リアルタイムでは無理だったのでYoutubeで。

 

会見を見ていて、しんどくなって、

別ウィンドウでザ・ブルーハーツの楽曲を流し続けた。

宮川選手はザ・ブルーハーツを知ってるかな。

ザ・ブルーハーツの『チェインギャング』や

『月の爆撃機』を知ってるかな。

 

彼の時系列告白で一番胸をえぐられたのは、

問題の試合の数日前に監督に言われた

「おまえは(日本)代表に行くな(辞退しろ)」。

 

お山の大将とその太鼓持ちやコバンザメでない限り、

誰でもどこかで自分の足りない部分を自覚してる。

年が若ければ若いほど、

立場が下であれば下であるほど、それは弱気のもとになる。

日本大学アメフト部の監督やコーチは

そこを上手に突いて、根本から動揺させた。

1対1でも衝撃なのに、

まわりに誰かがいる中で「代表に行くな」と告げられたら、

それは恥辱でしかない。

前年に甲子園ボウルで活躍した選手なら

よけい衝撃、墜落感は強かったろう。

そのうえ、日本大学アメフト部は

「指導者に理由を聞くな、イエスとだけ答えろ」が至上命令だから、「はい」と答えるしかなかったとのこと。

 

代表を辞退させたあとは練習にも参加させなかったという。

これは「無視」と同じ。

「おまえは空気、透明人間」と言っているのと同じ。

ヒエラルキーで構成された組織・集団は

マンモスになればなるほど、

固定された上層部を除き、そこから下の競争が熾烈である。

「オレ以外の誰かが堕ちろ、消えろ」。

まして日大アメフトの三年は

学生アメフトでの成果が就職に直結する。

彼の同期に、

彼に味方する選手はいなかっただろうことは容易に想像できる。

 

彼の会見後、日本大学広報部が文書でコメントを寄せた。

どこまでも「監督の指示と学生の受け取り方に乖離があった」と

強調し、学生の会見については

『「厳しい状況にありながら、敢えて会見を行われた気持ちを察するに、心痛む思いです。本学といたしまして、大変申しなく思います』。

私はこれを白々しいと感じた。

 

関西学院大学側が、怒りつつも、どこまでも教育者として、

最初の会見から他大学の加害学生を慮っていたのに対し、

日本大学は事件の真相解明にあたることもなく、

ぺらぺら文書の美文でお茶を濁した。

「時間さえ稼げば何だってウヤムヤになる」、

今までもこれから先も安泰に君臨できると信じるトップの、

典型的な思考、傲慢、狡猾。

両大学間の入試偏差値や卒業生の学力偏差値には大きな開きがあるらしいが、人格・品性偏差値ではそれ以上の次元の異なる開きがあるようだ。

 

日本ではどうにでもなるとタカをくくっていて、

事実日本ではどうにでもなってきた歴史があるので、

ここはひとつ、本場アメリカの学生アメフト界が

日本大学に「No!」と言ってほしい……が、

日本大学の体質を考えると

先回りしてカレッジフットボールに巨額の寄付をすることで

批判を封じ込めそうだ。

 

 

スキャンダルは多々ありつつ、

40年前にはまだ面白い大学だったはずの日本大学。

 

おちぶれました。