この作品はU-NEXT、Amazonプライム、Netflixなどで視聴可能。

  注:ネット知人から「Amazonプライムでは有料だった」とのお知らせを

    いただきました。有料レンタルでしか配信しないサービスもあるようなので

    ご確認ください<(_ _)> (2020.3.20 16:35追記)

 

評価 星星星星星

 

私は感染病蔓延をテーマにした映画・ドラマを

『アウトブレイク』以外に観たことがなかった。

この映画で初めて

「触れる・触る・持つ」にフォーカスしたカメラワークを見て、

接触感染の身近さにゾッとさせられた。

また、現在のウイルス禍に通用する警告的描写の数々、

これが9年前につくられていたことが驚きだった。

 

タイトル Contagion

(接触伝染、接触伝染病、その病原体)が示すとおり、

『コンテイジョン』は

未知のウイルスによるパンデミック・パニックものである。

下敷きになったのは2002年~2003年のSARS騒動。

SARS騒動、私はここ最近ようやく、「そんなんあったんだ」と知った。

 

この映画には単一の‘主役’がいない。

複数の主要人物それぞれが、それぞれの立場で

ワクチン開発や衛生調査、

あるいは愛する者を守りながら逃げることに全力を注ぎ、

生き延びようとするだけだ。

今般話題のWHOやCDC(疾病予防管理センター)の

研究者や医師たちの奮闘が比較的多く描かれていて、

功労者と目される人物はいるけれど、

作中でその人物に

特別なスポットライトが当たる場面は見当たらない。

群像劇という言葉があるが、それとはちょっとニュアンスが違う。

手法的にはドキュメンタリー寄りだろう。

そして、役者がみんな上手い。子役も含めて。

大人の映画だ、と思った。

 

新型コロナウイルスとテドロスちゃんのおかげで

「WHOなんてそんなええもんちゃうで」と思ってしまうが、

とりあえずそれを脇に置いて鑑賞した。

今は、ワクチンが早く開発され、

死滅した肺胞と間質の代替移植が可能にならないかと

願うばかりだ。