麻生太郎財務相は28日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた小中高校などの臨時休校を巡り、共働き家庭などで生じる学童保育などの費用負担について質問した記者に対して、「つまんないこと」と発言した。
記者は「出費について政府が臨時の支出をすることも具体的に考えているか」などと質問。麻生氏は「(休校などの)要請をして費用がかかる場合は、政府が払うのは当然のことなんじゃないですか」と回答した。麻生氏は次の質問を待つ間、記者に「つまんないこと聞くねえ」とつぶやいた。記者は「国民の関心事ですよ」と返したが、麻生氏は「上から(上司から)言われて聞いているの? 可哀そうにねえ」と述べた。
2/28(金) 11:57配信 毎日新聞
麻生財務相 休校中の学童保育の費用について「つまんないこと聞く」
記者は、学童を持つ共稼ぎ世帯や母子家庭・父子家庭の親たちの不安を代弁し、また、その答えによっては不安や動揺が解消されるから当該の質問をしたまで。
それを「つまんないこと聞く」とは何ごとか。
麻生氏のこの姿勢態度には、二つの大きな問題がある。
ひとつは、麻生氏と、おそらくそのご親族やお友達、周りの人々にとってもつまんないことが、普通の大多数の国民にとっては大きな懸念や、逆に安心の材料になるのに、それがわからない人間が財務相をやってるという事実だ。付け加えるなら、そういう人間が衆議院選挙で13回も選出され、首相を務めたことさえある。
ふたつめは、記者との問答で露呈した、麻生氏が絡む内閣の下賜(かし)体質だ。「下賜」とは、天皇など身分の高い人が身分の低い者に物を与えることである。
オレはちゃんと考えてやってるんだから、おまえらしょうもないこと聞くなよー、チッ。
平たくすればこれが彼の思いだろうが、日本の現行憲法にしたがえば、彼や内閣、記者、国民に、身分の上下差はない。内閣の判断、政策は「上におわす方々が国民にくだされたもの」ではないはずなのだ。
官邸や政府閣僚の記者会見は「身分の高い人が下々にむけてお言葉を発する場」ではないし、今回、記者がした質問は、妙な質問でもなんでもない。「どうですか?」と聞かれたのだから普通に答えればいいだけだ。
麻生氏は日本青年会議所会員たちにヨイショされすぎて、誰を見ても自分の弟子、部下、後輩にしか見えないのではないか。
内閣という組織の「立場上」最上位にいる首相・安倍晋三。
安倍晋三氏が返り咲いてから強気で居られるのは、姿勢態度の後ろだてとして麻生氏がいて、言説ケムマキマジシャンとして菅氏がいるからだ。
特に麻生氏がいる限り、経団連も神社本庁も日本会議も、そして今やはっきりとそれらの下部組織であることを表明したに等しい日本青年会議所も安倍を見限ることはない。少しでも頭があれば、人心掌握に長けた麻生がいなければ安倍晋三は張り子のシンボルですらなくなるとわかるからだ。
あらゆる施策を恩賜として施してやってるという感覚。
そりゃ好き勝手やるだろう。
麻生氏が創る空気の中で、
のびのびふるまう安倍氏と安倍バンドワゴンの乗客たち。
それを後押ししたのは彼ら彼女らを当選させた国民……
と考えると、
普通の人の普通の生活はつまんないことばかりでできてんだよ!と怒鳴りたくなる私はおかしいのか、
小泉・竹中体制が謀り、遺した遺恨や残滓を
誰も異常とは思ってなかったし、今も思ってないのかと、
つい自分以外の日本人を不思議に感じてしまう。