のご遺族や二次三次感染したご家族、
本人に積年の恨みがある人がそうするなら、
良い悪いは別にして心情的にまぁわかる。
が、そうでない人が会社に抗議電話をしたり
匿名をいいことにネットで悪口を広めたり
仲間内で悪しざまに嘲笑したり。
‘陰で手のひら返し’をした人も多分いただろう。
「うつしたせいで人が亡くなってるんだから叩かれるのは当然」と
私の夫は言ったし、それが‘世間的正論’かもしれないが、
田舎ゆえに大した娯楽がないからか、
はたまた社会が狭すぎるせいか、
その人の社会的地位がもし普通レベルやそれより下だったら
一族そろって‘県外放逐’されそうな叩かれ方だった。
(今の時代、福井内で村八分より県外放逐のほうが暮らしやすいとは思う)
こうした前例があると、
陽性発覚は「社会的死」と≒(イコール)に感じられてしまう。
私には社会的地位なんぞ「無い」んだから、
たとえ感染の地域一番手になったとしても
濃厚接触者が軽症で済みさえすれば
非難や暴きの魔の手から逃れられる……
なんてのは希望的観測。
そんな甘さはネットが普及した田舎には存在しなかろう。
第一、私の仕事は受付・接待業務のようなもの。
もちろん私ではなく夫や息子が地域一番手になったとて
ち~んとなるのは同じこと。
自分が無症状感染者なら無症状のまま、できる限り引きこもり、
運悪く症状が出て検査で陽性にひっかかったときには
できれば十番手以降のモブな感染者でいたい。