評価 
超高級ワインの有名オークショニアー（オークション主催者）や投資家を阿鼻叫喚の渦に巻き込んだ、2012年の偽造ワイン事件。『すっぱいブドウ』は、そのあらましを、当時の記録映像やインタビューを交えて構成したノンフィクションムービーである。
なかなかにサスペンスフルで面白かった。
「ワインなんか知らんし、興味ない」って人でも、華やかな世界の陰に興味がある人や、犯人を追いつめる過程にワクワクする人なら楽しめるんではなかろうか。
映像と字幕に、偽造されたヴィンテージワインの銘柄が出てくるので、メイン画面を一時停止して別ウィンドウでそれを検索、価格にビックリするという愉しみ方もできる（私がそれだったｗ）。
なによりも、
騙したやつ、
騙されたことに怒ってるやつ、
共謀がバレそうで焦ってるやつ、
騙されたとわかってもまだ信じたくてたまらないやつ、
怒りのワイン醸造家、身辺調査の名探偵、検事、弁護士…
出てくる面々が「素」でキャラが立ってて最高
殴り合いや血しぶき、怒号などは一切ない。
しかし地味で静かで淡々……に見えて
それらが後半で一気に収斂、
トドメに、フェイクバブルの終りを象徴するかのようなエンディング。
とっ散らかってるように見せながら、
ちゃんと考えて構成されたドキュメンタリーだった。
この事件の首謀者が偽造したヴィンテージワインの半分以上は、逮捕までに回収されることなくアジア諸国に流れたらしい。
偽造ワインにはオールドヴィンテージっぽい味わいのために調味料として少量の醤油が使われたそうだから、かえって日本人の舌に合うかもしれない。
……そこのロマネ・コンティ、大丈夫
おまけ